永ワ刻
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今回批評するのはピースソフトのデビュー作「永ワ刻」なんですが、少なからず思い入れがあったりなかったり……。というのは発売前の一定期間オフィシャルで「トワコクバナー掲載サイト募集キャンペーン」というのをやっておりまして、よくあるバナーをサイトに載せてゲームの宣伝をしてくれるところを募集していたんですよ。応募サイトには特典がついたんです。そして掲載したサイトはゲームのEDでスタッフロールの如く流れるという、ときメモ3のEDで出資者がズラーっと流れるのと同じ様なことが実際に行われたのであります。で、特典欲しさも手伝って私も例に漏れず参加したのです。ですから最後にこのゲームでは私のHNとサイトも流れているのです(以前運営していたサイトなので、このサイトではありません)。そんなわけで色々思い入れがあるのですが……。 ということで、ピースソフトデビュー作永ワ刻の批評を開始いたします。 欠陥だらけの中、光ったシステム 永ワ刻がどういったゲームかというとそうですね……伝奇物と考えて良いと思います。何気無い日常を過ごしていた主人公が一人の少女との出会いから特別な力に目覚めると言うよくあるパターンですが、このゲームはよくあるパターンに一つの可能性を見出したのであります。主人公が手にした「過去へと遡る力」をADG内部に組み込むことによってゲーム性を高めたのです。そもそも何故本作を買おうかと思ったのかといえばこの過去へと遡るという【Time Jump System】に魅力を感じたからに他ならなかったりしますし。だって公式ページで紹介されているジャンルわけが時間跳躍アドベンチャーですよ!? どういったものかと申しますと、プレイヤーはゲームを進めていきます。そして連続殺人事件(正確に言うと語弊がありますが)に巻き込まれてしまいます。現在進行形の事件を解決すべく過去へと遡ることに。この遡るタイミングをプレイヤー自身が決めなくてはなりません。どの時点で遡るかによって結末が変わるのです。あまりタイミングを伸ばしすぎると解決する前に主人公は殺されてしまい、逆に早すぎると解決する糸口を知らないまま戻ることとなり、結局何故か殺されます。いかにタイミングを見計らって力を使っていくかがこのゲームのポイント。 こうして単なる伝奇物ADGにアクセントを加えた永ワ刻は楽しめるゲームとなるはずでした。キャラに癖はあるけれどストーリーだってそこそこ楽しめるものでしたし。しかし、永ワ刻の問題点とは何なのだろうかと考えた時に酷すぎたバグについて触れないわけにはいかないのが残念。イベントCGが埋まらない、ヒロインにフラグが立たない(これは仕様なのか不明)、誤字脱字が多すぎる、などとにかく問題点が多いのです。特に聖は攻略出来そうな展開を辿るにも関わらず出来ない辺りがいかにもバグくさい。 ということでゲームとして遊ぶ以前の問題が積算しているということから、素直に批評出来ない点があることも挙げておかねばなりません。
まだまだ不完全なシステムではありましたが中々良い物を持っていると感じ取れた【Time Jump System】でしたが、キャラクター的に見ると限りなく微妙。主人公の友人の津島英二というキャラが登場するのですが、この男が非常に濃い存在で面白いのです。彼が面白いというのは良かった。ただ、良かったのはそこまでで、英二の濃さに各ヒロインが潰されてしまっています。つまり、各ヒロインの作りこみが甘いんです。性格付けもシナリオも弱い。よって、ゲームをクリアーしてもヒロインに対する印象があまり残らない。覚えているのは英二のギャグだけ。そのような結果が残ってしまいました。テキストとしてのセンスが前半はガタガタ、後半に進むに連れて徐々にスキルアップしていくのも本作の特徴。 あ、それと本作は基本的にHシーンが鬼畜ですので、その辺り苦手な方は注意が必要かもしれません。 入れ替わりの激しいこの世界で帆を揚げたピースソフト。デビュー作はしょっぱい想い出が詰まりつつも、アイデアとしては光るものもありました。果たして今後どのようなゲームを生み出していくのか。楽しみであったり不安であったり。 当たり外れが分からないゲームを買うのって案外面白いんですよね(笑) |