クリフトは仲間から外れません。
(呪われアイテム)
暁!氷結クリフト
第7弾 「真夜中のナイト」
「クリフト? お前何してんの?」
宿屋の大浴場で汗を流してきたソロは、部屋に戻る途中の廊下に、クリフトが帯剣して立っているのが見えました。
「お前、まさか」
「そうです。姫様の護衛です」
クリフトが立つ部屋の主は確かアリーナ姫。
自国の王女を守る為、彼はここで寝ずの番をしているのです。
「今までもずっと見張ってきたのか?」
「勿論です!
「姫様の身に何かあってはこのクリフト、いえ、なんでもありません!」
ただのエロ僧侶かと思いきや、主君の貞操を守る騎士でもあるようです。
彼の意外なナイトっぷりを見て感心したソロが「まぁ頑張れよ」と肩を叩こうとした時、その手はスカッと空振りに終わりました。
「あぁ、姫様の足音が聞こえるハァハァ」
「え」
クリフトは扉にピッタリとくっつき、耳を押し当ててアリーナ姫の生活音を聞いているようです。
「こ、この水音はっ! もしや、シャワー!?」
「おい、クリフト」
「ひ、ひ姫様がシャワー!! どぶはぁ!!」
「ブライ来てるぞ」
「あぁ、水になりたい! 湯船になりたい! ノズルに、いや風呂椅子に――!」
「そのまま死人となれい!!! ブタ野郎!!」
「折角温まったのに……」
廊下に身の毛もよだつ冷気が吹き抜け、道を塞ぐほどの氷柱(通り抜け不可)が完成した後は、ソロは凍える身を縮めて再び風呂場へと向かったのでした。
哀れ、氷結クリフト。
ただのストーカー
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