D.C. 〜ダ・カーポ〜『感謝ぱっく』

ブランドCIRCUS 発売日2003.9.26
定価8800円 
ハードPC ディスク数CD2枚
OSWin98/Me/2000/XP ジャンルADG
原画七尾奈留
igul
 シナリオ御影
呉一郎
よこよこ
まり
音楽猫野こめっと 
音声フルボイス ボーカル曲あり

ストーリー
しんしんと桜が舞っている。

   狂ったように舞っている。

   驚くほどゆったりと。

   音もなく。

   天使の羽のような花びらの散りざまは、まるで永遠を思わせる一瞬。

「ああ……俺って詩人(ポエマー)」

 7年前から枯れなくなった桜。

 そんな神秘的な桜を見上げて冗談か団子くらいしか思い描けない少年――朝倉純一は、初音島の風見学園付属に通う3年生。

 卒業を間近に控え、めんどくさがりの彼は義理の妹である朝倉音夢と桜並木を歩きながら呟く。

「……かったりぃ」

「ほらほらっ、兄さん、春休みまで後少しですよ♪」

 手を繋いで、音夢が首の鈴を鳴らしながら駆け出す。

「その後は、進学してまた勉強漬けだろうが……」

 ため息をついて青空を見上げながら、純一は、口調とは裏腹に満更でもない笑みを浮かべていた。

 進学を控えて別れもあるが、もっと多くの新しい出会いがあるだろう。この楽しい学園生活も、まだまだ捨てたもんじゃない。

 枯れない桜を見上げて、まだ、ほんの少し先の春を夢見た。

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
朝倉音夢■■■■■■■■■■10/10鳥居花音義妹・病弱
芳乃さくら■■■■■■ 7/10北都南ロリ
白河ことり■■■■■■■■■■10/10日向裕羅正統派
水越萌■■■■ 4/10夏野向日葵天然
水越眞子■■■■■■ 6/10長崎みなみ勝気・ショート
天枷美春■■■■■■■■ 8/10春野日和元気っ娘・後輩

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●スキップ(既読判定あり)
●バックログ
●オートセーブ
●あらすじモード
●目覚ましシステム
●ガヤシステム
●CG鑑賞(クリアー後)
●音楽鑑賞(クリアー後)
●シーン回想(クリアー後)
●BGM23曲
●OP歌
 D.C. 〜第2ボタンの誓い〜
 yozuca
●ED歌
 Dream 〜The ally of〜
 rino
●ED歌
 Dream 〜The other side〜
 みとせのりこ
●挿入歌
 Small Cherry〜promised bell〜
 中山マミ
雑感
個人的名曲
 キャラがどこにいるか表示されないマップ移動形式のADGです。
 目覚ましシステムとは何時に起きるかを決めて、その時間によって起こるイベントが 変わるというもの。
 ガヤシステムとはマップ移動の際に、周りで色々な人の話し声がしてそこからヒロイ ンの行き先を推察できるというもの。はっきり言っていらない(ぉ
 あらすじモードは一度読んだシーンはあらすじのみでストーリーを進めることが出 来る便利な機能。二周目以降で活躍してくれます。
 シナリオ情報は、画面の右端に、現在進めているシーンのどの地点にいるかを表示 してくれるシステム。一見便利そうに見えるのですが、シーンが全体でどの程度の数 があるか分からないためほとんど意味を為しません。
 相変わらずセーブの際にアイコン選択が必要など、悉くワンクッション入れてくるの で長時間プレイしていると疲れます。また、ログ保有数が極端に少ないのが痛いです。
●また、会える…よね?
●Small Cherry〜promised bell〜
次世代を担うヒロイン音夢
(C)CIRCUS
「お兄ちゃん」から「兄さん」へ
業界の覇者と曲芸商法


 今回の批評は今やギャルゲー界を担っていると言っても過言では無いでしょうダ・カーポを取り上げようかと思います。某ゲーム誌では人気投票でも妹たちを押し退けてますし……(−−;
 超個人的怨念が渦巻きつつあるところで本題に移りましょう。

 人気原画家七尾奈留氏の描くキャラたちは、コンシュマー移植、アニメ化、漫画化と次々とメディアミックスされ、一昔前のTo Heart状態です。このゲームはかなりシスプリを意識してつくられている、ということは作中に登場するセリフからも明らかで、本作の売りは「萌え」。キャッチフレーズは「ちょっぴりこそばゆい学園恋愛アドベンチャー」とのこと。水夏でプレイヤーをあっと言わせたシナリオはどこへやら、サーカスはこれより所謂「サーカス商法」を繰り広げ、ユーザーから次々と金を巻き上げる道を辿っていきます(現在進行形)。
 そんなダ・カーポのどの辺りが人々を魅了し、現在の地位を築き上げさせているのでしょうか。業界を憂いつつ、批評していこうと思います。まあ、メーカーの商法とゲームの出来とはまったく別問題なんですけどね(^^;

 何となく予想がついたかと思いますが、今回はやや辛口なのでD.C.ファンの方は読まない方がいいかも(汗


忘れ物はユーザーへ


 そもそも私はこのゲームを買う気はありませんでした。というのは私がシスプリを愛するが故というわけの分からないプライドが先立ったからでして、妹ブームにちゃっかり便乗してちょっと人気が出ていたダ・カーポというゲームにあまつさえ敵意すら抱いておりました(ぉ

 しかし時代は流れ……

 2003年秋、シスプリは遂にG'sマガジンにて連載終了となりました……。
 その年、D.C.はPS2に移植され、アニメ化もされ、空前絶後の人気の真っ只中。政権交代の時期が訪れたことを残念ながら認めざるを得ませんでした……。そして私は多くの方々から兼ねてより勧められていたD.C.に手を出すことにしたのです。勿論妹たちへの愛は今も変わりありませんし、妹ブームを巻き起こした偉大なる存在がシスプリであることには間違いないと思っています。
 私は沢山種類がある中で、感謝パックというものを手にしました。今思えばこの時の選択は大正解だったのかも。というのも、D.C.というゲームは、「アルキメデスの忘れ物」というサーカスファンディスクの中にある先行版でストーリーの序章が描かれているからです。私の購入した感謝パックにはこの先行版も同梱されており、アルキメデスの忘れ物を購入する必要が無かったのです。何故ここまで先行版の話をするかというと、D.C.本編は先行版をプレイしたことを前提にして物語が始まっているからです。私は本編から始めたのですが、さっぱり訳の分からない話を脈絡無しに繰り広げる登場人物たちを前にしてディスプレイの前で唖然とし、先行版があることに気付いてそれをプレイしてようやく納得出来ました。つまり、本編を購入したことで初めてD.C.というゲームに触れた人には混乱が予想されるシナリオ展開がなされるのです。これが初めに述べたサーカス商法なのです。

 シナリオと言えば眞子シナリオは正直3文ライターが数時間で書き上げたものとしか思えません。ガヤシステム、目覚ましシステムも不評でしたし。もう一体何を褒めれば良いのか……と思ったその時、私は重要なことに気付かされました。


総合得点■■■■■■ 65/100
おすすめ度■■■■■■  6/10
ボイス■■■■■■■■■■ 10/10
シナリオ■■■■■■  7/10
テキスト■■■■■■  7/10
キャラクター1■■■■■■■■  9/10
キャラクター2■■■■■■■■  9/10
音楽■■■■■  5/10
演出■■■■■■  7/10
システム1■■■■■■  6/10
システム2■■■■■■  6/10
Hシーン1■■  1/5
Hシーン2■■  1/5
グラフィック1■■■■■■    3/5
グラフィック2■■■■■■■■  4/5
ターゲット変更!?


 さて、酷評してきたD.C.ですが、決してレベルが低いというわけではありません。どこかで見たような話が多い気がしますが、シナリオそのものは悪くは無いです。声優のレベルはやたら高いですし、Hシーンこそ軽めですがまとめ方もそこそこ上手い。それなのに何故酷評してきたかと言うと、D.C.には歴代の一世を風靡したギャルゲーに存在する「これ」と言った光り輝くものがないのです。ときメモのゲーム性、To Heartの感動、Kanonの音楽と涙、シスプリの妹萌え。確かに感動はしたけど泣くほどのものではなく、確かに萌えたけど叫び倒れるほど凶悪なものではなく。そんな今一つパッとしないD.C.。
 その時気付いたこと。パッケージの裏の紹介文。

 時として夢は甘く、切なく、もどかしい…。
 いつもどおりの日常がなんだかちょっとこそばゆい、学園恋愛アドベンチャー。


 嗚呼、その通りなんだな、と。本作は「ちょっと」こそばゆい学園恋愛アドベンチャーだったんだな、と。そうです。今一つパッとしないのはこの「ちょっと」にあったのです。マーケットで受け入れられるのは「ちょっと」こそばゆいだけだから。ターゲットは我々オタクではなく一般人なんです。一般人相手にドギツイ展開や設定は引かれますしね……。ただ、逆に言えばライトユーザーやこれからエロゲーを始める方にはうってつけのゲーム、という見方も出来ます。

 こうしてD.C.は、エロゲーマーたちからは見放され、一般人に受け入れられるという新たな道を歩んでいくのでした。
 うーん……いつもと比べて妙な批評となってしまいました。まあ、D.C.のおかげでギャルゲー業界も少しは活性化したのなら良いんだけど……実際どうなんだか(^^;

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