幼なじみな彼女
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朝まで10連発! あらゆる属性の中で「幼なじみ」が最強であることは最早言うまでもないことで、エロゲーマーとして至高の幼なじみゲームを探求することは義務といっても過言ではありません。今回はその「成果」として「幼なじみな彼女」をご紹介致しましょう。 本作を開発したイージーオーなるメーカーは、ホームページで紹介されている過去の作品を見てもピンと来るものがなく、かなりマイナーな存在であることは間違いありません。そんなメーカーがまさか「最強の幼なじみエロゲー」を出していたとは知る由もなく、出会ったのは発売から既に3年が経過した時のことでした。2,300円という中途半端な価格で中古コーナーに並べられたこのゲーム、同価格帯の商品が腐るほどある中で見落とさなかったのはストレートなタイトルのお陰でしょう。パッケージを裏返せば「同じ屋根の下、幼なじみとエッチ三昧の1週間!」とか「エッチシーンは50以上!」とか「朝まで10連発エッチ!」とか物凄いことが書いてあります。……朝まで10連発エッチ? Hのみのゲームに手を出すことは少ない私ですが、相手は幼なじみです。ここで買わねば男が廃る! 煽り文句に負けた私は、速攻でレジへと向かったのでした。 幼なじみだけど彼女じゃない? ■シナリオ Hシーンのおまけ程度と考えて差し支えありません。とはいえ、短いですがしっかりしたシナリオが用意されています。喧嘩三昧だった主人公は、ふとしたきっかけから部活に打ち込み始めて真人間へと更生する道を選ぶのですが、そこへ様々なトラブルが襲い掛かり……という内容。ただ、話の脈絡に関係なく毎日Hしているというのが実態です。しかし一番の問題はそこではなく、真エンディングまでヒロインの舞が彼女にならないという点にあります。シナリオは舞が彼女になるまでの過程でしかなく、彼女になった後は一切描かれていないのです。つまり本編中、舞とは「幼なじみなセックスフレンド」でしかないのです。なし崩し的に幼なじみと言う関係のままHをしてしまい、その後でお互いの気持ちを知る……というのは不自然ではありませんが、正式に付き合った後の二人も見たかったという気持ちも強く残りました。タイトルを見て、既に付き合っているところからスタートすると思っていた人も多かったと思いますしね。 ■キャラクター 絵はやや目が縦長で髪のボリュームが多いですが、特にクセが強いわけではありません。攻略ヒロインが舞だけですので、パッケージを見て舞の絵が気に入らなければ買わない方が良いでしょう。 設定面では、幼なじみという属性を前面に打ち出しているにもかかわらず、舞自身の過去については本編中ではほとんど触れられていないのが特徴です。幼なじみの最大の特徴は過去を共有していることなので、思い出話なども出してほしかったところですが、これはおまけの「つらつら雑記帳」で補完されているので、賛否はあるでしょうがギリギリセーフといったところでしょうか。他方で過去に触れずとも十分ふたりが長い付き合いであることを感じ取れるだけの話し方などテキストが書けていたのは素晴らしいと思います。性格面では、普段の生活では舞優位、Hシーンでは主人公優位になっています。強気の女の子にベッドシーンで勝利するという、男性の支配欲を満たす構成となっています。 ■テキスト 人物の視点切り替え(ザッピング)を多用し、所々でナレーションを交えていきます。とはいえゲームの8割方を占めるHシーンでのはどうかと言えば、主人公視点のみです。Hシーンでは舞に擬音語や幼児言葉を多用させる傾向があります。例えば「ぴゅっぴゅ」とか「おっき」など。キャラクターのイメージを壊しかねない部分ですが、ボイスがすべてをカバーしています。また、50もHシーンがあってそのすべてでテキストの使い回しがないのは凄すぎ。それも喘ぎ声をテキスト化して誤魔化すのではなく、しっかり毎回セリフに起こしています。粗探しをするなら、卑語が少なくソフト過ぎるあたりが気になりますが、童貞×処女という関係からのスタートだったことを考えると許容範囲でしょう。 ■演出 ムービーは登場人物をディフォルメしたチビキャラが飛び回りつつ、キャラ紹介及びHシーンのCGを垂れ流すというもの。はっきり言って中身は何もないのですが、予想に反して曲に合わせたカット割やエフェクトなど意外としっかりした作りでした。 本編中の効果ですが、殴る蹴る等の暴力シーンでテキストが巨大化して揺れたり、効果音がつきます。それ以外に目立ったものはありませんでした。1周終える度、スタッフロールの代わりに次回予告が流れたのは面白かったです。 ■ゲーム性 毎回Hシーンはシチュエーションを3択から選ぶようになっていますが、一周目はロックをかけられて選択できないところがあり、3周目ですべて選択できるようになっています。周回を重ねるごとにHシーンだけではなく、主人公以外の登場人物の行動も見られるようになり、ストーリーの厚みが増していきます。ただ、話の流れに大幅な変化があるわけではありませんし、バッドエンドもありません。また、3周するだけではHシーンをすべて回収できません。本編の他に、おまけ要素等もチェックする必要があり、すべてチェックすると真のエンディングが見られるようになっています。基本的にはHシーンだけを楽しめれば良いゲームとはいえ、退屈しない程度に味付けされていることはマイナスになっていないと思います。 ■Hシーン 一番の肝。プレイ期間の約1週間で1日2〜3回のHシーンがあります。若干怪しいものもありますが基本的に全部和姦で相手は舞のみです。本編のHシーンは3択になっており、コンプリートに必要な3周で1回ずつ選択すれば良いようになっています。また、Hシーン中はLOVERSのようにト書きでもバックグラウンドで喘ぎ声が流れるのも特徴でしょう。「エッチシーンは50以上!」「朝まで10連発エッチ!」は伊達ではありません。総Hシーンは全51で、1回の時間も長く使い回しは一切なし。中でも最終章で回収出来る朝まで10連発エッチは圧巻の一言に尽きますが、こちらはCGに使い回しが多かったのが残念です。SM・スカトロプレイなどはありませんが、フェラ・手こき等お決まりのプレイは勿論、コスプレ・お風呂などシチュエーションも幅広く用意されています。ボイスも相当頑張ってますし、単一ヒロインものでこれほどまでにHシーンを用意したゲームは見たことがありません。エロゲー史上に残る力作といって良いでしょう。 ■グラフィック 背景は10枚程度。辛うじてパースはとれていますがどれもチープな描きこみで、昨今のゲームでは通用しない出来です。 イベントCGはバリエーション含めて177枚、含めなければ61枚。9割方HCGです。極端に綺麗な塗りではありませんが、こちらは十分に製品レベルに到達しています。シチュエーションも構図も舞中心でエロく描かれています。 舞の立ち絵は8パターン前後。ヒロインがひとりしかいないとはいえ、数はかなり多めで見ていて飽きません。それぞれに表情が2〜3パターン用意されていて、怒った顔、すねた顔なども頬を膨らませて可愛らしいものとしています。
このゲームではまだ付き合ってもいない2人がひたすらHしまくるわけですが、印象的だったのは、H中に舞が付き合って「彼女」になるという段階を超えて「赤ちゃん」や「旦那様」という単語を主人公に対して連発していたことです。舞にとって男女の交際は結婚とセットになっており、夫婦という形式が持つ二人一緒であるという絶対的な安定感へのこだわりを感じさせる一端です。また、途中に登場する友人や暴走族に注目すると、例外なく社会的な問題を抱えて孤立した人々が集まっているという設定になっています。共通しているのは、誰もが孤独を恐れていることで、これがテーマになっています。 舞と主人公は孤独の穴を肉体関係を持つことで埋めていきます。しかし、それでは肉体的には繋がっていても感情的な繋がりは得られなかったのでしょう。最終的に2人は彼氏彼女という関係に落ち着くことになります。しかし考えてみると幼なじみは昔から一緒にいるわけですから「孤独」に対立する関係にあります。そんな2人を最後まで付き合せなかったのは、セックスフレンドという不自然な状況下におき、しかもゴムなしでHをさせることで舞へシングルマザーになるかもしれない不安感を煽ることで、自分が孤立するのではないかと思わせる状況を生み出すためなのです。 まあ、ごちゃごちゃ言っても結局のところこれはオカズゲームということを忘れてはいけません。上述した状況下でも豊富なHシーンを和姦で上手くまとめてありますし、ボイスも素晴らしいです。コストを考えても超優秀ですし、ポイントは舞が気に入るかどうかの一点のみでしょう。皆さん……これは使えますよ。 |