さくらむすび
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日記やプレイ記で耳にたこが出来るほど連呼しておりますが、さくらむすびは私にとっては2005年発売のゲームで最も期待を寄せていたゲームでした。私が大好きなCanvas、水月、両作のクリエイターである、☆画野朗氏とトノイケダイスケ氏がタッグを組んだ新ブランドの第一作。期待しないわけがないでは無いですか! 去年からずっとマークし続けていたさくらむすび。発売日確定の際には小躍りして速攻でCUFFSに予約の入金を済ませ、延期の時にはそれはもう地に頭を擦り付けるほど落胆しました。そうです。私にとってはこの夏はさくらむすびと共にあったと言っても過言ではないのです!(ぉ いつもなら落とさないデモムービーも我慢しきれずにダウンロードして1日5回は見てました。そして待ちに待った8月5日、宅配便が私に届きインストール敢行。それから1週間、コンプリートまでじっくりと堪能しました。それではさくらむすびの批評にうつりましょう。 ロリ属性は絶対買い(笑) 今回は先にキャラクターとHシーンの特性から述べていきます。☆画野朗とトノイケダイスケという真性ロリコンビの手がけたゲームですから、キャラの見た目は●学生そのもの。よくソフ倫通ったな……と(^^; ただ、見た目はロリですが性格は各キャラに即したものが宛がわれており、幼い外見と違和感無く溶け込んでいるんだから不思議なものです。 Hシーンでは、全キャラ聖水をディフォ装備です。水月再びぃっ!! 各キャラHは複数回で、シチュエーションは着衣、風呂あり。声は無いもののとってもエロい。私が言えることは、ロリ属性の方は絶対に買いと言うことです(笑) また、ゲームを始めるとすぐに流れるオープニングムービーは発売まで1日5回も見たせいか流石に新鮮味は感じませんでしたが、大人しいつくりながらも出来は悪くありません。一緒に流れる音楽が良い味を出しているのだと思います。 さて、さくらむすびは、兄である桐山圭吾を「女」として愛する妹と、妹を「兄」として愛する兄と、圭吾を愛する他のヒロイン達を取り巻く関係を描いた物語です。前半はほのぼのと、後半はシリアスに展開していきますが、ヒロイン達の可愛いこと! 全員が最初から主人公のことを好きという設定に加えて全員が甘えっ娘。それもプレイヤーに媚びる甘えではなくて自然に可愛いと思わせる甘え方。甘えっ娘に弱い私は心底参りました。☆画野朗氏が原画ということで絵に関しては最初から満点が確定していますし、萌えに関しては、100点満点で150点をつけたくなります。 プレイ前、私はさくらむすびのストーリーは完璧な現実路線であると思っていました。何故こういったことを考えるかと言うと、トノイケ氏の前作の水月が非常に独特な世界観に基づいて描かれたものであったからであり、それだけに今回のような現実的世界での場合はどのように話をつくるのかが楽しみだったからです。ゲームを始めると、予想通りの現実的な展開が待ち受けておりました。兄、妹の激しい愛の葛藤と丁寧な心理描写、三角関係、明かされる友人の秘密……などなど。萌えあり、シリアスありの展開にこの路線でも読ませるなあ……と感じました。本作の見所の一つは、主人公が妹の愛を受けて戸惑うと同時に「異常だ」とか「気持ち悪い」とはっきりと描き出している所です。禁忌の愛というものを明確化し、普通の純愛ゲーとは一線を画している所に注目して欲しい。そして禁忌と言うものを妹の桜がどう受け止めていくのか、そこに着目して欲しい。単なる妹萌えゲーとは異なる人間関係を重視したストーリーは実に現実的です。紅葉編、可憐編は。 ところが、桜編では終盤まで進めるとトノイケワールドが話のあちこちに見受けられることに気付きます。
桜編の最後の最後で判明するのですが、さくらむすびには現実世界とは異なるパラレルワールドが存在するようです。マヨイガの再来と言っても良いでしょう。マヨイガが現れるのは先程述べたようにエンディングの一部でしかないのですが、私はそのエンディングこそがさくらむすびの本質であると思います。マヨイガ、それは人の夢を叶えてくれる場所。そして人の住む世界とは異なる場所。禁忌の愛を成就するためには、人とは異なる世界へと進まなくてはならない……。そんなメッセージがあるのだと思います。 さくらむすびをコンプリートして、トノイケ氏は本当にこのタイプのストーリーが好きなんだなあ……と思うと同時に、さくらむすびを楽しめた私も本当にこの手の話が好きなんだなあ……と実感しました。よくよく読んでいくと桜編はかなり無理な展開であることが分かるんです。しかし、不可能を可能にしているのはすべての答えは描かないテキストにあります。実は、さくらむすびも水月と同様に、謎のままに終わった箇所がいくつかあります。おそらくこれらは意図的に行われたものと思います。これは、プレイヤーに答えを発見させて自分で納得させるためである、ととることも出来ます。ある意味、ずるい手法と言えるかもしれません。それでも私はさくらむすびがとても好きになれました。はっきりとした終わり方ではないのにとても心地良い後味を残すテキスト、イラストの使い方は芸術的なものがありますが、本作を好きになれる最大の理由は、このタイプの話が好きであることと同時に、本作に流れる「優しさ」が感じられるからです。 クセは強いのですが想像力をかき立てられる、切なくも優しい「悲恋」の物語(敢えて悲恋とします)。アンチ水月の方にはお勧め出来ませんが、水月のファンの方は勿論、ノベル好きな方には是非手にとってもらいたい一本です。 若干ネタバレのため伏せます。 実は桜編マヨイガエンディングは気付きにくいかもしれません。ですが、そこにこそさくらむすびの魅力が凝縮されています。是非とも最後の一枚を見て何かを感じ取って欲しいです。 |