なぜ今更10年近くも前のゲームをプレイする気になったかというと、久々に私の良作アンテナに引っかかったゲームがあったからです。
それはこの虚ノ少女です。例によってパッケージしか見ていないのですが、多分良作でしょう。
これまでの経験から良作アンテナ精度には自信があります。
ただ、どうやらこのゲームは世界観として同社のゲームのカルタグラと殻ノ少女と繋がっているようなのです。
従って折角良作アンテナに掛かった虚ノ少女を万全の状態で楽しむために、この2作をプレイするという次第です。
私は残念ながらこのイノセントグレイというメーカーのゲームはクロウカシスしかプレイしたことがありません。
同作は時代的な設定や絵の感じは好きだったのですが、内容そのものは結構地味でアッサリしていたような印象でした。
しかし、私の好きな'90年代のサスペンスADGをしているような……そんな怪しげで懐かしい楽しさがあったことも確かです。
「ああ、まだこんなゲームが生き残っていたのね」と。密かにホッとしたものです。
('90年代半ば〜後半のADGってサイコがかったホラー+サスペンス的なゲームが多いでしょう?)
今回は題材が探偵ということもあり、そんな「古き佳き時代」のADGに近い雰囲気があるんじゃないかと想像しています。
さあ、それでは久々にプレイ記を開始いたしましょう。
かなり前の作品ということもあるので、基本的にはサラっといきます。
ちなみにカルタグラと殻ノ少女をプレイするためにパラノイアなるイノセントグレイ社作品のまとめパッケージを買ってきました。
中古で8,000円ちょいしたんですが……アマゾンだと12,000円もするんですね。なに、これちょっとしたプレミア品なのかなあ?
10年前でも演出バリバリいけてるじゃん!
正確には9年前なんですが。まあすぐ1年経つし(^^;
音楽も絵も演出も全体的にハイレベルですね。テキストはまだ分かりませんが、悪くありません。
ストーリーも人探し+猟奇殺人ということで、ストーリー的には'90年代のEVEっぽくて良い感じ。
舞台は昭和の戦後まもなくですが、当時のどこか胡散臭さあふれる様子も雰囲気出てますね。
それでは駆け足気味ですが、ヒロインファーストインプレッション!
◆上月和菜……着物姿のあわてんぼう活発劇団娘
姉探しを依頼される本作のメインヒロイン(と思われる)。
清楚な外観でありながら慌て者でムードメーカー。
この手の探偵ものには結構ありがちなヒロインですかね。
私の場合はそういうテンプレ的ヒロイン大好きなんで問題ありません。
◆初音……娼館「雪白」で手伝いをする妹的存在
主人公は娼館「雪白」に居候しているのですが、そこで色々世話を焼いてくれる小さな子。
礼儀正しいけどちょっとヤキモチなところが可愛いわけです。
どうも初音と聞くとお姉さまとか一番下の妹が思い浮かぶんですが、今だと初音ミクになるんでしょうかね。
◆乙羽……巨乳の強気娘
初音をいびっていた娼婦。それしかイメージがありません。
攻略可能か不明なんですが、声が北都南っぽいので大丈夫でしょう。
◆凛……黒髪で明るい元気娘っす!
「っす」が語尾につくのがちょっと鬱陶しいんですが……顔と声は可愛いので許す。
ゲーム的に都合の良い女ってヤツですね。速攻でHシーンが出てくるし。
この人も攻略ヒロイン扱いなのか不明。というか、あっさり殺されそうな気が……。
◆蒼木冬史……紅玉隻腕のヤクザの幹部
見た目は怖いが可愛げのある長身の女性です。親友で荒事担当。
初めて名前が出たときは名前から男かと思ったけど、爆乳でした。
詳しいことは不明ですが、良いヤツのようです。
◆高城七七……薀蓄メガネ妹
かなりウザイ妹。喋り方がおかしい。
というか攻略ヒロインなの? 攻略したくないんですが……。
妹と乙羽以外は良い感じです。
凛はどうやら攻略ヒロインぽいっすねー。
すぐ抱けるという安っぽさが気になりますが、主人公のことすごく慕っているし、性格も明るくてよろしい!
思えばこの「〜っす」とかいう口癖も、一種の照れ隠しみたいなものなのかもしれませんね。
好きな人との行為の最中はなくなってますし、本心をギリギリの線で誤魔化すために用いていたのでしょう。
そう考えると、この口癖も途端に可愛く思えてきますね。
よし、一周目は凛、君に決めた!……ぴかちゅー
って……
ここまでやらせておいて「最後の姿」ってのは酷くないっすかー!?
選択肢ミスったのかなあ?
そうでも思わないとやり切れないですね……。
始めたときから典型的な殺られ役だとは思っていたとはいえ、あれだけ慕ってくれていた娘がああも無残な最期を遂げてしまうと凹みます。
救う方法があるのか、それとも絶対死んでしまうのか。それは2周目以降判明するでしょうが、救われないとすれば不憫すぎるキャラです。
というか、この子はどう考えてもヒロイン級だと思うのですが。何とかならないかなあ?<実は結構気に入っていたらしい
それにしてもシ●●ー怖っ!!
顔と声が全然合ってないし!
明らかに絵に反して声が迫力不足で人選ミスなんですが、それがかえって不気味さを煽っていますネ。
できればあそこは主人公にブチノメシテもらいたかったんですが、あんな顔されちゃあ……ねえ?
それで事件後なんですが、初音じゃなくて姐さんを選びました。
気だるげな声で「旦那」って呼んでくれるのが良いのです。
元々ロリ属性はないんですが、最近、大人のキャラの方が魅力的に思えてしまうんですよ。
プレイヤー自身の歳が前より上がってきたせいか、10代のキャラと妙なギャップを感じてしまって……。
多分、To HeartとかKanonをプレイしていた頃なら初音を選んでいたんでしょうけどね。
うーん、意識してなかったけれど、人間年齢によって趣向が変わっていくものなんでしょうか。
今でも幼馴染属性であることは変わらないのだけれど。
ただ、この姐さんも攻略キャラって感じではないんですよね。
一体誰のエンディングに転がり込んでいくのか、楽しみでもあり不安でもあり。
八木沼ウゼェエエエーッ!!
久々に嫌〜なキャラが出てきました。
主人公も言われっぱなしで反論しないところが何とも腹立たしい。
自分の方が先輩なんだからガツン!と返せば良いのに!
まあ、八木沼が主人公に感じているコンプレックスの表れと考えれば多少は……いや、やっぱりムカつく。
で、本編は思いがけずも和菜ルートへ進行しているようです。
姉探しの事件を後回しにしたり凛と姐さんにちょっかい出してるんですがあまり影響ない模様。
和菜みたいなテンプレート的なタイプ、好きなんですけどね。
サスペンスもので最初に正ヒロインを攻略すると全部のネタがバレるんじゃないかと心配なんですが、このまま進めてみますか。
いや、同じ部屋だから!(爆笑)
シリアスなシーンなのに大爆笑してしまいました。背景絵って大事ですね〜。何で変えなかったんだろう。
それはさておき、その後あっさりエンディングを迎えてしまいました。
犯人は意外なところから現れたんですけど、まだまだ謎だらけって感じですね。
和菜ルートに進みつつも姐さんとか冬至にちょっかい出し続けたせいか大変中途半端な終末。
しかも最後の由良っぽいのは一体……?
もしかするとロックがかかっていたりするかもしれないので、2周目は初音か楼子狙いで進めてみましょうか。
初音編クリアー。
うーん……薄い……薄すぎる。
(胸の話じゃないヨ)
事件の真相にほとんど絡んでいかないばかりか、初音のパーソナルな部分にもほとんど触れられていません。
せめて初音の過去話――例えば姐さんに引き取られた頃の思い出など――を深く掘り下げるぐらいはしてほしかったのですが……。
初音は可愛いとは思いますが、イベントがほとんどデート一回のみに等しいのもつらいです。
一応このゲームではヒロインの一角という扱いのようですが、他のゲームならサブキャラレベルの内容ですね。
まあ、この薄っぺらさもお手軽感という意味では悪くないのですが、それにしてもちょっとなあ。
絵が良いだけにもう少し頑張ってほしかったものです。
初音をクリアーした後、楼子狙いで進めてみたり、気は進まなかったんですが妹ルートも見たんですが、全部バッドエンド扱いのようですね。
それぞれ種明かしを小出ししてくるんですが、むしろそれによって謎が深まって嫌が応にも和菜編に期待は高まったんですが……。
この和菜編に入るのが意外と難しい。
どの辺りに分岐があるのか分からなかったんですが、まさかタコヤキ屋が絡んでいたとは。
それと最初の和菜からの質問ですね。あんな始めの方で決まってしまうとは思っておらず、3周ぐらい無駄にしてしまいました。
それでも苦労した甲斐あってか和菜ルートは面白かったです。
ちょっと七七(妹)が出しゃばり過ぎて主人公を食っている感じがしてムカッと来たんですけどね。
まあ妹ルートを見ていて兄へ抱く異常なまでの感情は分かったので、許してやります。
◆総評
うーん、今もこの手の探偵ADGをプレイすることが出来るとは。
舞台的には戦後ということで横溝正史の金田一シリーズの雰囲気がありつつ、ハードボイルド感もあるという……。
まさにこういうADGをプレイしたかったんですよね。
探偵物で良かったと思えたのはEVE newgeneration以来ですが、発売当時本作をプレイしていなかった自分が悔しいですね。
最初から最後まで気の抜けないシーンが続きますし、テンポも良くヒロインも魅力的。
これといって弱点が見つからない良作です。
さて、次は殻の少女といきますか。