魔王と踊れ!2 change of the world
プレイ記
2009年はCATWALKの最新作「魔王と踊れ!2」で開幕!
前作「魔王と踊れ!」については、批評を参照のこと。
読むのが面倒くせぇという人のために簡単に説明すると、力を失った魔王に乗り移られた主人公が、モンスターを倒しまくってパワーを吸収し、世界を我が物にする……というやりたい放題のRPGです。
こう書くとグダグダそうに見えますが、割とシナリオは真っ当でしたし、ついでに滅茶苦茶健気なシスターのフィリアさんは私の嫁になっています。
ただし、2周目以降のダンジョンや戦闘をスキップできないという難があり、完全クリアーにかなり時間を要したゲームでした。
ですから、2作目が出ると知って買おうか迷ったのですが、どうやら今回は2周目以降は戦闘がスキップできるとのこと!
これは楽だということで、速攻でアマゾンにアクセスしたのでした。
それでは、本日ペリカン便で届いた豪華特典版の内容を確認しておきましょう。
魔王と踊れ!2+前作+小説「魔王と踊れ!」特装版+原画集+ミニサントラ+ファンディスク(声優ボイス・アレンジBGM)+設定資料集
多すぎ。
サントラが欲しかったので特典版にしたけれど、前作と小説(330ページのラノベが入ってました)とかどうすんだこれ……。
ま、まあそれはそれとして、次回からゲームを進めていくこととします。
第一回
必要空き容量は3GB以上、DVD1枚、ディスクレス不可。
最近のVAシステムはディスクレス不可でやりにくいですなあ……。
OPムービーはタイトル画面の前に入りますので、初回から視聴可能です。多分ゲーム中では流れません。
イベントCGを使いながらキャラ紹介をしていくものですが、途中にゲーム中の戦闘・探索画面が流れるため、デモムービー臭が漂っています。
タクティカルRPGですからADGパートと探索パートの絵が大きく異なるわけで、こういうのは店頭で流すべきであっても、商品でやるのはどうかと思うのですよ。まあ、新鮮と言えば新鮮ですけど。
一方、チュートリアルはしっかりしており、初心者をおいてけぼりにすることはありません。
チュートリアルを見る限りでは、ショートカットを設定できるなどユーザビリティが向上していて、ストレスのたまりにくいシステムに仕上がっているようです。
とりあえず第一章を進めたのですが、ストーリーはかなり分かりやすそうですね。完全な勧善懲悪ものっぽいです。
自国を悪者に占領された主人公が、幼馴染の姫と国を開放するため力を蓄える……と。
今のところ「魔王」の気配がしないので、どこで出てくるのか楽しみにしておきましょう。
そして、本作の主人公はこいつだ!
忠実なる執事マグナガルド
ということで、次回からは執事の執事による執事のための物語をお楽しみに。
第二回
我が嫁のフィリアさん登場……なんですが、かなり絵が変わってますね。
比較のため、右に前作のフィリアさんを出しときました。
原画家が変わったのか?と思いきや同じ人。まあ、4年も経てば絵柄も変わりますわな。
フィリアさんが登場した後、ウィッカとビナーも出るのですが、どうやらこの世界はウィッカEDが正史のようです。
個人的にはフィリアさんが好きなんですが、そんなことはどうでも良くて、なんでハーレムEDが正史じゃないんだと!(?)
もっとどうでも良いですね、はい。
さて、物語は3章まで進めたのですが、どうやら3章で早くもルートが決定してしまうようです。
ルート決定直前に恒例のヒロインファーストインプレッション!
◆マリー・グルノーブル……幼馴染のツンデレ神官お姫様
モーニングスターを装備したクレリックなんですが、治癒能力にも長けていて、優秀な神官です。
主人公は王家に仕えるナイトで、その上この姫様と幼馴染なわけですから、もう出来レースという他ありません。
そうでなかったとしても、幼馴染というだけで文句なしの正ヒロインです。
◆ファータ……エルフの魔法使い
こちらは何ともスタンダードな設定の魔法使いです。
範囲魔法攻撃が強く、意味不明なマジックミサイルで障害物を破壊します。
基本的に天然キャラで、絵的には一番好きです。
“エルフ=防御力とHPが低い”わけで、守るべき対象としてナイトのモチベーションを高める意味で重要なキャラです。
◆クリン……ロリっ娘トレジャーハンター
パンツはし……いや、何でもないです。
ツインテールのロリ担当。強引ながらも素直で割と良い奴です。
罠感知や罠解除など、どちらかというとトレハンというよりはシーフのような能力を持っています。
攻撃力が低くて使い物にならないかと思ったのですが、武器を強化したら途端に遠隔攻撃のエキスパートと化しました。
この3人が主要ヒロインです。役割の住み分けがしっかりしていますね。
どのキャラも割と防御力が低いのですが、そこが守るべきヒロインというイメージを抱かせてくれるのでOK。
一周目はマリールートで進めることにします。
第三回
7章まで進めたのですが、ダンジョンアタックばっかりですね。
薄暗い洞窟に潜っては、ハックアンドスラッシュの繰り返し。
確かに少し前のRPGってこういうものだったかもしれませんが……。
エロゲーなんだから、なんかこう……ないんですかね!?
前作は2章か3章かで速攻Hシーンがありましたけど、今回はヒロインとのHシーンはここまでナシ。
その代わり、物語中には幾つか友情も芽生えはしたんですけど……。
ちょうど良いので、この辺りでその友人を紹介しましょう。
「チャームポイントは紅く輝く瞳なの!」
……と叫ぶ彼は、騎士団時代からの友人フランク君です。
その名の通り、フランキーでちょっぴりお茶目なナイスガイです。
「僕達、魂兄弟!」
……とはデスギドラの異名をとるドラゴン君です。とっても仲良しです。
「……メガンテ!」
そして最後にこのイケメン。彼こそが本作の主人公です。
この男に、王国の運命は委ねられたのです!
一体、彼らを待ち受ける試練とは!? 後半へ続く!
第四回
マリー……俺のマリー!
攫われたヒロインを取り戻すというシチュエーションはRPGでは珍しくはありません。
竜王に捕らわれたローラ姫を洞窟から救い出す……なんてのもその典型。
しかし、それをエロゲーでやられると不安感が倍増しますな!
俺のいないところでいったいマリーに何をっ!?という奴ですよ。
この辺をまざまざと描くか否かがエロゲーとコンシュマーの違いの一つ。
それは些細なことに思えますが、描写の有無って実は結構大きな差なんですよね。
想像が形になることがこんなにも恐ろしいとは……いや、まだなってないんだけど、ならないでくれと祈るばかりです。
それにしても……
この人、どう見ても悪者だよなあ……
第五回
何となく最終決戦……ってもう全クリかよ!?
えー、ということでマリー編クリアー。
あっという間に終わってしまった気がしますが、実はもう10章に突入していたので、終わってもおかしくはないわけで。
何だかんだで1章1時間はかかるので、1周するのに10時間前後はかかったと思います。
ですから、結構なボリュームがあったはずなのですが、どうにも消化不良気味な感が否めません。
ダンジョンは前回と同程度の内容、ストーリーも割と重厚だったのに、何故なのでしょうか?
第一に、キャラクターの魅力を引き出しきれなかったことがあげられます。
キャラの設定がストーリーにマッチするようにガチガチに固められているのは良いのです。
しかし、それは身に纏う服のようなもの。性格的な部分に相当する中身をもっと描いて欲しかったです。
第二に、Hシーンのバランスが悪すぎることがあげられます。
前回はほぼ1章ごとに1回ヒロインとのHシーンがありましたが、今回はヒロインとの絡みは2回のみ。
途中に出る敵の親玉が攫ってきたどうでも良い少女や女王を陵辱しているシーンの方が多いってどういうことなんでしょうか。
ヒロインとベタベタするシーンが多いわけでもなし。これでは、ヒロインの印象が薄れてしまっても仕方がありません。
第三に、ダンジョン探索が単調であることがあげられます。
ある程度作業的になるのは前作と同じですが、緊張感がないのが問題。
前回は攻略に時間制限がありましたから、どんなダンジョンでも宝を取りのがさずに回らねばならないという緊張感がありました。
しかし、今回は時間制限は一切なし。出てくる敵は弱すぎますし、トラップもしょぼすぎます。
スライムばかり出る洞窟に毒の沼地が少しあったところでこちとら痛くも痒くもないわけです。
しかもゆっくりダンジョンを探索できるのですから、まったく不安はないわけです。
幾ら私がヌルゲーマーとは言え、流石にこれでは作業的になってしまいます。
戦闘システムの完成度は高いのですから、探索パートや戦力バランスに気を配って欲しかったですね。
一方、サブキャラは魅力的でした。その生き様や個性が発揮されていましたし、ストーリーへの絡みもバッチリ。
メインヒロインや主人公がサブキャラなら上手くいっていたことでしょう。
逆に言えば、サブキャラ程度しかメインキャラを描ききれていなかったということです。
2周目以降はダンジョンをスキップできるということなので、気軽に挑んでこようと思います。
次はクリンを攻略する予定。
第六回
クリン編クリアー。
薄い……色んな意味で薄い。
まあ、ロリ担当だからそれは良いのですが……ってそういうことではなく。
クリン編のクリン編たる部分のみを切り取ってみれば、確かに良い話ではあるんです。
フィーネのときもそうでしたが、回想に出てくるサブキャラが良い奴過ぎて……。
それは在り来たりといえば在り来たりなんですが、必要な部分だけを簡潔に纏めた無駄のない仕上がりになっています。
しかし、それにしても薄すぎ。その部分はプレイ時間全体の1/10以下に過ぎないからです。
2人目をクリアーして分かったのですが、結局このゲームはシナリオのボリュームが少なすぎるんです。
一本のストーリーとして見れば、ファンタジーの王道を上手く纏め上げているといえます。
ダンジョンとして見ても、単調で作業的な内容ではありますが、売り物としての最低限のレベルはクリアーしています。
しかし、あまりにもシナリオが薄すぎます。選択肢が少なく、行動は短く、会話は少く、ヒロインに対する心象描写も少ない。
こんな状況では、当然ャラクターの魅力を引き出すことなんて出来るわけがありません。
20年以上前なら、洞窟の中で健気に勇者を待つローラ姫に胸焦がれたプレイヤーは多かったかもしれません。
しかし、今、我々はローラ姫に恋することが出来るでしょうか?
さしたる説明もなく、王様から救出を命じられ、3時間近い旅路の末、洞窟から救い出した姫は一切無言。
楽しみと言えば、それこそ「ゆうべはお楽しみでしたね」という下卑た宿屋の主人によるセリフのみ。
想像力は膨らむかもしれませんが、今時、ゲーム中のローラ姫に満足することなんて到底出来ません。
このゲームのヒロインはそういう存在に近いんですよ。
そこにいるだけ……とまでは言いませんが、もう少しキャラを描いてもバチは当たらないんじゃないですか?
RPGではあるけれど、アドベンチャーパートも用意しているんだから。ましてや、エロゲーなんだから。
それにしても、ディーって何だったんだ?<何でもありません
最終回
ファータ編クリアー。
グリモアがこれまで本当に意味のない悪役だったのですが、ファータ編で報われた形に。
3人の中では、地味ながらも一番綺麗なエンディングでした。
意味深なエピローグからこれは裏シナリオ降臨か!?と思いきや、単なる3への布石っぽいですね……。
まあ、あまり語ることがないのでこのまま総評に移ります。
総評。
前述しましたが、とにかくシナリオが薄いゲームでした。
その印象を深めたのは、共通ルートの長さです。
3章でルートが分岐するクセに、共通ルートが7章まで続き、個別ルートに入ったと思いきや、それも7章の半分程度止まり。
再び8、9章のアドベンチャーパートは、ほとんど共通ルートと言っても良いものに戻ります。
これは、ヒロインについて知りたいというプレイヤーの欲求を完全に黙殺しているのと同意です。
確かにRPGですからダンジョン探索は必要でしょうけど、ウィザードリィがやりたいわけじゃないんです。
もっとヒロインを生かして美少女ゲームらしいものに仕上げて欲しかったですね。
折角、絵が万人向けで可愛いのに勿体無いですなあ。
その他の問題点は第六回で書きましたので、これ以上書かないことにしましょう。
逆に良かった点はと言えば……うーむ……(汗) あ、そうそう。演出が良かったと思います。
火災発生時や部屋が瘴気に満ちていく際の画像効果は結構頑張っていたと思います。
後は1より操作性が向上したところでしょうか。
残念ながら、その他の大半が1よりグレードダウンしているのが悲しい事実。
どうやら今年の1発目は外れくじに終わったようです_| ̄|○
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