3days - 満ちてゆく刻の彼方で -

ブランドLass 発売日2004.6.25
初回限定版8800円 
ハードPC ディスク数CD2枚
OSWin98/Me/2000/XP ジャンルADG
原画萩原音泉
ramis
 シナリオLEGIOん
剣技マナ
玉沢円
音楽飯塚博 
音声フルボイス ボーカル曲あり

ストーリー
紅葉した木々と澄んだ空気に包まれはじめた綾篠(あやしの)市。

市内の学園に通う「高梨 亮(たかなし りょう)」は、幼なじみである「藤見 たまき(ふじみ たまき)」と、 代わり映えはしないが平穏で居心地のいい生活を送っていた。

あからさまなほどに好意を寄せているたまきに対し、幼なじみ同士の気恥ずかしさ故か、態度を決めかねている亮。

そんな『友だち以上、恋人未満』の2人の関係、そして平穏な街に変化をもたらす事件が起こってしまう。

2人の通う綾篠学園で有名な美少女、「柊 美柚(ひいらぎ みゆ)」が遺体となって発見されたのだ。

学園内はこの事件の噂で持ちきりになり、様々な憶測が飛び交う。 その中には彼女の身体がバラバラに刻まれていたとか、猟奇殺人犯が夜な夜な綾篠をウロついているとかいう、 半ば怪談じみた話もあった。

上級生の美柚に密かな憧れを抱いていた亮も、強いショックを受け、また犯人に対して激しい怒りを覚える。

たまきの心配をよそに、事件にのめり込んでいく亮。

だが、学生という立場では力が及ばないところが多く、情報収集すらままならない有様だった。

そんな不安と焦燥に駆られる2人に追い討ちをかけるかの如く、同級生の1人が飛び降り自殺をする。
2人は、偶然にも「その瞬間」を目撃してしまうのだった。

糸口すら掴めぬまま、狂気が蔓延する世界に投げ込まれた2人。
そんな非日常の中で、亮はようやく、たまきの深い愛情に気付きはじめる。

やがて2人は互いを求め、肉体的にも繋がることを望むが……



愛し合う2人の前に現れる黒衣の男



鋭利な刃物で喉を一突きにされる亮。

死の闇に沈んでいく亮の眼に最後に映ったものは、生きながらに解体されていくたまきの姿だった……


激しい憎悪と絶望の中、途絶える意識。








次に目覚めた亮の前に広がっていたのは、あの代わり映えのしない平穏な朝だった……


「……夢を……見ていた……ような気がする……」
「とても……とても嫌な夢を……」


惨劇の記憶すら消えてしまった亮。
何もかもが「殺害される3日前の朝」に戻ってしまっていた。


繰り返される3日間。


だが……亮は漠然とした不安と予感だけを頼りに、「あの3日間」とは違う一歩を踏み出しはじめる……

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
藤見たまき■■■■■■■■■■■■??/10一色ヒカル幼馴染み・正統派
柊美柚■■■■■■■■ 8/10楠鈴音美人・先輩
吾妻梨花■■■■■■ 7/10青山ゆかり眼帯
吾妻瑠花■■■■■ 5/10金田まひるロリ・元気っ娘
千神奈々子■■■■■■■■ 8/10常盤もも先輩・正統派
広原月子■■■■■ 5/10文月かな電波・眼鏡っ娘

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●スキップ(既読判定あり)
●バックログ
●バックログ中の音声
●クイックセーブ
●クイックロード
●ブラッドリミッターシステム
●デスティニークリック
●『ボス来た』機能
●ナビ表示(バージョン2.00以降)
●CG鑑賞(クリアー後)
●音楽鑑賞(クリアー後)
●シーン鑑賞(クリアー後)
●BGM23曲
●OP歌
 Moving go on - そこから見える未来 -
 川村ゆみ
●ED歌
 愛の証
 川村ゆみ
雑感
個人的名曲
 ややオートメッセージのスピードが遅い感あり。他は特に問題無し。 スペースキーと各ファンクションキーにプレイヤーがコマンドを合わせることが出来て便利です。
 ブラッドリミッターシステムとは、ゲーム中に登場する猟奇的なシーン、グロテスクな描写などを、別の演出に変えたり、フィルタをかけたりして遊べるようにするシステム。任意で解除可能。しかし、テキストまで優しく変わることはありません。デスティニークリックは、ストーリー進行中に突如メッセージボード右にある時計が周り始め、時間内に時計をクリックすることによって選択肢を新たに発生させると言うもの。マニュアルを読まないと分かり難いですね。『ボス来た』機能は「麻雀学園」についていたママ来たボタン(ゲーム中に誰かが近づいた時にセレクトボタンでRPG画面に切り替わる擬態機能(笑))と同じ感じです。エロシーンを見ている時に誰かが来たら設定しておいたボタン一発でタスクトレイに格納、クイックセーブして終了、最小化してメモ帳に擬態(!!)という3パターンから選べます。これで家族がいても安心!? しかしズボンを下ろしていた時は言い訳出来ない(笑)
 また、修正ファイルを当てることによって、ナビ表示を追加することが出来ます。本作は何度も周回を重ねないと攻略出来ないため、後どのくらいで攻略出来るのかなどの目安として導入しておくと攻略が楽になります。
 内容が内容だけにダークな曲多し。されどそれだけに「暖かな手」が流れた時は本当に感動しました。後、快撃電波娘は異色(笑)

●快撃電波娘
●雨音
●暖かな手
●あなたのとなり
●綾篠ノスタルジア
●Moving go on - そこから見える未来 -
迸る魅力は2004年プリンス麻衣と双璧
(C)Lass
たまきかわいいよたまき……
ブラッドリミッターの意義って?


 本作が発売された6月はゲームに対する熱意を失っていたために、出会いは夏も終わりに近づこうかと言う頃でした。このゲームの存在は発売当時より知っており、個人的には気になる作品でした。気になったポイントとしては、本作が時間ループものであるということ。infinity以降ループものも結構プレイしてきましたが、不思議と良作に当たることが多く、ジャンル的に私に合っているのかもしれません。

 本編に触れる前にシステムについて少々。本作にはブラッドリミッターシステムなるグロテスクな絵を制御出来る目玉システムが存在しますが、実際は絵をやや制御するだけであり、ほとんどの出血描写やテキスト表示はそのまま変わらないためあまり意味を成さない恐れがあります。ですから、心の底から残酷的な描写が嫌いだと言う方に本作はお勧め出来ません。また、この様なシステムを搭載した割にはグロテスク極まりないと言うほどの描写は殆ど無かったと私は感じました。贓物がぶちまけられているなどのCGは3箇所あったか無かったか程度で、バイオハザードをプレイ出来る方なら「あっそう」程度に感じることでしょう。ということで残酷描写に関しましては今一つです。
 また、誤字が驚くほど多いです。修正ファイルを出していながらも改善されないと言うのが情けない(^^; ゲームは面白いのにその点がやや残念。

 それでは本編の批評に入ります。


古き良き時代へ……「ゲーム」万歳!


 3daysの魅力の一つは何度も時間を繰り返すことにより、知らなかったことを知り、対策を練り、あるいは別ルートを辿っていくシステムにあります。同じ世界を周ったために学習してここならこうするだろう、という選択を何度も何度も繰り返し、それによってルートが細かく分岐していく本作のゲーム性はかなり高いと言えます。途中、デスティニークリックを入れることによって、ただ読むだけで飽きてしまわない様に配慮がなされていたりもします。……まあ、選択肢を増やすだけでは駄目なのだろうか、という気も無きにしもあらずですが(^^;
 そして、実は何度も周回を重ねていくことが3daysの世界観の真相へと迫るための行動の一環でしか無いなど、時間と忍耐力をかなり要するシステムでもある、とも言えるでしょう。それだけに隠されていた真相はあっと驚くスケールで、中々歯ごたえのあるシナリオが待っています。スケールを広げすぎて、終盤やや急展開且つご都合主義な面もありましたが、相対的に見て良く出来たゲームであったと思います。

 演出面としてはOPムービーの出来が中々です。ムービーへ突入していくシーンがまた凄まじいものがあるのですが、歌と相まってやる気を引き出してくれる出来。私はへこたれそうになったらムービーを見て充電してました(笑)
 原画家が二人いる様で、絵もがらりと変わります。萩原氏、ramis氏、どちらの絵も可愛いのですが、両者ともどうも立ち絵のバランスが変わりすぎ。前を向いた顔と横を向いた顔で感じ方がかなり変わります。そして正面を向いた時の顔の鼻が無く見えてクリリンの様だ(苦笑)
「あれ?」と思うのはCGの塗りです。通常の立ち絵の塗りは普通なのに、イベントCGになると突如バランスがおかしくなったり、塗りが甘く見えます。「フリーゲームじゃないのこれ?」と一瞬目を疑いそうになりましたよ(^^; 打って変わって背景の出来は素晴らしい出来。町並みや自然など、恐ろしいまでの描き込み様。これだけグラフィック項目の得点差が激しいゲームも珍しいなあ……。
 Hシーンは純愛もの程度で薄め。陵辱ものもあり。一度は必ず見ないとならないので、陵辱ものが激しく苦手な方はスキップすると良いかも。


総合得点■■■■■■ 78/100
おすすめ度■■■■■■■■  8/10
ボイス■■■■■■■■  9/10
シナリオ■■■■■■■■  8/10
テキスト■■■■■■■■  8/10
キャラクター1■■■■■■  7/10
キャラクター2■■■■■■■■  9/10
音楽■■■■■■■■  8/10
演出■■■■■■■■  8/10
システム1■■■■■■■■  8/10
システム2■■■■■■■■■■ 10/10
Hシーン1■■■■  2/5
Hシーン2■■■■■■■■  4/5
グラフィック1■■■■■■■■■■  5/5
グラフィック2■■  1/5
深まる愛は生きた証


 続いて、「もう一つの3daysの魅力」について。
 個人的に本作最大の魅力は、「主人公(プレイヤー)のヒロインへの愛」の魅せ方にあると感じました。
 たまきに対しては最初から顔も属性も声も私的にクリティカルヒットして悶えまくってましたが、回を重ねていく内にたまきへの愛はさらにパワーアップして萌えの域を超え、いかにもアクの強いキャラの梨花を守ってやろうと思え、終盤では思いもしなかったほど美柚への愛が暴走しました(暴走?) 愛が深まるのは、ゲームにおいてはキャラが可愛ければ当たり前と言えば当たり前ではあるのですが、重要なのはヒロインへの愛をたった3日でプレイヤーに深めさせることにあるのです(美柚の場合は違いますが)。普通の恋愛ゲームではこれは中々成しえないことだと思います。学園ものなんかだとヒロインの紹介だけで終わってしまうかもしれませんね(^^; それを可能にしたポイントとは何か。

 一つは間違い無くキャラクターの設定です。3日と言う期間はかなり短いです。もしターゲットが転校生だとするならば、ヒロインの紹介と主人公と少し話すくらいのことしか出来ないでしょう。でなければあまりにも急展開で違和感が拭えません。その様な短期間において問題を解決出来るのはたまきが幼馴染みであるからです。幼馴染みという属性を利用することによって、プレイヤーは実際には3日しか会っていないのにもかかわらず長い長い期間をたまきと過ごしていたと錯覚出来るんです。ここが私が幼馴染み属性である根幹を成しているのかもしれません(^^; だから3日で恋が叶っても違和感が無い。しかも3日間に重要イベントが挿入されているから尚更です。梨花に関しても同様です。激しくネタバレのため反転。梨花は妹であり、ずっと兄を慕って会わない間も待っていました。こんな健気な娘、妹属性でなくても守ってあげたくなりますよね!?(私は妹属性でもあります(^^;) 家族と言うのもまた、実際は3日しか会っていなくとも長い期間を過ごしてきたと錯覚させるに充分な設定です。以上が一点目。

 二点目は、時間ループという本作のシステムそのものにあります。何度も何度も周回し、しかも毎回ヒロインを守れずに殺されていく主人公。悔しさは「今度こそは絶対に守る!」と強くヒロインを思うことに繋がります。生死をかけているのですから、その想いは格別のものがあります。死んでしまう、ということはやはり特別な意味を持ちますしね……。そこを上手く利用してヒロインへの愛へと繋げていった3days。熱いゲームです。

 最後に。
 ヒロインたち全員への愛が深まるからこそ、エンディングは胸打つものがあります。どのヒロインを選ぶのか。決してハッピーなだけでは終わらない結末。それこそが、「生きる」ということなのではないでしょうか。

*それでもハーレムエンディングがあって何となくほっとしますけど(^^;

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