水夏

ブランドCIRCUS 発売日2001.7.27
定価8800円 
ハードPC ディスク数CD1枚
OSWin95/98/Me ジャンルADG
原画七尾奈留
いくたたかのん
 シナリオ呉一郎
御影
音楽猫野こめっと
tororo
 
音声メインヒロインのみ ボーカル曲あり

ストーリー
 日本のどこかにある、海と山に囲まれた常盤村。
 いつまでも変わらないと名付けられた村では、やっぱりいつものように寂れた夏が訪 れていた。
 扇風機とうちわ、セミの声とテレビの野球中継、線香花火と海開き、打ち水と夕暮れ を告げる鐘の音。

 恋が生まれ、恋が消えていく夏。

 だが、そんな夏、人語を解する謎のぬいぐるみを抱くななしの少女が村を訪れたこと で、不可思議な物語の幕が開かれた。

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
水瀬伊月■■■■■■■■■■10/10長崎みなみ巫女・黒髪ロング
水瀬小夜■■■■■■ 7/10鳥居花音勝気・ショート
白河さやか■■■■■■■■■■10/10鳥居花音お嬢様・天然
柾木茜■■■■■■■■ 8/10日向裕羅義妹・元気っ娘
京谷透子■■■■■■ 7/10西田こむぎおっとり系・ロング
名無しの少女■■■■■■■■■■10/10春野日和不思議っ娘・ロリ
千夏■■■■ 4/10歌織メガネっ娘・謎
七条華子■■■■■ 5/10歌織メガネっ娘・姉
若林美絵■■■■■ 5/10元気っ娘・ツインテール
ちとせ■■■■■■ 7/10妹・病弱

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●スキップ(既読判定あり)
●バックログ
●クイックセーブ
●あらすじモード
●シナリオ情報
●CG鑑賞(クリアー後)
●音楽鑑賞(クリアー後)
●シナリオ回想(クリアー後)
●OPムービー鑑賞(クリアー後)
●BGM20曲
●OP歌
 Fragment 〜The heat haze of summer〜
 KAMIN
●ED歌
 Fragment 〜Thought to wish to the starlit sky〜
 倖月美和
雑感
個人的名曲
 全4章からなる形式。オムニバス……とはやや違うと思います。
 1〜3章までがビジュアルノベル形式で、4章は通常の下にメッセージが出るADG形式。
 オートメッセージは高速設定にしても遅すぎて話にならず、結局自分でエンター乃至クリックで進めねばならず非常にレスポンスが悪いのが難点。サーカスって何でいつもスピードが遅いんでしょう。
 あらすじモードは一度読んだシーンはあらすじのみでストーリーを進めることが出来る便利な機能。二周目以降で活躍してくれます。
 シナリオ情報は、画面の右端に、現在進めているシーンのどの地点にいるかを表示してくれるシステム。一見便利そうに見えるのですが、シーンが全体でどの程度の数があるか分からないためほとんど意味を為しません。
何故か私はEDで歌が流れなかったのですが、倖月ボイスは相変わらずたまりませんな。


●なつのはじまり
●夕焼けこやけ
●夏の終わりに…
●Fragment(OP・ED共)
倖月ボイスが光る! 名無しの少女
(C)CIRCUS
倖月ボイスが光る名無しの少女
グッドか? バッドか? 一本道のストーリー


 さて、今回の批評はサーカス往年の名作水夏を取り上げます。
 多くのPCゲームユーザーの注目を集め、サーカスというメーカーのポジションを固 めた一作、水夏。ダ・カーポの現在の地位はこの水夏が無ければ無かったことでしょう。

 水夏は全4章からなるゲーム形式をとり、1〜3章はサウンドノベル形式で4章は通 常のADG形式をとっています。本作で主人公のポジションが与えられているのは4章で プレイヤーが操るキャラだけであることから、4章は1〜3章のまとめ的な位置づけと なると言えます。果たしてサウンドノベル形式との使い分けがどこまで効果を持ったのか は疑問ですが、4章のみ通常のADG形式をとったのもこのためではないでしょうか。
 ただ、このシナリオ形式をとったことにより、どのヒロインから攻略するといった選 択は出来ず、一本道的なストーリーが展開されることとなってしまったところが、良く も悪くもこの水夏の特徴です。一本道であることにより、シナリオがグッドエンド、バッ ドエンドのいずれで終わったかが4章終了まで分からないため、ある程度まとまった時 間のある時にプレイしたいところ。また、グッドエンドは二つあるのですが、この 二つのグッドエンドを見ることによりアフターストーリー的なものが用意されています。

 裏寂れた村で巻き起こる夏の物語はプレイヤーに一体何を語りかけたのでしょうか。


光る意外性の演出


 見目に可愛いヒロインたちと綺麗なグラフィック、そして演技派声優陣を使った水夏 ですが、水夏は萌えを全面に打ち出したキャラゲーではありません。立派な、シナリオで売りに出たゲームです。
 水夏の面白さは、各章で展開されるあっと驚く逆転劇です。プレイヤーが思いも寄 らなかった「意外性」がポイントとなるのであります。そのために本作には多数のギミック が用意されています。その一つが1〜3章でのプレイヤー操る男性キャラとヒロインとの 視点の切り替わり。これによりプレイヤーがキャラに対して持つ情報量を限定し、あ っと驚くラストを演出することを可能にしているのです。プレイヤーに違和感を与え ないように上手く視点を切り替えていく技量には、正直なところかなり感心するものが ありました。さほどテキストは上手いとは言えず、サウンドノベル形式をわざわざとった意 味があったのかと問いたくなる1〜3章ですが、その点は賞賛に値します。あるいは サウンドノベル形式をとったのはどこか謎めいた雰囲気作りのためである、と解釈する ならば納得いきますね(^^;

 意外性からプレイヤーを常盤村に誘い込むことに成功した水夏。4章はきっちりとま とめあげることに成功したのでしょうか?


総合得点■■■■■■ 70/100
おすすめ度■■■■■■■■  8/10
ボイス■■■■■■■■■■ 10/10
シナリオ■■■■■■■■  9/10
テキスト■■■■■■  6/10
キャラクター1■■■■■■■■  8/10
キャラクター2■■■■■■■■  8/10
音楽■■■■■■■■  8/10
演出■■■■■■  7/10
システム1■■■■■■  6/10
システム2■■■■■■  6/10
Hシーン1■■  1/5
Hシーン2■■■■■■  3/5
グラフィック1■■■■■■■■    4/5
グラフィック2■■■■■■■■  4/5
寝苦しい夜に


 通常のADG形式の4章。前述ではまとめ的な位置にあるとした4章ですが、実際のと ころはあまり1〜3章を生かしきったストーリーは展開されていなかったりします。そし てやや分かりづらく説明不足的な印象を受けることもしばしば。1〜3章ではラスト にプレイヤーを驚かせた水夏ですが、そこではやや説明不足的なところがあっても最後で 謎は明かされたし、だからこそ「意外性」のあるシナリオであると評価できたのですが、 4章ではその意外性を演出した視点切り替えが無いために、プレイヤーの想像力に任せ きってしまう点がかなり多く感じました。そして4章に絡んでくる非常に重要なキャラであ る妹のちとせにボイスが無いことは残念で仕方が無いです……(例によってアルキメデスの忘れ物には実装というサーカス商法なんですがね)。登場回数が多いにもかかわらず そこだけボイスが無いというシーンの数々ではかなり違和感を感じてしまいました。
 思うに、1〜3章が意外性で勝負したのに対し4章は感動劇で勝負した感がありました。感 動劇の演出のために、それまで不足しがちだった恋愛要素と萌え要素を組み込み、一気 に畳み掛ける戦術。なるほど、確かに萌え要素は受け取ったし感動も多少はありました。 ですが、やや説明不足過ぎやしないか、というのが印象。

 水夏は面白かった。ですが、贅沢を言えば4章にもう少し1〜3章との関連を持たせて も良かったのではないでしょうか。若干ゲーム性が足りない気も。
 それでも面白いのは事実。システム面に大きな不満は残るも、シナリオ重視な諸兄に は是非ともお勧めな一本。

 え? システムに文句言ってるのは私だけですか?(汗)

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