SHUFFLE!
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21、それは舞い散る桜のように…、など人気作を放ったBasil解散後、Pia3問題でゴタゴタのあった鈴平氏を迎えて新たに生まれたのがNavelです。西又、鈴平両氏の描くキャラクターは絶大な人気を誇っており、そんなNavelのデビュー作「SHUFFLE!」は、発売前から各誌で毎号大きく取り上げられ、多くのエロゲーマーたちの注目を集めました。私も例に漏れずに絵に惹かれて初回版を予約して購入したわけですが、そこそこのムービーと期待を裏切らないキャラたちの出迎えに、当たりか……!と思ったわけです。 そんな2004年一発目のビックタイトルSHUFFLE!が今回の御題となります。 本作はそれ散るの流れを受け継いだ感じの軽快なテキストによって進んでゆきます。可愛いヒロインたちと繰り広げられる波乱含みな毎日がストーリーの根幹。 新規メーカーながら多くの期待を背負ったSHUFFLE!は見事ユーザーの過剰なまでの期待に応えることが出来たのでしょうか? すべては原画家のパワー 神だの魔王だの言ってる設定の割には、実はストーリーそのものには無理が無いのがSHUFFLE!のポイントかもしれません。というよりも、この設定は一体何のためにつくったのか、これがよく分からない。正直な話、神界、魔界などを登場させている意味が見当たらないんですよね。ラブコメのコメディー要素として必要だったからこういう設定を用意したのかもしれませんが、発売前に神界のプリンセス、魔界のプリンセス、と宣伝されていた割にその辺の設定がさっぱり生かされていなかったのが印象的なゲームでした。 また、登場する女性キャラが多いにも関わらず、イベントCGすら存在しないキャラもいる始末。 以上の点から本作は、圧倒的なボリューム不足を露呈しつつも何とか原画家の名前でそれをカバーしようとした、完全な西又、鈴平両原画家のキャラのためのゲームということが言えるのです。 それでは、付随したシナリオは一体どうだったのでしょうか。
結論から述べさせていただくと、私はSHUFFLE!に過度の期待を込めすぎたようです。 実はシナリオそのものはそれほど悪くは無かったのです。ですが、やけにスピーディーな展開と、かなり強引な終わり方がシナリオを殺しています。それ散るはそれ散るであまりにも無駄な文が多すぎましたが、本作は逆に文章が少なすぎるかもしれませんね。一日が一分〜三十秒で終わる日もありました。要するに先にも述べたとおり、ボリューム不足なのです。もう少しガッシリと全体を構築すれば凡作では終わることは無かったと思えるだけに残念です。シナリオもテキストもキャラと合わせてシャッフルして完成させればよかったのですが。 こうしてSHUFFLE!を振り返ってみるとどうにも良い点が見えませんでしたが、ラブコメとしては良いものを持っていますし、キャラの持つ萌え力はかなりのものです。ストーリーのバランスは良くありませんでしたが、地雷というほどのものでもありません。とりあえずシナリオは置いておいて萌えたくなった時には良いかもしれません。 果たしてNavelが良作を放つ日が来るのか。長い旅は始まったばかりなのです。 |