魔王と踊れ! ─Legend of Lord of Lords─
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大変地雷臭そうなタイトルとは裏腹に、パッケージを見るととても面白そうな気がしてくる……「魔王と踊れ!」はそんなゲームです。 公式ページを見ると分かるのですが、本作はダンジョン内を動いて発見した敵を倒していく、トルネコやチョコボと同じタイプのダンジョン探索ゲーム。可愛いキャラ、濃そうなHシーンが魅力的なのですが、それ以上に「本格ファンタジーRPG」という売り文句が最近ADGばかりプレイしていてすっかりぬるゲーマーと化した私の購買欲をそそり立たせるには十分でした。思えばこの手のRPGは結構プレイしてきましたが、エロゲーでとなるとかなり久し振り……でもないか(^^; ですが、「本格RPG」などと言われては期待しないわけにはいきません。加えてシナリオもボリュームもこだわられたとあっては思わず手を出してしまうと言うもの。かくして6800円と言うリーズナブルな価格にも後押しされ、私は魔王への道を歩み始めました……。 二周目の恐怖 起動と同時に現れるタイトル直後にスタートするOPムービーは、舞台の雄大さ、ヒロインの魅力、そしてHシーンの豊富さを効果的にアピールした、格好良く妖艶な出来栄えです。主題歌を歌うのは霜月はるかさんで文句無しの上手さ。この人はファンタジー系ゲームの歌を歌わせると業界一、ニを争うと思います。 次にキャラクターについて。ヒロイン達の絵は見た人10人が10人皆可愛いと言うであろう強力なパワーを持っています。メインヒロインは強気なお姉さん系のウィッカと癒し系のフィリアの二人。性格的にもキャラの魅力を十分生かせした設定が為されています。私はたまらなくフィリアさんがツボにはまりました( ̄▽ ̄) では肝心の主人公はどうか。RPGですからプレイヤーが主人公になりきれなくてはなりません。本作の主人公は、魔王の力を秘めた弱気な一般人のビナー。彼は戦闘によって魔王としての力を覚醒させていきます。普段は一般人で戦闘では魔王の力を発揮させていくという水戸黄門的なスタイルはずばり古き良き時代のヒーロー。加えて、世界制覇を目論む「魔王」という設定はただのヒーローには無い「男の野望」を感じさせます。これらの点から鑑みるに主人公としての魅力も合格点を与えられましょう。 続いてHシーンですが、ダンジョン攻略毎に(一部除く)二人のヒロインのどちらかとH出来ます。 それもすべてシチュエーションが違い、和姦〜陵辱まで堪能出来ます。加えて、戦闘で倒した女敵やサブキャラとのHシーンもあり、ロリ、眼鏡っ娘など様々な属性を味わえます。H度はかなり高めと思ってもらって良いと思います。と言うかフィリアさんエロすぎ(^^; 本題のシステムについて。本格RPGと言うだけあって、コンシュマーで出せるぐらいのシステム的(ストーリーではない)なこだわりが感じられます。武器の強化、特技の修得方法、攻撃方法によるダメージ変化……。遊んでみるとかなりしっかり作り込まれていることが分かります。特に、ダンジョンの探索方法によって得られる経験値が変化するシステムはなるほどと思いました。実際はこれらのシステムを気にせずにただ出てくる敵を倒すだけでもそれ程苦労せず攻略が可能だったりするのですが(^^; ただ、魔法の威力の段階が【30→60→999】となっているところがあるなど、やや粗も見受けられます。この辺りが改善されるとさらに良かったというのはありました。次回以降の課題ですね。ということで一周目は楽しくプレイ出来ます。……一周目は。このゲームの最大の問題点は二周目以降にあります。低価格の割にボリュームが充実しているところを掲げるだけあって、一周するには結構時間がかかります。そしてメインヒロインが2人いますので一周するだけでは全CGが集まりません。つまり、コンプリートするには二周以上する必要があります(三〜四周かかります)。ここで本作がRPGであることと大ボリュームであることが仇となります。アドベンチャーパートは既読も未読もスキップがきくから良いのですが、ダンジョン攻略は一切スキップ出来ません。それも1章分のダンジョン攻略にさえ時間がかかるのに全10章あるのです。 これを三周。同じ敵との戦闘、同じダンジョンの探索を三周。かなりきついものがありました(−−; 二周目以降は全アイテムを一つずつ持ってのプレイが出来るので、楽になることはなるんですが、流石に三周は堪えます。二周目以降はダンジョン攻略をスキップ出来るなどの配慮が欲しかったですね。コンプリートした人って少ないんじゃないだろうか。
……いつもなら最後にこのゲームの言いたかったことはどんなことだったのかなどを考えてみるところなのですが、このゲームの場合、とても書きにくかったりします(^^; と言うのは、壮大なストーリーの割にエンディングが適当くさいからなんですが……。何故エンディングが適当な感じになったかと言うと、主人公である魔王の力が強大すぎるところにあるわけですが。そんな全編を通して感じたことと言えば、「何が何でも自分の思い通りにことを運ぶべく頑張る」ということ。それはまさしく魔王のあるべき姿。ジャイアニズムの化身。気弱な一人の青年が、自分の力ですべてを決定しようとする強固な意志の持ち主に進化していく過程がここにあります。そんな潔く格好良い主人公を演じるゲーム。まさしく「魔王と世界を股に駆けて踊る」ゲームが「魔王と踊れ!」なのです。魔王の持つ無限のパワーに酔いしれれば酔いしれる程、プレイヤーのロールプレイは素晴らしいものとなります。欲望に忠実となることへの素晴らしさ。本作で描かれた魔王とは人間の理想そのものなのかもしれません。 「魔王と踊れ!」は本格RPGの名に恥じず、確かに遊べるゲームでした。アドベンチャー、ダンジョン攻略、Hシーンのバランスが良く、章構成にしたことも良かった。それだけに二周目以降が面倒くさいのが残念ではあるのですが。ただ、ボリュームも多く飽きはきますが遊び甲斐はあります。ダンジョン探索中にクイックセーブも出来るので、時間が無い方にも意外とお勧め出来ます。 皆さんも壮大な舞台を強大な魔王と共に渡り歩きませんか? 清々しいゲームですよ、これは。 |