その後 -裏2-



熱を吐き出した楔を引き抜き呼吸を整えながら彼女を抱きしめた。
少し放心したように脱力していた彼女の瞑られた瞼が少し開き、
瞳に色が戻る。

弱弱しく彼の背中に腕を回し精一杯であろう力が篭られた。
「…ディア…」
うっとりと呼ばれる切なくも甘い声に彼の治まっていた欲情がまたもあおられる。
(さかりのついた動物みたいだ)
彼女に関しては本能が思うように制御できないのを苦々しく思う。
もっと大切にもっと大事に扱いたいのに
抱き始めればめちゃくちゃに壊したい気持ちの方が勝って
時にはそれに贖えなくなりあとで後悔してしまうのだ。
その衝動的な激しさを彼女が拒否した事はないけれど
恐らくそう経験もない少女のそれもナチュラルの身体にあまり攻めすぎるのも
よくない、とは彼も思っていた。でもそうできない。
若さゆえというにはコーディネーターの中でも経験豊富といわれる彼には当てはまらず
これがなんていう感情なのか自分でももてあます。
欲望に忠実になればきっと彼女を粉々に砕いてしまいそうで、だけどそれを抑え込める程
自分は我慢強くなく。ジレンマに陥って結局後悔する方を選んでしまうのだ。

しかし今夜は彼女が強く求めてくれる。
それに答えて彼女が気持ちよくなってくれると考えるだけで
自分の中で甘く融けてしまいそうな幸福感に溺れてしまいそうだ。
(こんな気持ちになる女はいなかった。)

ほんの少し前に感じた不安もすっかりとんでしまい彼は彼女の身体を撫でた。
ぬるい湯で全身の汗を落とすようにゆっくりと腰のくびれを撫で上げ脇にそい華奢な肩から首筋へ。
そして柔らかな胸をまんべんなく網羅して腹に這い太ももの内側を。
褐色の長い指のピアニストが繊細に彼女のキイをタッチするように。
彼女はその指の感触にうっとりとこたえ甘い音を唇から零す。

続けて彼女の身体を少し抱き上げ背中についたジャグジーの泡を落とすように撫でさげる。
下肢に手をのばし今まで繋がっていた部分を丹念に洗い出した。
彼女の蜜と交じり合った自分の熱をかきだす様に指を壁に沿いなぞり出す。
それを執拗に続けた。ヌメリがだんだんとさらりとしたものに変わる。
「あとでまた舐めてあげる」悪戯心をだしてわざといやらしく囁く。
最後に敏感なボタンを摘まんだ。
「ぁっ…」小さく声をだしほんの少し彼女が反り返った。
(感じてくれてる。)そう思うだけで幸福感に浸れる。

こたえるように彼の背に回された彼女の掌が彼の動きにあわせて同じように泡を落とすように
褐色の無駄の無い筋肉のついた背に形どるように撫でさげた。
彼は思わず深く息を吐く。
ぞわぞわと泡立つ快感に彼は総毛たち剛直の根元に疼きを誘う。
彼は彼女の唇に自然と吸い付いた。
磁石でもついてるのかと思うくらい離れる事ができない。
(ああもう…どうにかなりそうだ)
舌の感触がいつもにまして甘く感じる。咥内の上顎を舌で撫で思う存分味わいつくし
ようやく唇を少し離すと彼は彼女に囁いた。
「ベットに行こう」

瞼を伏せて小さく頷く彼女を湯から抱き上げ軽くシャワーをあびてバスルームから出る。
出てから静かにおろし立つ彼女にバスローブを着せて体を拭く、
とゆうより撫でるように水滴をしみこませた。
跳ねていた髪は濡れてウェーブかかった房となり違った印象の彼女を彼は見つめる。
「ディアッカも拭かないと風邪ひいちゃうよ」
いつもの調子なのにその姿だと甘えるように聞こえてしまう。
何もせずただ笑む彼に彼女が抱きついて自分のバスローブでごしごしと拭く。
彼はおかえしとばかりパーカーになってる部分を彼女の頭に被せて乱暴に髪を拭いた。

本当に――このかわいい生き物にどうやったら自分の今の気持ちが伝えられるだろう。
彼はごく自然に頭の中に浮かんだ言葉を呟いた。
「あいしてる」

彼女は ハッと彼を見た。
愛しげに注がれる紫の光に彼女は咄嗟に俯いた。彼はその一瞬を見逃さない。

苦しみを浮かべた翳りの表情。
舞い上がっていた心がまっさか様に突き落とされた。
暗雲が立ち込め今まで光輝いていた世界が暗闇に侵されていく。

(何か…あるんだ)

彼はとても勘がよかった。それはコーディネータだからというわけではなく
持って生まれた能力に近い。相手の感情を瞬時に察して其のデータをモトに次の行動に移せるのだ。
女性に対しては喜ばす動作を。敵に対しては一番嫌な動きを。
時には無意識に逆なでる言葉を吐いてしまう。
(一度彼女にそれをして殺されかけたけど。)

その表情に今の彼はオウムのように繰り返すしかなかった。
「あいしてる」懇願の音を込めてもう一度言うと抱きしめた。

彼女は俯いたまま彼を抱き返し言った。「ベット行こう」
声を切なげに震わせて誘う。
本心を問いただせばきっとすぐ話してくれると思うが嫌な予感しかないその話しを
本能的に回避したかった。
彼は彼女の要求と自分の欲望に素直に従って目をきつく瞑り同じように抱きしめる腕に力を込めた。
気を落ち着けるように。
そして彼女をまた横抱きするとベットに歩いた。

ベットにそっと彼女をおろして彼は全て打ち消すように彼女の唇に噛み付いた。
侵入した舌で犯すように咥内を貪り嬲る。
息ができないように吸い付き延々と息をふさぐ。大人しく従う彼女の胸が空気を求めて
心臓の鼓動が早まるのがわかった。だが放さない。
唇から不安が伝わる。きっと自分の不安も見透かされていると彼は思った。
ようやく放すと彼女は喘ぐように息を吸い込む。苦しげに呼吸をして息を整えようと目を瞑る。
彼はその様子をじっと見つめた。(問いただすべきなのか)

彼女は荒い息が収まるのも待たず身体を起こし彼の体に抱きついて反転させた。
下から見上げる紫の瞳に唇を落とす。彼は目を閉じて受けた。
瞼に触れた柔らかな唇の感触を 手放したくなかった。


彼女はいつも彼がそうするように啄ばむように唇を頬に首筋に落とす。
褐色の上質な肌の弾力のある筋肉にそって舌を這わし薄い色の飾りをいつもされるように
口に含んで吸い付き舌で転がす。
骨ばったラインの綺麗な彼の指が彼女の茶色の髪をなでる。
彼女は飾りを甘噛みした。
「…っ」彼の息に呻きが混じる。舌で胸についたふき取れてない雫を拭い取るように丹念に舐めた。
彼の心臓が早くなるのがわかる。

(同じように感じてくれている。)
そう思うと彼女も自分自身が熱くなるのがわかった。
舌で引き締まった腹を嘗め回す。

綺麗な身体だといつも思う。
女とは違う生き物だと彼にかき抱かれる度に彼女は思っていた。
しなやかな動きをみせる彼の体は神様が直に創造したものに違いない。
それだけ美しく無駄の無い線をしていた。
褐色の肌が自分を抱く時に噴出す汗は細胞1つ1つが生きている証だ。
発色して上質の絹の肌触りを自分に与えてきた。

(彼に抱かれて私は幸せだった。)

何度も絶頂を向かえ快楽を引き出された。
寂しかった心を満たしてくれた。
愛してると言ってくれた…
(もう十分)
自分には勿体無い人。

彼以外の男の面影を追い続ける自分をあえて受け入れてくれた。
同情や、憐憫でも構わなかった。
戦争で荒んだ心を癒してくれたあの時間は自分にとって大切な時間だったと今思う。
戦争は終わったのだ。彼を必要とする世界に彼を返そう。

唇に想いを込めて下腹部のそれに手をかけた。
半分そそりたつそれを細い指でささえ舌で撫で上げる。
「…っつ」彼の呻きが聞こえた。
その声に励まされて彼女はキャンディを舐めるようにゆっくりと咥えた。
横にハミそのまま先に向かって舌をあてて舐め上げ、くびれに尖らせて絡ませる。
根元を指も使って同じようにすりあげた。
少し柔らかな感触の彼自身がみるみるうちに固く反り立っていく。
自分の愛撫にこたえてくれる、それだけで胸があつくなる。

舐め回す舌に彼自身から透明な液が湧き出るのがわかった。
くびれを上から咥え舌先で尖らせて先端をつつき舐める。彼の呼吸が少し乱れる。
唇で液をすすり上げ 咥内の上顎に先をあて舌を棹にそわせて頭を動かせて刺激した。
自分がされているように舌を伸ばしてまんべんなく摩る。
自分の中にいる時のように感じてくれればいいと願いつつ
根元を掴む指も上下に扱いた。

「…はぁ…」熱く息を吐く彼の声が彼女に火をつける。
自分自身もじんわりと潤むのがわかった。
見計らったように彼が身を起こし彼女の足を掴み引っ張られる。

彼女の唇は彼を咥えたままだったので腰だけ軽がると持ち上げられて
下肢が彼の方に引き寄せられた。

横向きになる彼女の重なった上になる方の脚を膝で折らせ足首を掴む。
彼を舐め上げる彼女が不思議そうに覗き見ると
彼が彼女の足首から甲にかけて唇を這わす。
柔らかな唇と舌の動きが下肢からぞくぞくと駆け上がる。
舌は脚の甲から先まで伝い指まで達すると
足の親指と人差し指の間をねっとりと舐め回す。
思わぬ部分を舐められくすぐったさと奇妙な快感を彼女に与える。
「っふっ」
彼を咥えた唇をキツク閉め隙間から漏れる息に声が混じる。
足先に神経がいってしまって彼自身を舐める舌も動きがとまってしまう。

彼の舌が存分に彼女の足指の間を巡る。
ざらついた熱い舌の感触が足指の間を蠢いていく。
唇の中に足指を含まれる。
舌が指にからまり軽く歯をたてては吐き出される。
1本1本順番に繰り返され、彼女はつま先で彼の舌を感じた。
彼を咥える自分がおろそかになっているのが悔しくて
くびれを舐め回す事に集中しようとするが
その度軽く歯をたてられ意識をもっていかれる。
つま先から甲にかけて、はむように唇をずらされる。
ミリアリアは蝕むような愛撫にとうとう足を引いた。

逃げる脚に食すものを取り上げられた唇がクスっと笑みを零すのが
静かな闇に伝わる。
「くすぐったい?」
答えのかわりに彼の固い雄を横から軽く歯をたてて噛む。
一瞬息を詰めるようにする彼が舐めていた脚の太腿を片手で持ち上げる
熱くなった部分に彼の息がかかる。

ゾクゾクと彼女の下肢に痺れるような官能が走った。
彼の指が彼女の秘苑に偲ばされゆっくりと花肉をなぞった。

彼の唇と舌が自分の敏感な所に這わされるのを感じながら
彼女は彼を咥え込む動作を速める。
悦楽を振り払うように喉の奥まで埋め唇をキツク締める。

しかし彼は動じず彼女の秘苑に舌を尖らせてつつき啜った。
まるで勝負をするようにお互いを攻め合う。だが軍配は彼に上がった。
すでに熱くなった秘苑に舌と指とで執拗に弄られ嬲られる。
快楽の波が押し寄せ彼を咥えた口が停止ボタンを押されるように止まってしまった。
「あ…ふぁっっ…」隙間から声がもれる。

たまらず彼の棹に歯を立てた。彼の舌がまた一瞬怯む。
気力を振り絞ってまた深く喉奥まで咥える動作を繰り返すが
再開した彼の愛撫に彼女は耐えられなかった。

咥内で舌を絡め根元を指で擦るが意識は自分の敏感な部分にいってしまう。
「――っああっ…」
自分を舐める唇の端から笑みが伝わるのがわかった。
(くやしいけどもうだめ)
「…んっ…んふっ…ぁ」声が自然に漏れる。
もう完全に彼のペースだった。

キスの時に絡める感触そのままのざらついた舌を秘苑で感じる。
目を瞑って意識を集中させると動きが見えるようだ。
舌を尖らせて奥の柔らかなボタンを吸い出されて。
延々と続く愛撫は脳髄の奥まで焼ききっていく。
握る彼の雄を気持ち摩るが翻弄される自分の悦楽で思うようにいかず。

「…も…だ…め…」
声が掠れどうにか言葉を搾り出した。

彼は秘苑に突きたてた尖る舌の抽挿をとめ少し揶揄の色を含んだ声で低く聞く。
「どうして欲しい?」

悔しさと欲望とが混じる。
彼の雄を口に含み唯一反応した方法で反撃を試みる。
歯をたてて今度はじわじわと力をいれた。
「っつー」
甘い息と少しの痛みを含んだ声に彼女は笑みを零す。

「頭来た」
彼は身をおこす。自身を含んだままの彼女は彼を吐き出すまいと唇に力を込めるが
秘苑に指を急に入れられて「っん」力が緩んでしまった。
すかさず彼が小さな唇から自身を引き抜くと彼女を仰向けにさせて
猛った身体を脚の間に滑り込ませ。
濡れ溢れる秘苑に剛直の猛りを深く突き入れる。
「――ぁっ」
「おしおき」
細く白い脚を腕にかかえ激しく抽挿をはじめた。
「あっあっ」
敏感になった部分に熱楔が抜き差しされて彼女が高く啼く。
いつもの癖で彼女は声を抑えようと指をキツク噛む。
その手をとりあげシーツに抑え付け低く彼が言い放つ。
「俺しかいない。聞かせて。」
潤む藍玉の瞳が許しを乞うように彼に向けられる。
その色が彼の凶暴な想いをよけい煽る。より強く擦り付けるように回し抉る。
「ぁん――っ」
反り返る彼女の背の弾みでずれた腰にあわせ角度を変え深く果てなく突きたてる。
引き出される快楽に溢れる愛液は打ち付ける水音となって部屋に響く。
固く憤る彼を受け入れる彼女の秘苑が強く収縮する。
いつもならそこで緩める律動を彼は止められない。
(もっと感じて)
片方の足を肩に担ぎもう片方を腕にかかえななめに激しい抽挿をはじめる。

自身を締め付ける襞を休ませる事をせず彼は何度も彼女を導いた。
繰り返される摩擦と熱に焼き切れたと思えた神経が尚愉悦を引き込む。
「ミリアリア」
彼の艶のある声が彼女を呼ぶ。
(あいしてる)
心の中で彼は叫ぶ。

暴走した想いが彼を残酷な支配者にかえる。
深く浅く縦横に彼女の意識を切り崩す為に熱楔をより固くして愉悦を送り込む。
何度も意識が途切れそうになるのを彼女は必死で繋ぎとめる。
高く啼く声で彼に屈従の意思を伝える。

肩に担がれた脚を膝裏から抑え付けられ胸を圧迫する。
「んっんっあ」
突き入れられる熱楔は時に回しえぐりそのどれも激しく
彼をつつむ溶鉱炉を熱し続ける。
「ぁ……」
背を仰け反らして何度目かわからない絶頂に彼女は目をキツク瞑る。
手が彼の腰に縋る。
彼は脚を下ろし膝で抑える。
頂点を迎える度に彼女の中は彼を捉えるように蠢くが彼は充足せず、
抽挿を緩めない。
がくがくと突き上げる腰に縋る指の爪がきつく食い込む。
「――や」
つっぱる脚をおさえつけたまま一際深くつき入れる。
「――ぁ」叫びすぎて枯れた声で小さく悲鳴をあげ彼を咥える秘苑が一層締め付ける。
収縮は今までにない痙攣を彼女におこした。
彼女のただならぬ恍惚の表情に彼はようやく満足な笑みを浮かべ、蠢く自身をとりまく襞に
意識を集中させた。
高揚する感情は我慢していた自らの限界を容易く追い詰める。
恐れと不安。打ち消すように猛りを彼女の中に吐き出す為に最後に深く突き刺し、
彼は熱を放つ。
(はなしたくない)
絞り込むように受け入れる彼女の中を脈と共に味わいながら
予感を振り払うように唇を重ねた。


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最後のあたり大幅修正いれてみました。
攻め攻め(責め→攻めなんですねー文章力ないですスミマセン)ミリィさんはあきらめました。
攻め攻め萌えはカガリタンで消化する事に。
ディア君がミリィさんを攻めるという描写に挑戦してみましたがどうでしょか…
そして次は言葉攻めに挑戦(つづきは来年に再開できればいいなあ…ひとごとのようですが)


(H15.11.14)(12.29大幅修正)




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