アステリズム -astraythem-

ブランドチュアブルソフト 発売日2012.6.29
初回限定版9,240円  
ハードPC ディスク数1枚
OSWinXP/Vista/7 ジャンルADG
原画ぎん太 シナリオ草壁よしお
おぷと
神代いづみ
うたや
なたけ
和人
音楽Manack 
音声フルボイス ボーカル曲あり

ストーリー
主人公、桜塚白雲(さくらづか つくも)は恋をしている。
相手の名前は、桜塚名月……血のつながらない白雲の姉だ。
幼い頃から彼女と一緒に暮らしてきた。
自分自身も成長しながら、彼女の成長を見守ってきた。
彼女が大人に、どんどん綺麗になっていく。
それをまぶしく、愛おしく想いながらも、恋心にずっとフタをしつづけてきた。
白雲が名月に想いを告げる日は訪れるのか?
二人が姉弟から恋人同士へと関係を変えることはできるのだろうか…?
「俺の答えは、あの日からもう決まってる」

――これは、時を超えても変わらない、一途な愛の物語。

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
桜塚名月■■■■■■■■■■10/10小春原映花姉・正統派・眼鏡
加々見美々■■■■■■■■ 9/10鈴田美夜子健気・後輩
凪 九厘■■■■■■ 7/10倉田まりやレズ・巨乳・長身
春日森明乃■■■■■■ 7/10雪都さお梨元気っ子・ツインテール・後輩
保志朔夜■■■■■■ 7/10原田友貴親友
高島霧彦■■■■■■■■ 8/10河村眞人医者
沼淵虎造■■■■■■■■ 8/10藤富兵吉ライバル
凪 鏡一郎■■■■■■■■ 9/10カマンベール十円堂博士
加々見音々■■■■■■■■ 8/10有栖川みや美妊婦・美人
桜塚白雲■■■■■■■■ 8/10永倉仁八主人公

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●クイックセーブ
●クイックロード
●スキップ(既読判定あり)
●バックログ
●バックログ中の音声
●マウス追尾
●スクリーンショット
●ショートカット
●CG・シーン鑑賞(クリアー後)
●音楽鑑賞(クリアー後)
●ムービー回想(クリアー後)
●チャート(クリアー後)
●BGM:27曲
●OP歌1
 どうか、もう少しだけ
 void&藤原鞠菜
●OP歌2
 StarryRain
 taishi&みとせのりこ
●OP歌3
 君のために
 STRAVID&SHIHO
●ED歌
 stardrops
 Taishi&霜月はるか
●EF歌
 永遠の宇宙の下で
 けんせい&anporin  
雑感
個人的名曲
 システムは必要なものは揃っている印象。オートメッセージの速度は細かく設定できますが、オート時にクリックすると止まるのがやや残念。チャートは、ゲームの選択肢によるフローチャートではなく、時間軸を表すもので、プレイヤーの理解度を深めるために用意されている補助用のツールです。ショートカットは、私が勝手に名前をつけましたが、2周目以降、ゲーム中の各チャプターをプレイするかまるごとスキップするか任意に決められるものです。通常のスキップと異なり、プレイヤーが話している様子などを見ることなく、一気に次のチャプターまで進めるので時間短縮に貢献してくれるでしょう。しかもチャプターごとスキップしても未選択の選択肢が現れるとしっかり止まる優れものです。また、全CGにシーン鑑賞が用意されているのも特徴です。  ひとつの曲を異なる楽器を使ってアレンジした曲が多いです。キーボードを使った軽快な曲、しんみりするシーンではローテンポの曲が流れ、感動させてくれます。タイトル画面の曲の「Planetarium」はバックでラララ……と歌が流れているのが印象的。

●Alnair
●Gomeisa
●Muliphein
●Sadalachbia
オフィシャルページが与えた良作の印象


 パッケージを見ずに公式ホームページの紹介だけで良作を確信することは極めて稀なのですが、本作はその数少ない一例ということになります。ヒロインが星を背景にして手を差し出しつつも、スクロールしていくと何故か足が消えているという絵が描かれたエントランスページは、このヒロインが「生きているのか死んでいるのか分からない」独特の印象を私に与え、単なるラブコメに終わらない特別な仕掛けが施されていると思わせるものでした。その予想は中らずと雖も遠からずといったところで、ただの学園ラブコメとは異なるシリアスな要素の強いゲームでした。古典的ながら大きな秘密があるゲームなのですが、極力ネタバレを避けて批評します。

 初回限定版には設定資料集が付いてきます。ネタバレ要素がありますので、クリアー後に見ることを推奨します。


姉弟物+古典SF


■シナリオ
 時系列が異なる3章から成り、さらに1・2章と3章の主人公が異なる変則的なシナリオです。
 1章では姉弟の恋愛について、世間的な価値観とのズレや互いの想いに揺れる「現在」の様子が細やかに描かれます。2章は「過去」編。かつての登場人物の様子が分かり、現在とは異なる姉の魅力が描かれます。主人公自身の過去の様子と、その主人公に対する家族の感情が語られるところにも注目。3章では2章よりもさらに数年前の過去が舞台。2章よりさらに幼い姉が登場しますが、主人公が異なり、これまでとは違った視点から1・2章で展開された伏線が明らかになっていきます。
 表向きは姉弟の恋愛物ですが、途中からSF+サスペンス要素が強くなり、一風変わった内容になっています。ネタバレになる部分を反転させますが、病に倒れた姉を助けるために過去へタイムリープし、主人公が奮闘するという、単なる恋愛物とは異なるちょっと熱いストーリーです。
 また、視点が主人公以外の人物に頻繁に切り替わる群像劇的要素もありますが、これは各キャラの気持ちを表すためというよりは、シナリオ進行上必要な舞台裏を見せるという意味合いが強いと思います。

■キャラクター
 絵は目がタレ目調であることと正面を向いたときアヒル口になっていることを除けば、万人向けの可愛い絵と言えるでしょう。
 過去と現在の姿が描かれるキャラが多いのですが、メインの名月については過去と現在で違和感なくするように、性格については共通項が多くなっていますが、イベントでその時代でしか見られないような「違った顔」若しくは「幼い顔」が現れるのが魅力となっています。過去で発生した出来事が現在に影響を及ぼしていることが多く、シナリオ上の伏線になっていることが多いため、因果関係が絡む設定についてはかなり細かく作り込まれています。そのため、社会的な立場や感情的な変化がどのように起こっていったかを確認しながら進めていくのが本作の楽しみ方のひとつとなっています。ただ、九厘について伏線を拾いきれていない部分があるのが残念。それ以外がしっかりしているだけに勿体無いです。

■テキスト
 第1章は比喩表現を使わず、ひたすら主人公の頭に浮かんだことを並べ続ける「本能的」な文が多く、読んでいて面白さを感じません。「俺は姉さんが好きだ! 姉さんは可愛い!」といった内容を連発するだけなのです。2章・3章は感情の動きを明喩的に表現するキャラも現れるのですが、主人公はバカなのか、ただ頭に浮かんだ単純な思考を並べ続けるに留まっています。ストーリーは良いのにテキストで減点されるという、ライターの実力がどの程度なのかを物語る結果といえましょう。

■演出
 オープニングムービーが各章毎に用意されており、3つあります。いずれもイベントCGを使いながらキャラクター紹介をしていくオーソドックスなものですが、様々なテクスチャーを使い、単にCGを繋げ合わせただけのものにならないように工夫されています。
 画面効果は、波の満ち引き、打ち上げ花火の花開く様子、星の瞬きといったものが背景でアニメーションします。マシンスペックの問題かもしれませんが、こうした画像効果の最中、テキストの流れが悪くなったので、エフェクトを切るシステム設定があると良かったのですが。目パチ口パクはありません。
 効果音は豊富で、殴り合いの音、ガラスの割れる音、バイクの走行音など、様々用意されています。何か物騒なのが多いですね。
 その他、テキストを読み進めている最中、バックグラウンドで音声が入り続けていることがあります。例えば、別に聞く必要がないサブキャラの独り言やモブの会話が、テキストボックスに現れず、効果音的に処理されていることがあります。

■ゲーム性
 基本的にメインヒロインである名月一本道ではあるんですが、サブヒロイン2名のエンディングも用意されているため、そこに到達するための選択肢があります。ただし難易度は極めて低く、ゲーム性はほぼありません。

■Hシーン
 現在・過去すべての名月にHシーンが用意されています。シチュエーションは、全年齢でフェラシーンがあるのが特徴。体位は年齢によって様々。特殊なものとしては、最年少のときにアナルセックスがあります。また、サブキャラの美々と九厘にもHシーンがあります。美々に特殊な内容はありませんが、九厘は足コキ・拘束(主人公がされる)シーンがあります。時間は比較的長めです。
 必要性については、第1章は姉と弟の禁断の関係をアピールするため必要不可欠……といいたいところですが、あまり緊張感がありませんでした。その他の章はあってもなくても構わない内容です。

■グラフィック
 背景は30枚前後。3つの時代の同じ舞台を行き来するのですが、その時代毎の風景を楽しむことが出来ます。建物の細部までこだわって描かれたものがあれば、ベタ塗りで遠近感に欠けるものがあったりと、クオリティーにはバラつきがあります。室内より外観の方が良い気がします。
 イベントCGは差分なしで105枚。数は合格点です。Hシーン用が半数を占めていますが、ここぞというシーンではイベントCGが出てきますので問題ないでしょう。塗りが良くパースもとれているし、クオリティーは高いです。構図はカメラを斜めに構えて撮ったようなものが多いです。こうしてわざとバランスを崩すのは有効ですが、その数が2/3以上に及び、逆に安直な感じがしてしまいます。別の手法を試したものも見たかったですね。


総合得点■■■■■■ 67/100
おすすめ度■■■■■■■■  8/10
ボイス■■■■■■■■■■ 10/10
シナリオ■■■■■■■■  8/10
テキスト■■■■■  5/10
キャラクター1■■■■■■■■  9/10
キャラクター2■■■■■■■■  8/10
音楽■■■■■■■■  8/10
演出■■■■■■■■  8/10
システム1■■■■■■■■  8/10
システム2■■  2/10
Hシーン1■■■■■■  3/5
Hシーン2■■  1/5
グラフィック1■■■■■■  3/5
グラフィック2■■■■■■■■  4/5
姉を想う主人公が形作る星群


 アステリズムというタイトルは日本語に訳すと「星群」となります。それぞれの世界を持つ星が目に見えない線で結ばれて一つの形を成している星群は、それぞれの(という書き方になってしまいますが)主人公が個々の世界を持ちながらも一途に姉のことを想い続け、やがてハッピーエンドに収束していくという本作を象徴するタイトルとしてピッタリです。
 本編中で度々登場する「夏の大三角形」も星群のひとつです。作中の人物をここに当てはめると、ベガ(織姫)が名月、アルタイル(彦星)が主人公、デネブも主人公、そして3章の結末から北極星ポラリスが「お兄ちゃん」となるでしょうか。本編中、何度か歳差運動により北極星は入れ替わるという話が出ます。北極星ポラリスはいつかデネブに入れ替わるわけですが、この辺り、名月の想い人がお兄ちゃんから主人公に移っていくことを象徴していると言えるでしょう。また、私が何故主人公をアルタイルとデネブの二つと解釈したかについては、エンディングを迎えれば分かっていただけることと思います。

 ゲーム性がなさすぎてシステム2の点数が低くなり足を引っ張っていますが、私としてはお勧めしても良いかと思えるゲームでした。ただ、ヒロインは名月一人だけと思った方が良いです。購入前にどのようなキャラなのか、ホームページで確認することをお勧めします。

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