SMノススメ ―The seeker ZERO―
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愛の上に成り立つSMとは? 少し古いゲームですが、2005年9月25日に3780円で同名タイトルのMemorial Editionが販売されています。 Win98以降に対応しておりますので、今から購入しようという方はこちらが良いでしょう。初回限定版にはSeeker(92年,天津堂)のWindows移植版やおまけ壁紙集が同梱されていますが、これは通常版やMemorial Editionには含まれておらず、CD1枚となっています。 さて、私がエロゲーを始めたのはWindowsからですので天津堂と言う老舗メーカーについては詳しいわけではありませんが、このブランドは精液を全面に押し出した格闘SMスカトロメーカーであると思っています。そのウンコぶりときたらLIBIDOと双璧を為していると言えましょう。 本来この手のゲームは敬遠する傾向にある私なのですが(何故かLIBIDOはOK)、今回本作に手を出したのはSMって、「愛情」の上に成り立つの?と言う名文句が深く心に突き刺さったからに他ありません。どうも調教物や陵辱物は愛の無い痛々しいサディスティックな物ばかりが横行しているような気がしていて嫌気がさしていた私は、愛の存在するSMと言う一見矛盾している文章を見てこれだ!と思ったわけですよ。矛盾と書きましたが、本来SMプレイと言うのは愛に満ち溢れてしかるべきなんです。両者の合意の下で快楽とその上に存在する愛を得ることを目的としてSMプレイをするのであって、一方の独断で苦痛を与えることを目的としているのでは無いのです。独断で苦痛を与えるだけならそれはSMプレイと言うよりは拷問の域。そんなエロゲーが多すぎる。だからこそSMノススメに期待したのですがその結果は如何に? 史上最強のSMゲーム 特にムービーなどはありませんが、プロローグがゲーム開始前に毎回入ります。クリック一発でスキップ可能。 キャラクター。RB氏の絵は見ていると懐かしい感じがしますね。こんな感じ(公式のさつき)。一昔前は良く見るタイプだったのですが、現在エロゲーでは見かけなくなった絵です。少しクセがあるので好き嫌いは分かれるところかもしれません。私はこの絵が好きなんですよね。全員可愛いと思います。性格設定は総じて主人公に忠実なタイプ。こだわりは見られず、絵に合う年齢設定を施して年齢に順ずる適当な性格を設定しています。SMプレイでこういうことをしたらこういう反応が返ってくるだろう……と言うことを念頭において設定されているので、キャラクターのためと言うよりSMプレイのために性格が存在します。もっと言えば、性交渉のためにヒロインが存在していると言えましょう。どのヒロインもSMプレイにあっさり順応し他の2人と仲良く暮らしてますし……。 ボイス。声優の名前は不明でした。声の質は好きなんですけど全員エロゲー向きではないですね。少し古いアニメに出てそうな声。Hシーンではこれでもかと言うくらいに卑語を連発します。しかし、今一つ感情がこもっていなかったり抑揚が足りない気がします。一番残念なのはフェラチオをする時の声が下手過ぎること。技量を卑語でカバーしているので何とか合格点ですかね。 グラフィック。背景は数は少ないのですがかなり丁寧な作り栄えです。イベントCG(ゲーム中殆どイベントCGを見て過ごすのですが)は数が多い上に塗りも丁寧です。特に汁関係は秀逸。 ストーリー。無いに等しいです。途中でヒロインの秘密が明かされるシーンがありますが、ゲーム内容に変化が起きるわけではなく、エンディングにも大した影響がありません。どのヒロインを攻略して言っても主人公の出す結論は一つに納まるので、ストーリーは味付け程度で意味は無いと思って良いでしょう。ただ、その分だけ求める物がしっかりしていると言えるかもしれません。 ゲーム性。一般的に言う調教物。ヒロインの開発度を高めていくと新しいSMプレイが出来るようになります。新しいプレイが出来るまで何度も同じHシーンが続くのは仕方が無いのですが、この手のゲームはどうしても作業プレイになってしまうので、もう少し設定を甘くしても良い気がしました。また、3Pや4Pに加えて天津堂お得意の射乳もあるのですがおそらく一周目で全部見るのは不可能。コンプリートは少ししんどいかも。 Hシーン。これが本作のすべてです。ローター、バイブ、ギャグボール、鞭、バット、ロウソク、浣腸、三角木馬、搾乳機……ありとあらゆるSMプレイを見た感があります。声に不満があるとは言え、本作程圧倒的な調教パターンは類を見ません。テキストもエロいですし、とにかく凄まじい。SM好きな方も満足がいくかと。これに勝てるSM物のゲームがあったら教えて下さい(^^; また、一度見たHシーンをヒロインの視点から見るモノドラモードも良かったと思います。ゲーム中に視点が変わることはあっても、Hシーン単独で視点を変えるものはあまり無いですからね。これがあったので、何とか本作からSMの上に成り立つ愛の欠片を感じることが出来ました。
本作のテーマはSMって、「愛情」の上に成り立つの? でした。少なくとも私は、愛情の上に成り立ったSMプレイを求めてこのゲームを購入しましたし、私と同様の方も多かったことでしょう。 しかしですね……結果は「否」。SMプレイをする目的は双方の愛を確かめるためでは無く、サディストがマゾヒストに対して行うプレイに過ぎなかった……と言うのが本作の結論でした。つまり、SMは愛情の上に成り立っているのでは無いんです。SMと言う目的のために愛情が存在するんです。SMが目的となっている時点で、私の期待は音を立てて崩れ去りました。確かに、モノドラモードでヒロインは主人公のことを愛している様に映りますが、主人公がそうでないのなら意味が無いのです。 主人公が鬼畜ではなくヒロインと楽しみながらSMプレイを行っていることで騙されかけるのですが、このゲームは詐欺と言っても良いでしょう。肉屋の看板に「松坂牛あります」とあったので買いに行ってみると、「松坂牛はあるけど売り物じゃないよ」と言われたようなものです。期待させるようなこと言っておいて、結局、愛情の上にSMが成り立たないならそんなこと書かないで下さいよ。確かに力作ではあるんですが……。一つ言えることは、愛を求めてこのゲームを買ってはいけないと言うことですね。……とは言え、エロゲーとしては超優秀だから困る。うぅむ……やはりこの力作は後世のために語り継がれるべきものなのかも。 |