Canvas 〜セピア色のモチーフ〜
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天音ぇえええー!!! 好きだぁあああああ!!!! いつもとは毛色の異なる批評。 私が愛した萌えキャラたち。その中で最も可愛い絵と最も素敵な声と最も憧れる属性のすべて兼ね揃えている一人の少女がここにいます。 原画家☆画野朗氏と声優倖月美和さんのタッグは、プレイ中に私の脳内をドロドロに溶かし、萌えは愛へと昇華していきました。そうです。Canvasは史上最強の萌えゲーなのです。 Canvasはカクテルソフトが送り込んだ真性F&Cゲームです。甘酸っぱい恋愛ストーリーと絶大な力を誇る萌えキャラ、そして一流メーカーだからこそ為せるグラフィックに相変わらず薄いHシーン、と余すところ無くF&Cらしさが発揮されています。本作の特徴としては☆画野朗氏、魚氏、ぽん酢氏と三人の原画家が起用されていること。三人がそれぞれ特徴的なキャラクターを描いているのですが、それでもゲームに組み込まれるとまるで各キャラの違和感が無い点に注目をおきたいところです。 紹介はこのくらいにしてさっさと批評に移りたいところですが、その前に一つ。私は心底Canvasに惚れきっているため、おそらく褒めちぎって終わる可能性が高いと思います。 よし! めくるめくセピア色の世界へ出発だ! ロマン溢れるストーリーと日常会話のベストマッチング! Canvasの素晴らしさって何でしょうか。とにかくキャラが評価されることは間違いないのですが、それだけでは無いはず。 一見内向的で後ろ向きな主人公と紡ぐ物語は式が下がりそうな予感を漂わせるのですが、ポイントはここに。この主人公麻生大輔は後ろ向きと見せかけて中々熱いハートの持ち主で、要所要所でヒロインをきっちり気にかけることの出来る男。シンクロ率はかなり高まるのであります。表面上は後ろ向きでありつつも必死に前に向かって進もうとする気概が心の奥で燻っていることに気付くのです。誰にでもこんな一頃ってあるよなぁ……と。そんな成長を促進してくれるのがヒロインたち。そんなヒロインのために頑張ろうと決心した大輔と共に歩む成長物語は、クリアーした時に素晴らしい充実感を与えてくれます。お約束的展開なんですけど、最後に何かを完成させ終えるということは男にとっては大切なことで、それがプレイヤーのゲームをクリアーしたという感触を倍増させるというメカニズムがここに。Canvasはそうした意味で女の子たちとの語らい以外にも「男のロマン」溢れるゲームと言えましょう。 また、Canvasは単純にお目当ての女の子を追いかけていればクリアー出来るのですが、これはゲーム性が低いということには直結しません。本作はヒロインとの会話を堪能するためのものでもあるからです。これは後で述べるテーマと特徴にも関わってくるのですが、本作は可愛いヒロインたちとの日常に重点を置いているのです。しかし、退屈なだけの日常が続いては面白くなくなります。そのため、本作はストーリー進行のテンポの良さでそれをカバーしています。軽快な会話を楽しみつつ、本編がどんどんと進んでゆく心地よさを味わうことが大切となってくるゲームになっているわけです。
本作のテーマ、それは「純粋」です。 それはキャラクターから伺えます。To Heartではロボットや超能力などの設定によってヒロインの位置を固めました。Kanonは「うぐぅ…」という台詞を呟かせるなど様々な特徴づけをすることによってキャラクターを際立たせました。Canvasは違うのです。Canvasに登場するヒロインたちは「普通」であり、現実離れした特徴や設定などは一切なされていないのです。正しく「純粋」な生まれたばかりのヒロインたち。だからこそプレイヤーも素直になれるし、素直にヒロインを愛することが出来る。Canvasのキャラクターの強みはこの普通で純粋なところにあるのです。 思えば本編全体を通じて感じたノスタルジーな雰囲気。全体的に淡く芸術的なグラフィックによるところも大きかったわけですが、その要因は上記の点にあったと言えます。様々な有り得ない設定を苦としないギャルゲー界で、敢えてどこにでも有り勝ちなキャラクターで勝負してきたカクテルソフト。この感触は、私たちが心のどこかに置き去りにした綺麗な部分を呼び起こすからなのでしょうね。 純粋なヒロインと楽しみ、悩み、悲しみ、時には怒り、そして喜びを共にする。真っ白なCanvasに思うがままの絵を描き終えた時、感じました。 よし! 明日も頑張っていくか!と。 そんな勇気と気概を与えてくれるCanvas 〜セピア色のモチーフ〜。広くお勧めしたい作品です^^ |