Rewrite

ブランドKey 発売日2011.6.24
初回限定版9,240円 
ハードPC ディスク数DVD2枚
OSWinXP/Vista/7 ジャンルADG
原画Na-Ga
樋上いたる
 シナリオ田中ロミオ
竜騎士07
都乃河勇人
音楽折戸伸治
井内舞子
細井聡司
水月陵
麻枝准
 
音声あり ボーカル曲あり

ストーリー
緑化都市、風祭。文明と緑の共存という理想を掲げたこの都市に住む天王寺瑚太朗は神戸小鳥、吉野晴彦らの友人たちと平凡な日々を送っていた。
そんな平和な風祭市に、年一回の騒がしい時期が訪れようとしていた。
都市を上げての収穫祭。巨大な文化祭のようなその催しに、瑚太朗は記事のネタ集めのバイトを始めることに。
風祭では未確認生物の情報や、オカルトチックな噂がまことしやかに囁かれていたからだ。
同時期、瑚太朗の身に不可解な出来事が降りかかり始める。
瑚太朗はオカルト研究会の部長、千里朱音に助けを請い、知り合いの生徒たちをも巻き込んでの調査を開始するのだった。
それは瑚太朗にとって、ちょっとした冒険心のつもりだった。
騒がしく仲間たちと過ごしていけるなら、それで良かった。
瑚太朗はまだ気付かない。それが誰も知らない『真実』の探求へ繋がっていくことを。
―――書き換えることが出来るだろうか。彼女の、その運命を。

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
神戸小鳥■■■■■■■■ 9/10斎藤千和幼馴染
鳳ちはや■■■■■■■■ 8/10篠宮沙弥天然・怪力
千里朱音■■■■■■■■ 9/10喜多村英梨先輩・お嬢様
中津静流■■■■■■ 7/10すずきけいこ後輩・眼帯
此花ルチア■■■■■■ 7/10朝樹りさ委員長・強気
吉野晴彦■■■■■■■■ 9/10柳田淳一悪友
鳳咲夜■■■■■■ 7/10小西克幸美青年
西九条灯花■■■■■■ 7/10田中涼子先生・天然
江坂宗源■■■■■■ 7/10東地宏樹紳士
ミドウ■■■ 3/10保志総一朗悪党
■■■■■■■■ 8/10花澤香菜
天王寺瑚太郎■■■■■■ 7/10森田成一主人公

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●スキップ(既読判定あり)
●オートセーブ
●クイックセーブ
●クイックロード
●ボイスの倍速再生
●バックログ
●バックログ中の音声
●メモリー
●CG鑑賞
●音楽鑑賞
●背景鑑賞
●BGM48曲
●OP歌
 Philosophyz
 水谷瑠奈
●OP歌2
 Rewrite
 サイキックラバー
●挿入歌
 恋歌
 やなぎなぎ
●挿入歌
 恋文
 やなぎなぎ
●挿入歌
 偽らない君へ
 やなぎなぎ
●挿入歌
 渡りの詩
 多田葵
●ED歌
 闇の彼方へ
 水谷瑠奈
●ED歌
 CANOE
 多田葵
雑感
個人的名曲
 必要なものはすべて揃ったVAシステム。オートメッセージがコンマ単位で秒数指定可能です。面白いところでは、ボイスの倍速再生が挙げられます。メモリーはゲーム中に得た情報をチップスとして記録しておくものです。  今回は作曲家が多いので、曲調もバラエティーに富んでいます。歌も多いです。折戸氏はテクノ調のバトル曲が多いなど、それぞれにやはり特徴が出ています。ただ、シナリオの影響も大きいのですが、これまでのKey作品のような涙腺を直撃するような感動系の曲は少なく、どちらかといえば熱い戦闘系の曲が目立っていた気がします。改めて聴くと良い曲が多いんですが、作中に聴いた印象がどうにも薄いのは、いつものように泣かせてくれなかったからでしょうね。EDの「CANOE」は好きな曲調ではありますが、歌詞があまりにも直接的過ぎて興ざめなので、名曲には入れませんでした。

●旅
●揺葉
●刈り
●Scene shifts there
●Reply
●Philosophy of ours
●偽らない君へ
Key作風を吹き飛ばす大物ライター陣


 麻枝氏がシナリオを外れた後の初のフルプライス作品が本作です。一体シナリオはどうなるのかと思ったら、何と外部から田中ロミオ氏と竜騎士07氏を招聘するというとんでもないことに。ギャルゲー界では名の通った独特の世界観を持つライター2氏だけに、これまで培ってきた「Keyらしさ」がなくなるのではないかと懸念しましたが、案の定それは当たってしまいました。ゲーム自体は面白かったので、それが悪かったとは必ずしも言えないのですが。

 補足データ。Rewriteの発売日は、震災の影響で当初の4月発売から2ヶ月延期されています。また初回版として、アレンジCD、ガイドブック、ラジオCD、差し替え用ジャケット3種、ストラップ、Weis(エスツェット) Schwarzオリジナルカード、Lyceeオリジナルカードが付属します。物凄い特典ですね。

 後、どうでも良いことですが、私がこれをプレイするまでにはグラフィックカードを買わなければなりませんでした。今となっては当たり前かもしれませんが、一昔前のPC性能だと遊べない可能性があるので、購入前に必要スペックを確認されることをお勧めします。


超能力バトルゲーム


■シナリオ
 超人的な力を持った主人公が、世界を二分する秘密組織の片方に関わり、世界の秘密を知っていく話。攻略ルートによって組織のどちらに関わるかが決められ、双方の視点から秘密を垣間見ることになります。組織はそれぞれ敵対していますが、ただ対峙するだけではなく、それぞれの組織内部についてもそれぞれ派閥を作ることで少し複雑な展開を用意し、プレイヤーを飽きさせないようにしています。また、攻略には順番があり、少しずつ世界の秘密の確信に迫っていくようになっています。
 秘密は世界だけではなく主人公の経歴にも及ぶのですが、これらは意外にも序盤にあっさりと明らかになります。ところが、一通りクリアーして行動の因果関係が分かったとき、さらなる大いなる秘密が隠されていたことが明らかになるのです。この二重にも三重にも覆われた一筋縄ではいかない世界観を楽しめるかが大きなポイントです。実際のところはここまで複雑な構造にしなくてもテーマを語ることは出来るでしょうが、それでは単なるアクション物で終わったでしょう。そこにミステリーを追加することで、より多くのファンを取り込もうというわけです。

■キャラクター
 原画は樋上いたる氏。自分でも意外という他ないのですが、素直に可愛いと思います。これは私の慣れもありますが、これまでのクセがかなり和らいだからでしょう。具体的には目の大きさやどちらかというと縦比率が横に対して低かった顔のバランスが良くなったためです。
 各キャラとも社会的地位や所属勢力が明確に決められており、性格はその地位・所属に必要とされるものが付与されています。全キャラに隠された過去や秘密があり、これらは世界の秘密に密接に関わっています。そのため、キャラの感情面での魅力より、ストーリー展開と世界観の解説に必要となる過去や秘密について知る方が重要となります。キャラクターよりもシナリオ展開に重きをおいているのです。また、静流の眼帯など、外見上・表面上の設定が単なる記号としてしか機能していないなど、設定にやや粗も見受けられます。

■テキスト
 通常ルートと隠しルートで、かなりレベルに差があります。通常ルートは、素人がブログで書くように括弧書きを多用したり、会話内容も稚拙なものが多く、読んでいて呆れました。ところが、隠しルートになると独白や地の文が多くなったためか、小説的な文章となり、大変読みやすくなっています。第2隠しルートではビジュアルノベルとなり、さらに読みやすくなります。こんなにも安定感がないのはライターが多かったから? どのルートをどのライターが担当したか知りたいものです。

■演出
 オープニングムービーは通常ルート前と隠しルート前の2つがあります。前者はイベントCGを交えてキャラ紹介し、ひたすらイベントCGを流し続けるいつものもの。後者は美麗アニメーションによるもの。Keyでアニメーションムービーは初めてですが、その完成度の高さには驚かされます。ノーマルバージョンも、魔方陣のようなものがグルグル回ったり、文字のフェード具合に工夫が施されており、安易な作りではありません。ただ、両方とも内容がほぼ同じなので、展開を作りわけて欲しかったのが正直なところです。
 本編中の画面効果は豊富で、特にバトル系は剣や銃の飛び交う閃光が様々なパターンで表現されます。効果音も銃音を始めとする戦闘系、歌声など、必要なものは流れます。個人的には挿入ムービーの「吉野ソング」がぶっ飛んでいて気に入っています。

■ゲーム性
 通常のアドベンチャーゲームで、最初に攻略出来るヒロインが決まっており、クリアーするごとにロックが解除され、攻略対象が増えていきます。全員クリアーすると、隠しルートが出現し、トゥルーエンドへの道が開ける構造です。ロックがあることを知っておけば、攻略は簡単です。
 また、本編中、攻略には直接関係しない「マップ探索」があります。これは表示されるマップに潜むイベントを該当ポイントにカーソルを接触させることで発見していくもの。これにより、攻略には関係ない選択肢や登場人物が増えたりします。これを埋めるのは至難の業かと思います。私はまだ達成していません(^^;

■シチュエーション
 ルチア編を除き「ラブラブ」というシーンはほぼありません。悲劇に襲われているヒロインが近くにいた主人公に救われるというパターンが多く、とても幸せな感じはしません。付き合うと明言せずに一緒にい続けることも多く、重苦しい雰囲気をまとい続けたままでエンディングへ向かうこともあります。まあ、KanonもAIRもそうでしたから、Keyのゲームにとっては珍しいことではありませんが。そんな危うい関係は、特殊な境遇にあるヒロインと相まって、プレイヤーにいつ終わってもおかしくないという焦燥感を生み出します。この儚さこそKey作品のヒロインと主人公の関係性の魅力ではないでしょうか。

■グラフィック
 背景は差分なしで60枚。相変わらず素晴らしい出来です。特に自然の描き方。差分の「滅び」の世界がまた素晴らしい。廃墟とか蔦が這い回っている様子だとか、臨場感溢れています。枚数的にも十分です。
 立ち絵は一人当たり7パターン以上はあったと思います。服装パターンがそれに加えて各人2〜3、表情パターンも多数あります。篝の斜めを向いた顔のバランス以外は良好です。
 イベントCGは差分抜きで107枚。まずまずの枚数でクオリティーも高いのですが「ここぞ!」という場面では出ないでどうでも良いシーンの絵が多いのが非常に残念です。後半に集中しすぎているので、もう少し散らして欲しかった気も。構図は引き気味のアングルが多く、度アップはバトルシーンに多いです。個人的なお気に入りは会長の「ようこそjジプシー」と篝とのダンスシーン。


総合得点■■■■■■ 77/100
おすすめ度■■■■■■  7/10
ボイス■■■■■■■■  9/10
シナリオ■■■■■■■■  8/10
テキスト■■■■■■  6/10
キャラクター1■■■■■■  7/10
キャラクター2■■■■■■■■  8/10
音楽■■■■■■  7/10
演出■■■■■■■■  8/10
システム1■■■■■■■■  9/10
システム2■■■■■■■■  8/10
シチュエーション■■■■■■  7/10
グラフィック1■■■■■■■■■■  5/5
グラフィック2■■■■■■■■  4/5
人類が発展し続けるために


 審判者である「鍵」が最後まで求め続けた人類の「良い記憶」が本作のテーマであることは疑いようもありません。一体それが何なのか、登場人物達は探し続けます。その答えとは「星が唯一知性を与えた生命である人類の、自身による発展の追求」です。地球という惑星の中で限られた資源を消費し続け、自らの可能性を閉ざし、発展を放棄しかけている人類。今人類にあるのは「諦め」で、自ら滅亡への道を歩み始めていました。それは緩やかな自殺と言えるかもしれません。しかし、人類を生み出した地球はそんなことは望んでいなかったのです。例え環境を悪化させたとしても、前向きに文明レベルを向上させること……すなわち発展への可能性を追求し続けることを、星は求めていたのです。

 何かを達成するには、何かを犠牲にしなければならないことは往々にしてあります。人類の発展も、自然と資源を犠牲にした上で達成してきました。作中での超人や魔物使いの能力はその表現と言えますし、エンディング後の人類の生き方もそうでしょう。このように、生きることは綺麗事ばかりではなく、本編中の言葉を借りれば「汚い」ことばかりなのかもしれません。言い換えれば犠牲を払ってでも目的を達成していく「覚悟」を導き出したテーマだったと思います。

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