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Kanon
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今回はあまりにも有名すぎるKanonを取り上げるわけなのですが、ＰＣ版とＤＣ版のどちらにしようか迷った結果、ボイス付きのＤＣ版を取り上げようかと思います（得点項目くらいしか影響無いですが……）。そこ、今さら何をとか言わない。まあ、どんな批評サイトにもある様に当サイトにも定番としておいておくわけです。要は「ご案内」とか「プロフィール」とかと同じ様なものと思っていただければと。……ああ意味分からん。 Kanonを批評する前に言っておかねばならないことがありますな。 私はKanonで号泣しています。 つまるところ、もうお分かりかと思いますが、この批評はKanon賛同派としての批評となります。俺は下らない意味不明な奇跡なんてどうでもいいぜー、な諸兄には納得のいかない文をだらだらと書き連ねていくこととなりますので御了承の程を。 所謂泣きゲーというジャンルは、To Heartの力もあり、本作の登場により確立されました。名作ONEのスタッフが制作したKanonは、今でも私のＡＤＧの中で最高峰に位置しており、また多くのファンを生み出しました。彼らの内でも熱狂的な信者は「鍵っ子」と称され、局地的な社会現象を巻き起こした一端を担い、現在に至ります。 一体何が人気の秘密なのか？ 伝説的名作と言われる所以はどこにあったのでしょうか。 逆転満塁ＨＲ……奇跡の萌えキャラ軍団 Kanonには良いところが沢山あるのですが、キャラクターから見ていくこととしましょう。 ですが、そもそもこのゲームはキャラクターで買うようなゲームのはずが無いのです。絵を見て下さい。目と目の間がやけに離れていますし、顔がやたらでかいですし、何かバランスが全体的におかしいのです。本作の原画樋上いたる氏の絵は、どう考えても普通には見えない。贔屓目に見てもどこか違和感が拭い去れません。しかしだ……。まさかそれが既に周到にしかけられた罠の始発点だったとは……。 それではこんなにも癖の強すぎる絵のキャラに狂おしいまでの愛を感じるのは何故なのでしょうか。それは、キャラクターたちの性格付けにあります。ほぼ全キャラに標準装備された天然気質。ここにポイントがあるのです。 「うぐぅ…」 「あうー」 「あははーっ」 「そんなこと言う人、嫌いです」 これだ。 この異常なまでに特徴的な口癖。そしてたい焼きが好き、とかアイスクリームが好き、とかそれはもう死力を尽くしてキャラを印象付けた結果、プレイヤーはキャラに魅了されるのです。 そうして特徴付けたキャラの絵はいたる絵でなくてはなりません。何故なら、普通に誰にでも可愛く見えて万人に受け入れられるキャラが「うぐぅ…」とか言っているとそれは電波でしかないからなのです。よろしいでしょうか。「うぐぅ…」は誰が聞いてもおかしい口癖ですよね？ そしていたる絵も誰が見てもどこかクセのある絵ですよね？ 絵と性格付けの両者がおかしいからこそ、合わさった時に違和感が無いんです。毒をもって毒を制す。 この原則なんです。こうしてゲーム開始当初、直視に耐えがたかったキャラは、徐々にその天然ぶりを発揮してプレイヤーから違和感を拭い去り、最後には絶大なストーリーと音楽の効果とマッチして、プレイヤーの脳内で最強の萌えキャラとして置換されるのであります。 あ、私は佐祐理さん萌えです。
そんな業界を揺るがした萌えキャラ軍団でしたが、やはり壮大な音楽と美しいストーリー抜きにKanonはありえません。 音楽についてはもう語るだけ野暮ですな。とりあえず聴けと言うしかない。折戸サウンド最高です。 そしてストーリーなんですが、奇跡良いじゃないかと。プレイヤーが感動出来たのならそれは成功なんですよ。ライターの思惑通りで良いじゃない。とりあえず理屈抜きで感動した者勝ち。本作はそんなゲームなんです。 主にキャラのあり方について批評した今回のKanonでしたが、アンチと信者の抗争が激しいゲームであります。でも、思うんです。ゲームの中くらい奇跡が起こっても良いんじゃないかな、と。 Kanonをプレイし終わった時、私はこれまでゲームでは味わったことが無い感動を得ました。 本作をクリアーした時、皆さんの心には一体何が残るのでしょうか。 願わくば、あらゆるプレイヤーに心地よい感動が残りますように……。 |
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