Memories Off 2nd

ブランドKID 発売日2001.9.27
定価6800円 
ハードPS ディスク数2枚
ジャンルADG 
キャラデザささきむつみ シナリオ打越鋼太郎
三浦洋晃
日暮茶坊
館山緑
中澤工
佐々木智弘
西川真音
笹成稀太郎
音楽阿保剛 
音声フルボイス ボーカル曲あり

ストーリー
うだるような暑さ、かしましい蝉の鳴き声。
季節は、まさに夏本番を迎えようとしている。

主人公「伊波健」は、私立の高校に通う高校3年生。
半年前から同級生の「白河ほたる」と交際している。

ずっと変わらないと、信じていた。
2人の関係も、今の幸せな状況も。

それなら何も考えずに、まるで空を漂う雲のように。
健は流れに身を任せていればよかったのだから……。

しかし、夏休みのある出来事を境に、健の日常に変化が訪れる。

些細な誤解……。
すれ違う心……。
小さな変化は、やがて取り返しのつかないところまで膨らんで……。

2人の間にある、数え切れぬほどの想い出。
けれど、その想い出を振り切ってでも、
一緒にいたいと思える女性が現れたとしたら……。
健は選ぶことができるのだろうか?

これから共に、かけがえのない想い出を築いていく、その人を――――。

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
白河ほたる■■■■■■■■ 8/10水樹奈々ツインテール・正統派
南つばめ■■■■■■■■ 8/10池澤香奈不思議系・美人
飛世巴■■■■■■■■ 9/10中西環ショート・元気っ娘
寿々奈鷹乃■■■■■■ 7/10千葉妙子勝気・ポニーテール
白河静流■■■■■■■■ 9/10菊池志穂お姉さん・正統派
相摩希■■■■■■■■■■10/10南里侑香病弱・ショート・後輩
舞方香菜 1/10松来未祐眼鏡っ娘
稲穂信■■■■■■ 7/10間島淳司親友
中森翔太■■■■■■ 6/10福山潤親友

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●スキップ(既読判定あり)
●バックログ
●バックログ中の音声
●クイックセーブ
●クイックロード
●CG鑑賞(クリアー後)
●音楽鑑賞(クリアー後)
●BGM30曲
●OP歌
 明日天気に...
 Remi
●ED歌
 オルゴールとピアノと
 水樹奈々
雑感
個人的名曲
 非常に親切丁寧なKIDシステム。操作性抜群。  綺麗な感じの曲が多いです。ピアノ曲もありますね。
 オルゴールとピアノとは名曲。水樹奈々はやはり上手いです。

●With memorie
●Rain then clear
●Memories off 2nd
●オルゴールとピアノと
さらばほたるよ


 色々な意味で圧倒的とも言えるムーブメントを巻き起こしたMemories Off。今やKIDの看板作品となった本シリーズの第二作が今回のお題です。

 私はそれ程メモオフシリーズに思い入れがあるわけでは無いのですが、前作がそれなりに楽しめたので購入しました。ささきむつみ氏の描くキャラは比較的万人受けする可愛らしいキャラクターばかりで絵的には外れではありませんし、コンシュマー独自のギャルゲーの存在はやはり貴重ですしね。
 ……しかし、結果は残念なものとなりました。はっきり言って私はこのゲームが嫌いです。誤解しないで頂きたいのは、ただ私が本作のシナリオが好きではないということであって、客観的に見るならばMemories Off 2ndというゲームはシナリオの出来自体は良かったしゲーム性もあり、キャラも音楽もシステムも良かった良作であるということです。
 というか、そもそも私に合ってないことは明らかだったんですよね……。ストーリーの項を見てもらえば一目瞭然なのですが、本作のシナリオはまず彼女と別れるところから始まるんです。現実では付き合っていた人と別れるということはままあることだとは分かってはいますが、ゲームでこういう話は見たくないというのが本音。じゃあ買うなと言われるかもしれませんが、……実際何で買っちまったんだこのゲーム……。

 とりあえず私なりに批評しますが、タイプの合わないゲームを買うとこうなるんだという良い例ですので、今回に限っては客観的にゲームを捉えられていない可能性大であることを御了承の上で御覧下さいませ。要するにファンの方は見ないほうが良いかも(汗)


魅せ方は一流。えげつなさ抜群のヘタレ主人公。


 君望の鳴海孝之、Loversの黒崎崇など、数々の評判の悪い主人公を見てきた私ですが、本作の主人公伊波健は彼らを凌ぐえげつない主人公だと私は思います。というか個人的にはあらゆる主人公の中で伊波健はワーストの座に輝いております。今までプレイしてきた中で最低最悪の主人公。それが伊波健なのです。これが私が本作を嫌う理由の最もたるものの一つ。主人公に共感出来ない。この男、導入部分から最低でした。何も考えずにほたるの告白を受け入れて付き合い始めた後は、ちょっと気になる女が現れたからと自分の都合で別れることを決意。別れる際に悪いのはほたるであると責任転嫁し、必死に自己弁護しつつも心の中では自分が悪いとも考え葛藤。挙句にはまだ自分の気持ちも定かでは無い内から気になった女と付き合い始める始末。こいつまた同じことしようとしてるんじゃないのかと。そんなことでかけがえのない想い出を築けるんですか。最初の行動の時点から同意しかねます。最後には「この選択が正しかったかは今はまだ分からなく後々判明することだ」などと結論付けるという非常に刹那的というか、お前相手の気持ちを考えたことあるのか?と死刑宣告したくなる人間ナンバーワンです。とにかく伊波健の考え方と行動はまったく私に合いませんでした。これほど忌々しい主人公も珍しい。ただ、その辺りの心理描写の見せ方が上手かったことは事実。恋愛の難しさを表したと言うことにおいては評価したいと思いますが。


総合得点■■■■■■ 79/100
おすすめ度■■■■■■  6/10
ボイス■■■■■■■■  8/10
シナリオ■■■■■■  7/10
テキスト■■■■■■   7/10
キャラクター1■■■■■■■■  9/10
キャラクター2■■■■■■  7/10
音楽■■■■■■■■  8/10
演出■■■■■■■■    8/10
システム1■■■■■■■■■■ 10/10
システム2■■■■■■■■  8/10
シチュエーション■■■■■■■■  8/10
グラフィック1■■■■■■    3/5
グラフィック2■■■■■■■■  4/5
答えの出ない結論


 うぅん……。エンディングのありかたも問題なんだよなあ。考え方そのものが納得出来ないし、主人公自身のほたるとの決別によって得たことについての結論も出ていない気がする。最後に答えが出た様に見せておいて、実際はヒロインが主人公と付き合うことを決意しただけであり、伊波健本人は自分の中で答えを出していないんです。ただ流れに身を任せて運良く思惑通りにことが運んだだけの話です。行きたい大学が2つあって頑張って勉強していた。どちらに願書を出そうかずっと悩んでいた。だけど、たまたま適当に受けておいた大して行きたくも無い大学に推薦で受かってしまって、別にそこでも良いよな〜……とその大学に推薦で入った、という様な感じです。悩むだけ悩んだけど、考えていたことと全然違う方向だけど結果的に何とかなったからいいやーと言う様な。そんな印象を受けるんですよ。各個別ルートの話そのものは面白かっただけに、テーマに対する明確な答えが呈示されなかったのが残念なところであると思います。

 結局このゲームは恋愛ゲームではないんです。主人公のグダグダな思考が羅列されてそれを追っていくだけ。だから主人公に共感出来ない人にとっては恐ろしくつまらない。逆に主人公に共感出来れば面白い。面白いけど、追っているものが哲学だから微妙なんですよね。しかも結論が出てませんし。まあ最初から最後まで自分に合ってなかったんだと思うしかないです(^^;

 好き嫌いは別れるゲームかと。主人公の考え方に共感出来なければ本作は苦痛でしかありません。私としてはお勧めはしない方向で。

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