D.C. 〜ダ・カーポ〜『感謝ぱっく』
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今回の批評は今やギャルゲー界を担っていると言っても過言では無いでしょうダ・カーポを取り上げようかと思います。某ゲーム誌では人気投票でも妹たちを押し退けてますし……(−−; 超個人的怨念が渦巻きつつあるところで本題に移りましょう。 人気原画家七尾奈留氏の描くキャラたちは、コンシュマー移植、アニメ化、漫画化と次々とメディアミックスされ、一昔前のTo Heart状態です。このゲームはかなりシスプリを意識してつくられている、ということは作中に登場するセリフからも明らかで、本作の売りは「萌え」。キャッチフレーズは「ちょっぴりこそばゆい学園恋愛アドベンチャー」とのこと。水夏でプレイヤーをあっと言わせたシナリオはどこへやら、サーカスはこれより所謂「サーカス商法」を繰り広げ、ユーザーから次々と金を巻き上げる道を辿っていきます(現在進行形)。 そんなダ・カーポのどの辺りが人々を魅了し、現在の地位を築き上げさせているのでしょうか。業界を憂いつつ、批評していこうと思います。まあ、メーカーの商法とゲームの出来とはまったく別問題なんですけどね(^^; 何となく予想がついたかと思いますが、今回はやや辛口なのでD.C.ファンの方は読まない方がいいかも(汗 忘れ物はユーザーへ そもそも私はこのゲームを買う気はありませんでした。というのは私がシスプリを愛するが故というわけの分からないプライドが先立ったからでして、妹ブームにちゃっかり便乗してちょっと人気が出ていたダ・カーポというゲームにあまつさえ敵意すら抱いておりました(ぉ しかし時代は流れ…… 2003年秋、シスプリは遂にG'sマガジンにて連載終了となりました……。 その年、D.C.はPS2に移植され、アニメ化もされ、空前絶後の人気の真っ只中。政権交代の時期が訪れたことを残念ながら認めざるを得ませんでした……。そして私は多くの方々から兼ねてより勧められていたD.C.に手を出すことにしたのです。勿論妹たちへの愛は今も変わりありませんし、妹ブームを巻き起こした偉大なる存在がシスプリであることには間違いないと思っています。 私は沢山種類がある中で、感謝パックというものを手にしました。今思えばこの時の選択は大正解だったのかも。というのも、D.C.というゲームは、「アルキメデスの忘れ物」というサーカスファンディスクの中にある先行版でストーリーの序章が描かれているからです。私の購入した感謝パックにはこの先行版も同梱されており、アルキメデスの忘れ物を購入する必要が無かったのです。何故ここまで先行版の話をするかというと、D.C.本編は先行版をプレイしたことを前提にして物語が始まっているからです。私は本編から始めたのですが、さっぱり訳の分からない話を脈絡無しに繰り広げる登場人物たちを前にしてディスプレイの前で唖然とし、先行版があることに気付いてそれをプレイしてようやく納得出来ました。つまり、本編を購入したことで初めてD.C.というゲームに触れた人には混乱が予想されるシナリオ展開がなされるのです。これが初めに述べたサーカス商法なのです。 シナリオと言えば眞子シナリオは正直3文ライターが数時間で書き上げたものとしか思えません。ガヤシステム、目覚ましシステムも不評でしたし。もう一体何を褒めれば良いのか……と思ったその時、私は重要なことに気付かされました。
さて、酷評してきたD.C.ですが、決してレベルが低いというわけではありません。どこかで見たような話が多い気がしますが、シナリオそのものは悪くは無いです。声優のレベルはやたら高いですし、Hシーンこそ軽めですがまとめ方もそこそこ上手い。それなのに何故酷評してきたかと言うと、D.C.には歴代の一世を風靡したギャルゲーに存在する「これ」と言った光り輝くものがないのです。ときメモのゲーム性、To Heartの感動、Kanonの音楽と涙、シスプリの妹萌え。確かに感動はしたけど泣くほどのものではなく、確かに萌えたけど叫び倒れるほど凶悪なものではなく。そんな今一つパッとしないD.C.。 その時気付いたこと。パッケージの裏の紹介文。 時として夢は甘く、切なく、もどかしい…。 いつもどおりの日常がなんだかちょっとこそばゆい、学園恋愛アドベンチャー。 嗚呼、その通りなんだな、と。本作は「ちょっと」こそばゆい学園恋愛アドベンチャーだったんだな、と。そうです。今一つパッとしないのはこの「ちょっと」にあったのです。マーケットで受け入れられるのは「ちょっと」こそばゆいだけだから。ターゲットは我々オタクではなく一般人なんです。一般人相手にドギツイ展開や設定は引かれますしね……。ただ、逆に言えばライトユーザーやこれからエロゲーを始める方にはうってつけのゲーム、という見方も出来ます。 こうしてD.C.は、エロゲーマーたちからは見放され、一般人に受け入れられるという新たな道を歩んでいくのでした。 うーん……いつもと比べて妙な批評となってしまいました。まあ、D.C.のおかげでギャルゲー業界も少しは活性化したのなら良いんだけど……実際どうなんだか(^^; |