世界ノ全テ
-remind of you-


ブランドたまソフト 発売日2002.12.13
定価6800円 
ハードPC ディスク数DVD1枚
OSWin98/Me/2000/XP ジャンルADG
原画大崎シンヤ
BAB
 シナリオ霊岳
逆神喧云
O-take
音楽細井聡司(Energy Field) 
音声フルボイス ボーカル曲あり

ストーリー
もし…君が、この世界のどこかで傷つき
そこで悲しんでいるなら
どうか…俺の元で癒して欲しい
…君を…愛しているのだから…

8年ぶりに帰ってきたこの地は、まるで異国のような情緒を感じさせた。

御室学園に転校してきた主人公「浩」は、かつての旧友達と謎めいた雰囲気 を持つ少女「智子」と出会う。

繰り返される日常の中で強まる絆は、彼らを非日常の世界へと疾走させた。
あの冬……彼らは傷つきながらも、何を得、そして何を失ったのか。

痛々しいまでにぶつかり合う感情と、切ない恋模様…
そして誰もが”あの頃” を思い返す。

大切な時間……大切な人……大切な想い……
思春期の少年少女を描いた、長編青春アドベンチャーゲーム「世界ノ全テ」

その世界は決して広大なものではなく……狭く、未熟なものだった。

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
宮本浩■■■■■■ 7/10主人公
小西智子■■■■■■■■ 9/10野宮香央里無口
櫻井まりも■■■■■■■■ 9/10上井みゅん元気っ娘・ショート
草薙ほのか■■■■■■ 7/10上井みゅん眼鏡っ娘・内気
草薙かすみ■■■■■■ 7/10理多先生・巨乳
中井戸麗次■■■■■■■■■■10/10堀川忍親友・メガネ
村上秀一■■■■■■■■■■10/10重谷麻也親友・漢
村上瑞樹■■■■■■■■■■10/10野宮香央里親友の妹
宮本竜彦■■■■■■■■ 9/10中澤アユム
森本久司■■■■■■ 7/10広野大地医師
大木温幸■■■■■ 5/10中澤アユム医師
小西洋一 1/10秋田邦彦

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●スキップ(既読判定あり)
●バックログ
●バックログ中の音声
●オートセーブ
●クイックセーブ
●CG鑑賞
●音楽鑑賞
●シーン鑑賞
●BGM46曲
●OP歌
 Walkers
 kala
●OP歌
 未完成の城
 kala
●挿入歌
 freewill
 kala
●挿入歌
 世界の消し方
 細井聡司
●挿入歌
 PEACE-TIME-PLANET
 kala
●挿入歌
 世界ノ全テ
 kala
●挿入歌
 祈る夜
 kala
●挿入歌
 Energy field
 kala
●挿入歌
 光と影
 kala
●ED歌
 君のために
 kala
●ED歌
 -remind of you-
 kala
●ボーナストラック歌
 未完成の城 Another story
 YURIA
雑感
個人的名曲
 必要な機能は殆ど備わっています。クイックセーブがテキストボックスの横にあるボタンを押せば一発と使いやすい。これと言った不満はありません。  歌が多い上に、その全てがハイクオリティー。バンドをするキャラクターたちを扱うだけあって、音楽がとにかく素晴らしいです。曲数は多いのですが同じ曲をアレンジしたものが多いのでパターンは割と少ないと思います。心に染み渡る優しく落ち着いた曲が多いです。Freewill最高! と言うかボーカル曲全部最高!

●屋上から見える海
●はち合わせ
●追憶
●決断
●慰め
●SENTH
●聖夜にて
●世界の消し方
●未完成の城
●Freewill
●祈る夜
●世界ノ全テ
●君のために
●光と影
戦闘風景
(C)たまソフト
青春物語の舞台
炸裂! 関西弁パワー


 本作は、同年4月に発売された「世界ノ全テ」にシナリオと音楽と男性ボイスを加え、背景をオールリファインして発売されたゲームです。内容は追加前の「世界ノ全テ」と、世界ノ全テの続編にあたる追加シナリオ「remind of you」の二つで構成されています。DVDですが、この内容で価格は6800円と大変お手頃となっています。ちなみに私は「世界ノ全テ -remind of you-」で初めて「世界ノ全テ」に触れています。前作は持っていないと言うことです。

 このゲームの特徴の一つとして、登場人物が全員関西弁を話すというものがあります。全員が関西弁で話すゲームなんて始めてでは無いでしょうか。これまで関西弁で話すキャラクターが登場するゲームは何本も出ていますが、それはキャラクターの特徴づけのためだけの言わばアクセサリーであり話し方も不自然でした。しかし、本作で関西弁はアクセサリーではなく日常の言葉として何の違和感も無く扱われています。肝心な話し方もバッチリです。大阪にいた私から見ても、方便が方々で使われていて関西弁クオリティーそのもの(優しい感じなので京都弁に近いですね)。関西に住む方にとっては嬉しいゲームとなったのではないでしょうか。

 そんな世界ノ全テですが、隠れた名作との声が高いゲームです。何だか途轍もない秘密が隠されていそうなタイトルと極普通に進んでいく学園生活が語りかける世界ノ全テの真実とは?


若さが生み出す繊細な心理描写


 このゲームをプレイするにあたって、私は取り返しのつかないミスを犯しています。メインヒロインである智子の攻略を一番最後に回してしまったのです。智子にはとある秘密が隠されているのですが、秘密が各ヒロインの分岐に入る前に共通ルートで明かされてしまうのです。ファーストプレイの共通ルートで驚いた後に智子編に入れば感動も一入なのですが、他のヒロインを攻略するたびに何度も共通ルートの秘密を明かすシーンを見て、最後に智子編に突入したところで感動は半分です。美味いステーキだって4枚も5枚も食べれば飽きると言うものです。本作の弱点がまさにここ。攻略順を誤ると一気に面白さが激減する点です。ですから、これから本作をプレイしようという方は最初に智子を攻略することをお勧めします。

 このゲームの内容ですが、昔住んでいた街に引越してきた閉鎖的な性格をした転校生の主人公宮本浩が、友達や部活の仲間を通じて人と関わる楽しさを知りながら、自分と言うものを人にアピールしていく成長物語となっています。本作の魅力はヒロインとの恋愛よりもむしろここ――主人公の成長過程――にあります。優秀な兄と比べて学力的に劣る自分を卑下して自己嫌悪に陥りつつも、全てを自分の所為には出来ずに他人に責任を転嫁しつつ、どこかでそんな自分を受け入れてくれる人間を探し続けるがクラスに馴染めずに孤立する。そしてそんな自分を卑下して自己嫌悪する……この悪循環を繰り返す救い難い典型的な駄目主人公の人間臭さと、彼が仲間を見つけて前向きに成長していく際の繊細な感情描写に対する私の感情移入といったらありませんでしたね! そうだよこれ俺そのものだよ!(笑) まあ私の場合、兄や姉がいるわけではありませんし、何よりも未だに成長していないと言う点でどうしようもないものがありますが(笑)
 ……とまあ、そんな冗談は置いておきまして。
 とにかく人の感情の表現がこれほどまでに繊細に描かれていて且つ同感させられるゲームは中々無いです。ただし、主人公の心理描写に納得出来るかどうかはプレイヤーがどんな青春時代を送ってきたかに大きく左右される気がする。例えば、入学してすぐに入ったテニス部でバリバリのスポーツライフを過ごしていたり、話し上手でいつも周りに人が集まってきていたり、バレンタイデーにはいつもトラック3台分のチョコレートを貰っていたりした人達は、あまり共感出来ない内容だと思いますし、ましてやどこかで挫折した経験が一度も無い人にはこのゲームで繰り広げられる成長劇を絶対に共感出来ないと思う。と言うよりもして欲しくない。 それ程微妙な若さ故の揺れ動く心を描いた物語ですよこれは。

 キャラクターと絵。
 ヒロインたちの絵は可愛いですが、塗りが全体的に微妙に重たい感じがして地味目です。どのキャラも現実にいそうな極普通の性格。一方男キャラが良い味を出してます。サブキャラを大切にしているゲームには好感をもてますが、このゲームは男キャラたちがいなければ成り立たないでしょうね。また先述の通り、全員関西弁を話します。
 背景は普通の出来。電車に乗ると窓の外が動く演出効果があって意外とこういうところにも気を使っているんだなあ、と。

 Hシーンは薄いです。純愛ものですからこんなものかと。ですが、一部陵辱シーンがあったりしますので注意。


総合得点■■■■■■ 75/100
おすすめ度■■■■■■  7/10
ボイス■■■■■■■■  9/10
シナリオ■■■■■■■■  8/10
テキスト■■■■■■■■  9/10
キャラクター1■■■■■■  7/10
キャラクター2■■■■■■■■  9/10
音楽■■■■■■■■  9/10
演出■■■■■■■■  8/10
システム1■■■■■■■■  8/10
システム2■■■■■■■■  8/10
Hシーン1■■  1/5
Hシーン2■■■■  2/5
グラフィック1■■■■■■    3/5
グラフィック2■■■■■■  3/5
「世界ノ全テ」と「世界の全て」


 実はここに書くことを迷っています(汗) いつも最後の欄では対象ゲームの語りたかったであろう本質を私なりに明らかにしていくわけですが、本作ではこのゲームの言いたかったことをきっちり明文化しているんですよ。しかもそれがタイトルとバッチリ合うものだから最早私が語るべきことなんて無いわけです。

 思えば、本作のタイトルは何て大袈裟なんだろうと。「世界ノ全テ」ですよ? 私が本作を購入した時、世界の全てを表現しようだなんて一体このゲームはどんなゲームなんだと思いましたよ。どんな奇想天外なストーリーが繰り広げられるんだろうかとドキドキしました。地球が出来上がった46億年前にタイムスリップするような物語なのか、人類創造の謎に迫るアカデミックな作品なのか、はたまた神話世界に飛んで謎の敵キャラと戦うことになるファンタジックアドベンチャーなのかと。しかし、私の予想はそれこそ予想だにしなかった形で外れました。何故ならこのゲームが扱う「世界」とはそんな大掛かりなものではなく、主人公と登場キャラクターで完結する恐ろしく小さなものだったのですから。
 それでもプレイ後に納得出来てしまうのは何故なのでしょうか。それは、人と人との繋がりという見えないものが途轍もないパワーを持っているからではないでしょうか。それは時として人をどこまでも突き動かし、時としてどんな勢いを持つものや巨大な圧力をも跳ね返す力を秘めています。そして、愛すると誓った人との繋がりは「世界の全て」に匹敵するほどのパワーを持っているのです。彼と彼女の繋がりは、形ある物では為し得ないことすら達成する力を持っているのですから。

 世界ノ全テ。
 それはとても愚かしく……そしてとても美しい愛の形なのです。

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