LOVERS 〜恋に落ちたら…〜
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というわけで、今回はLOVERSをとりあげます。本作は最後のPC-9801ゲーム「ラブ・エスカレーター」をWindows用に移植されたもの。Hアニメーションに期待された本作は、上記の通り延期に渡る延期を繰り返したことでも有名ですな。とは言え私はラブエスをプレイしたことがありません。よって、LOVERSとの比較対照という観点での批評が書けないので、新規ユーザーの観点からLOVERSを見ていこうと思います。にしても発売後の本作に対するユーザーの反応たるや凄まじいものがありましたねえ……。 とりあえず、延期四天王LOVERSの暗黒の歴史を振り返ってみましょう。 2001年12月冬コミ2002年4月26日発売発表 2002年4月10日 延期発表 2002年6月28日 2002年5月31日 延期発表 今夏 未定 2003年4月11日 延期発表 2003年6月27日 2003年6月05日 延期発表 2003年7月11日 2003年6月18日 延期発表 2003年8月1日 2003年7月15日 延期発表 2003年8月8日 2003年7月23日 延期発表 2003年8月29日 2003年8月07日 延期発表 2003年9月12日 2003年8月29日 延期発表 2003年9月26日 2003年9月24日 延期発表 2003年10月10日 うーん、延期回数が二桁を越える辺りが良い感じですね。 ともあれ。 LOVERSは長い旅路の末、遂に禁断の扉を開いたのだ…… 抜群のHシーンと躍動するリアル感 ヘタレ駄目主人公を中心に描かれるストーリーは、実はかなりリアルであって、展開はまるで週間連載のコミックを読んでいるかのよう。例えるならば一頃前にジャンプであった、桂正和の電影少女やI'sの様な錯覚を巻き起こしてくれます。 本作はテンポが良く、ストーリーそのものは悪くはありません。テキストがあまりにも稚拙で小学生の作文かと間違いかねませんが、感じ得るリアル感は本物です。学園ものだけに、我々プレイヤーが体験していそうなことをきっちりと登場させていて、私などは懐かしく高校時代を思い出してしまいました。また、システムの項でも説明したように、(Hシーンだけ見たい時にはただの邪魔者なんですが)ミニゲームなども豊富でゲームとしてはかなり優秀と言えます。そして何よりも際立つ抜群のHシーンの豊富さ。何か後半に進むにつれて絵がコロコロ変わってますが、理恵たん初体験シーンは必見。最強です。アニメーションですよ! 動くんですよ! 顔は震える、胸は揺れる、足はひくつく。しかも理恵たんの顔と喘ぎ声が可愛いんだこれが。かつてこれほど抜けるエロゲーってありました? いやない! ともかく何十とあるHシーンすべてがアニメーションで構成されているという驚愕の事実。動きもスムーズでとにかく素晴らしいです。音楽も綺麗で質は高いですし、演出も凄いことになってます。いたるところに動きがあります。目パチ口パクの次元ではありません。背景が動きまくってるんですよ。噴水は吹き出すは風船は動くはテレビの画面はコロコロ変わるは、とにかく今までのADGというものに視覚的な革命を起こしてくれました。 しかしこうなると疑問が浮かびます。そんな素晴らしいLOVERSが何故酷評されてるんでしょうか?
Hシーンの素晴らしさは誰もが認めるところだと思うんです。ということは問題はストーリーなんです。その概要は、親友の恋を応援すると言ったはいいもののその相手は主人公のしばらく会っていなかった幼馴染みで、その幼馴染みに近づくうちに主人公が彼女と恋に落ちてゆき、その事実を親友には隠し続け、表では応援するようなことを言って裏では彼女とデートに耽るというもの。 やはりここなんでしょうね。あまりにも優柔不断な主人公に問題がある。しかも他に登場する友人キャラが良い奴ばかりなだけに余計腹立たしい。ですが、確かに主人公はヘタレだったんですけど、繰り返しますがそんなに酷評するほどストーリーは悪くないんです。テキストの駄目っぷりを除きますとむしろ出来は良いと言えます。実はここにポイントがありました。 LOVERSはHアニメを期待されたゲームでした。皆、それほどストーリーには期待しなかったはずです。ところが蓋を開けてみると、主人公はヘタレながらも意外にストーリーがまともである。そして映像効果は申し分なくHアニメには満足がいく。ここに一つの歪みが生まれました。 プレイヤーは、夢の様なHの後に、吐き気を催す現実が待っていることに気付くのです。 LOVERSは、夢と現実という二つの矛盾をプレイヤーに呈示しました。ですが、現実などいらなかったのです。Hだけ優れていれば良かったのです。しかし妙にリアル感漂うストーリーが付随していた。本来ならこのストーリーは評価されて然るべきなのですが、皮肉なことにプレイヤーはLOVERSにストーリーなど求めてはいなかったのです。 |