12RIVEN -the Ψcliminal of integral-
プレイ記


KID 12RIVEN公式




 ゲーム屋に行って、恋愛アドベンチャーゲーム(いわゆるギャルゲー)コーナーを眺めたことがある方なら思い当たる節があるかもしれません。
 移植、移植、移植……コンシュマーのギャルゲーは、とかくパソコンゲームを移植した作品ばかりです。
 そんな中で、コンシュマーオリジナルのギャルゲーを開発し続けるメーカーがありました。KIDです。
 ギャルゲー愛好家の方なら、メモリーズオフの名前くらいは聞いたことがあると思います。メモオフシリーズをつくっていたのがKIDです。
 ですから、KIDにはコンシュマーギャルゲー業界を息絶え絶えになりながらも引っ張ってきた会社という認識がありました。
 コンシュマーギャルゲーを愛する私はKIDを応援していましたし、かなりの作品をプレイしました。
 しかし、残念なことにKIDは2006年12月に自己破産してしまったのです。
 その年の11月……つまり破産直前、とあるゲームの制作発表がされていました。
 それが、あのinfinityシリーズの続編ともいうべき作品である本作です。
 infinityシリーズとは、ギャルゲー史上最高傑作Ever17を輩出した傑作シリーズです。
 せっかくだから久々に宣伝しておきましょう。皆、Ever17をやろう!
 昔なら20行くらいEver17について書いていたところですが、もう何年もこのサイトに来てくれている方はプレイ済みでしょうから、これで十分でしょう。
 ギャルゲーに足を突っ込んでしまった以上、Ever17をプレイするのは必然ですし、他にもEver17を傑作と認める方は多いので新しく来てくれた方にも分かってもらえるはず。
 Ever17プレイは国民の義務ですしね(あ、2002年に国民の義務は四つになったのはご存知ですよね? すなわち、教育・勤労・納税・Ever17です)。
 そんなわけで、KIDの破産と共に12RIVENがこのまま立ち消えるのかと思って私は落胆しました。
 ところが、KIDはしぶとく生き残りました。サイバーフロントがKIDの権利を版権を含めて取得したのです。
 12RIVENも生き長らえました。そして2度の延期を経ながらも、3月13日についに発売されたのです。
 延期についてゴタゴタ言うのはやめます。私は素直に12RIVENの完成を喜ぶことにします。
 中澤監督のI/Oは力作と言って良い出来でした。果たして本作は……?




第一回


 今回は始まった瞬間にミステリー。それもMMR風の。
 これまでは現実の中に徐々に非現実が入り混じり、少しずつ恐怖心が煽られるパターンでしたが、今回は違いましたね。
 ゲーム開始早々に太平洋のど真ん中に筏に乗せられて放り出された感じです。
 Remember11(以下R11)もそうじゃないのか?と言われるとそれとはまた質が違います。
 12Rはいきなりドラゴンボールの世界なわけですよ。突然、超能力が飛び交う戦場に放り出されるんです。
 一体何が起こっているのか分かりません。主人公は一般人らしいのでプレイヤーとシンクロはしているのが救いですが。
 そんな中で、現状の把握すらままならない内にOPムービーに突入。

 歌と音楽は格好良いのですが、かなり意味不明なムービーです。
 イベントCGを使ったありがちなムービーなのですが、キャラクター紹介風というには中途半端でゲーム紹介としては支離滅裂な繋ぎ方。
 使われているCGのほとんどがプロローグに出てきたもので、今後の予測がまったくつきません。
 ギャルゲーのOPムービーはネタバレも辞さない覚悟でイベントCGを挿入しまくりますが、これは珍しいパターンですね。
 ただ、それが正解だったかというと微妙。かなりチグハグな流れで、歌とCGも合っていないので見応えはあまりありません。
 考えてみると、KIDのムービーで今まで凄いと思ったものはなかったので、こんなものなのかも……。

 そんなわけで、いつもと違う様子に若干面食らって始めたのですが、面白そうな雰囲気は感じます。
 どうやら二人の視点を交差させながら進めていくようですが、これにどんな意味が隠されているのか早くも楽しみでなりません。




第二回


 共通ルート長いなーと思っていたら、いつの間にか錬丸ルート(視点)に突入していました。
 このゲームはかなり選択肢が多くて、錬丸ルートに入るまでに実に63箇所もの選択肢がありました。
 ちなみに、E17の優ルートがクリアーまでに38箇所なのでいかに本作の選択肢が多いかが分かるでしょう。
 攻略ページ作成のためにメモしながら進めているんですけど、こうも多くては面倒くさくなってきたなあ(^^;
 何はともあれ、各ヒロインファーストインプレッション!

◆高江ミュウ……伝説のポケ●ン

 南アメリカに生息する絶滅したはずのポケ……じゃなくて! 正しくは、小学校時代の錬丸の友達。ミューは13番目のギリシャ文字。
 ココ風に言うと「ちょーのーりょく」が使えるらしいです。サイキッカーですな。
 それにしても小学校時代の友人とは微妙な。幼なじみというには遅いですし、加えて小学校以後会っていないとくればほとんど単なる知人レベルです。
 かなり仲が良かったというのは救いですが……。まあ、センチのヒロインみたいなものでしょうか。
 性格は明るくて良いのですが、ややもすると電波系というかお子様。それこそ、E17のココみたいなヒロインです。
 あちこちにシリーズのパロディーネタが仕込まれているヒロインなので、シリーズをプレイしてきた人はニヤリとするかも。
 一方、シナリオ全体の重要な鍵を握っていることは間違いなさそうで、まさしくメインヒロインです。

◆マイナ……パーティーの知恵袋

 自然にパーティーに入ってますが、実はかなり怪しいメガネっ子。そもそも、苗字は何なんだ?
 こっちの正体は明かしているのに、マイナのプロフィールについてはほとんど明かされていません。
 いきなり怪しげな理論を振りかざして、それが当たっているらしいことや、慎九郎の知り合いらしいところも怪しい。
 最初はビービー泣いてたかと思えば、冷静な素振りを見せるなど、いまいちキャラが掴めません。
 説明書とは別人のような絵になっている点も含めて要注意。

◆星野遊々……怪しげな集団【ミラージュ】のリーダー

 鳩鳴館の生徒です。沙羅の後輩……もとい先輩ですね。絵は沙羅に似てます。
 まだ会って間もないのでよく分かりませんが、こちらもややお子様系?
 打越氏のシナリオには頭の緩いキャラが登場するケースが多いので心配はしていませんが。

◆伊野瀬チサト……謎のサイキッカー

 一応、主人公を助けてくれたらしい青髪の少女。
 ただいま病院で治療中で、正体は不明。
 OPムービーには登場しますが、説明書には出ていないため、攻略できるのか不明。

◆雪積真琴……鳴海の後輩で公安捜査官

 もうひとりの主人公三島鳴海ルートで関わるであろうキャラ。
 一見清楚な女の子なんですが、鳴海の回想を見るにギャルっぽい気も。まあ、良く分かりません。
 錬丸ルートにはまだ登場しませんがどうなんでしょうね。
 絵が好みなので攻略できると嬉しいのですが、どうなるのやら。


 相当曖昧な第一印象なのですが、まだあまり絡みがないのでどうしようもありません。
 ヒロイン以外に怪しげな男性陣がたむろしていますが、そちらについては保留する方向でひとつ。




第三回


 錬丸ルートを進行中ですが、怪しい奴が目白押しで一体誰を信用したものか……。
 またライプリヒ製薬が出てくるし、あの栄養剤はあからさまに怪しいわけですが。
 ミラージュはどう考えても薬中の集団にしか見えない。
 それに、何となく遊々が好きになれないんですよね。
 胡散臭さは他のキャラより感じないんですが、相変わらずツンデレ娘のツン期は苦手。
 それに、自由を謳っておきながら自分の指揮下に入らない奴には「制裁」を加えるってなんだそりゃと。
 かなり頭のネジが飛んでる様子で、相当幸せな環境で育ってきたようです。
 何でこんな支離滅裂な女子高生に大人が従ってるのかね……それ自体が不自然。
 と言うことは、遊々もサイキッカーかなんかなんですかね〜。謎です。
 慎九郎もかなり変な奴なので、ミラージュと志村のどちらにつくかかなり悩みます。
 むしろ、どちらの陣営にもつかない日和見戦略がベストだよなあ。
 独立部隊が一番気楽だし、何より生活手段のデパートは腐るほどあるわけで。
※こういう態度をとっていると出世できません。

 まあ、遊々の気持ちは分からないでもありません。
 もしこんな世界に放り込まれたら、一日中ゲームやってるだろうなあ……。
 何と素晴らしい廃人ライフ!




第四回


 えーと……えーと……え??
 いや、これは単なる錬丸の勘違いだよね?
 似てるかといえば似てないこともないけど、彼女は20日の彼女じゃないし。
 服装は同じかもしれないけれど、髪型も違えば目の色も違う。おそらく声も違うはず。
 しかし、不思議なのはここにいる彼女もまた「再びめぐり逢った」と、錬丸を肯定していること。
 と言うことは……






???






 一体どういうこと?
 もしかして、この錬丸とあの錬丸は違うとか。いや、まさかね。
 ……ってちょっと待てぇーいっ! パンッパンッってあんた何やってるんですか!?
 え、バッドエンドって……な、なんじゃこりゃぁあアーッ!?




第五回


 二周目鳴海ルート終了。バッドエンド。

 このゲーム、やはり面白い
 ネタバレを防ぐためにゲーム内容にあまり触れられないのが残念。
 第二回でマイナの顔が違うとふざけて書いたんですが、実はあれには意味があったのかもしれません。
 鳴海ルートと錬丸ルートの立ち絵管理スタッフが違っているのはそのせいで、ミュウの立ち絵が違うのは意味があるのかも。
 E17の優編で見た視覚的トリックも登場しますし、ゲームならではの視覚的アプローチを駆使している点を評価したいと思います。
 それと、マイナって名前ではなくて苗字だったんですね。まだ未確定ですが(一応反転)真稲でマイナか〜。
 完璧に名前だと思い込んでましたけど、考えてみれば、初対面の人にいきなり名前を教える人はそうそういないわけで。

 それにしても、infinityシリーズ共通の、常に誰かに裏切られているかもしれないという緊張感は素晴らしい。
 ミステリーが好きというのもありますが、アドベンチャーゲームはこうでなくては。
 はっきり言って、女性が主人公というのも含めて鳴海ルートはギャルゲーではありません
 萌えとかそーゆーのを抜きにして、純粋にミステリーを楽しむルートです。
 それ以前に、12Rには個別ルートがないのかも?
 エンディングリストを見ると8つ用意されているのですが、これまでの誰編クリアーというものは存在しないようです。
 名前が付けられていないだけで実際はあるのかもしれませんが……。
 そうだとしても、女性が主人公の場合、○○ルートというのを用意されても困るわけですが(^^;
 R11のように、それぞれのルートでグッドエンドを目指せということなんでしょうね。
 何周目で辿り着けるのかしら。とりあえず頑張ろう。




第六回


 ∫ルート発現!
 絶対来ると思ってました。
 引き続き、鳴海ルートを攻略していたんですが、どうもバッドエンドだと思っていたものがそうではなかったらしく。
 錬丸ルートもバッドエンドではなかったようです。バッドエンドは他に用意されていました。
 しかし……鳴海エンディングも色々と謎だらけ。
 その辺を全部捨て置いても、なぜ高江家の墓? 真稲とか伊野瀬なら分からないでもないのですが。
 今後明かされるんでしょうけど、相変わらずワクワクさせてくれます。

 ∫ルートに入る前に、錬丸ルートで不自然だった点について考えてみました。
 一応、ネタバレしないよう気を付けて書きました。意味不明かとは思いますが、プレイした方なら分かるはず(^^;
 それでも見たくないという方のために反転をかけました。以下はドラッグして下さい。

 わざわざ錬丸と鳴海で画面およびルートを分割しているのは、二人は実は違う時間あるいは世界にいたのではないかと。
 そうすれば、前日にあの女性に会っていたとしても不自然ではない気がします。
 その場合、鳴海が錬丸と思っていた少年は錬丸ではなくなることになりますが……。
 実はそれが錬丸ではなかったとしても、それほど不思議ではありません。
 後半で出た彼は画像処理がかかっているので、これがトリックなんじゃないかと。
 どうも鳴海ルートのミュウと錬丸ルートのミュウは雰囲気が違うのは、その辺りが関係してきそうです。
 すると……いや、ここまでにしておこう(汗)


 うーん、やはりネタバレを恐れるあまり書けませんが勘弁して下さい。




最終回


 ∫ルートクリアー。

 バッドエンド含めてコンプリートです。
 あまり更新できなかったのですが、それは仕方がない!
 初めに書いた通り、ネタバレを極度に嫌うゲームの性質上、下手なことは書けませんので。
 おそらく、そのまま書いたとしたら

 ホワァアアアアアッ!?
 フヒャハヒホヒホワァァアアッ!?

という異世界文字が並ぶだけに終わったことでしょう。それでも更新した方が良かった? すみません(^^;

 今回の12RIVENですが、Ever17をやったことがない人なら、衝撃的なゲームになるでしょう。それだけのパワーはあります。
 ですが、割とEver17に似ている部分があるので、Ever17を最後までプレイした人は、ひょっとするとこのゲームのトリックを簡単に見破ることができるかもしれません。
 私も意外と予想が当たりました(前回の反転部分含めて)。
 肝心なところでヤラレター!?というところも結構ありましたけどね(インテグラルってそのインテグラルかよ!とか)。
 あるいは、伏線の張り方からして意図的にトリックが解けるように誘導していたようにも思えます。
 そんなわけで、比べるのも変な話ですが、Ever17よりは衝撃が小さいかもしれません。
 しかし、本作がつまらないかというとそんなことはありません。
 鳥肌が立つアドベンチャーゲームって世の中に何本もないと思うんですよ。
 嬉しいことに12RIVENはその内の一本でした。つまり良作なんです。
 幾分か苦しい部分も見えましたが、私は素直に本作が良作であったことを喜ぼうと思います。
 色々語りたいのですがやめておきます。この喜びはプレイした人にしか分からないのだ……!
 最早、このゲームをギャルゲーと呼んで良いものか分かりません。
 しかし、ギャルゲーファンにもそうでないゲーマーにもおすすめできる一本……それが12RIVENです。

 ……あ、ひとつだけ突っ込みたい。
 やはり、ミュウと錬丸が8年間離れていたのは長過ぎました。
 8年間、一度も会わずにお互い想い続けていたという点は苦しい……というか感情移入が難しかったです。
 回想イベントは豊富でしたが、文通していたでも良かったので、もう一押しほしかったですね。
 トリックについて細かいことはなしですがそこだけ。


 最後になりましたが一言。
 日蝕の瞬間……Eclipseに酔え!
 私が言いたいことはここに集約されています<この音楽は最高  




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