氷結地獄もあと少し。
ここは「暁!氷結クリフト」、コキュートスです。
七つの大罪を犯しまくってる神官しか居ませんので、
こんな彼でも愛してるという方は、病院へ行ってご相談を。
暁!氷結クリフト
第11弾 「氷結、零式。」
「もうっ! クリフトのばかぁ!」
「あべしっ!」
最近では氷結している時間の方が多いクリフトに、アリーナ姫が遂に怒りました。
二人の時間を大切にしたいと思っているのは、何も神官だけではないのです。クリフトが氷柱に埋まっている間、ずっと融けるのを待っているアリーナ姫は、寂しさのあまり彼を詰って頬をペチンと叩きました。
アリーナ姫の平手打ち。それは天空の塔の最上階から転落するのと同じくらいの衝撃があると言われています。クリフトは右の頬をアリーナ姫の小さな手の形に赤く腫らしながら(顎は粉砕)、しかしその衝撃とは別の意味で鼻血を出しながら言いました。
「あぁっ、姫様! もっと打ってくださいまし!」
「ク、クリフト」
「我が主は、右の頬を打たれたならば、左の頬をも差し出せと仰います」
流石は神官。神の教えを忠実に守っているのかと思いきや、
「そこで! 左の頬だけでなく、全クリフトを姫様に差し出しましょうっ!」
「ちょ、クリフト」
そう言うとクリフトは素早く上着を脱ぎ始めました。
「さぁっ! 私の足を、尻を嬲り、究極の辱めをお与えください!」
「いっ、いいよ! 服着てよ!」
「お寂しかったお気持ちをぶつけるように! なじるように!」
既に下着にまで手を掛けているクリフトを直視できなくなったアリーナ姫。顔を背けて悲鳴を挙げますが、興奮し始めたクリフトを止めることはできません。
クリフトは恥じらいに頬を染めるアリーナ姫にじり寄りながら、クネクネと身悶えして続けます。
「縛り! そして吊るしっ! 全私に姫様の熱い想いを刻んでください!」
「キャー!」
「ギッタギタに刻んでやるわァッ! ド変態めが!」
「公然猥褻物はずっとそこに収まっておけい!」
どこからともなく現れた例の魔法使いによって、再び氷柱の住民となったクリフト。今日もまた分厚い氷の壁に閉じ込められてしまったようです。
そしてまた神官との距離と時間を隔ててしまったアリーナ姫は、ゲンナリと肩を落とすのでした。
哀れ、氷結クリフト。
顎が砕けても神官は砕けない。
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