3/25(金) 徒然なる日常 柚紀編 |
こんばんは。お久しぶりになりました。柚紀です。 突然の告白ですが、実はバイト先に好きな女の子がいます。 今のバイトはファミレス店員なのですが、私は基本的に平日は夜〜深夜、休日は昼〜深夜の勤務となっています。問題はこのレストラン、数ヶ月前まで私の働いている時間帯に女の子が一人もいなかったこと。キッチンもフロアーも男男男でむさ苦しいことこの上ない。そんな中に一人女の子(Aさんとします)が入ってきてそれが結構可愛かったりするのだから気になるのも当然と言うもの。紅一点なのです。 そんなわけで、私も機会あらば控え室で話しかけてみたり、仕事を手伝ってあげたり、休みを変わってあげたりして、Aさんのフラグを立てようと必死に好感度UPを図り続けてきました。 その成果を証明する歴然たる事実があります。 Aさんはいつもの様に結構早めに出勤してきて控え室に入っていきました。控え室の中はいつもの様に休憩時間中の男共で溢れかえっていましたが、私はその時間は丁度勤務中でして、注文を取ったり料理を運んだりと動き回っていました。10分ほど時間が経ち、休憩が終了した男連中がキッチンやフロアーに戻ってきました。ここで妙なことに私は気付いたのです。いつも気だるそうに戻ってくる連中の顔が、その日に限って全員喜色満面なのです。代わって休憩に入る私に交替する仲間に、どうしたのか聞いたところ、Aさんにチョコレートを貰ったとのこと。曰く なるほど、お前が笑顔だったのはそういうことか。ならば俺も義理チョコゲットだぜ! ということで、颯爽と控え室に戻る私。Aさんは私が仲間に話を聞いていた間に休憩に入ったB太とおしゃべりに花を咲かせていました。例によってこの男も笑顔満面です。既に義理チョコという麻薬を貰ったことは間違いありません。しかし、休憩に入った直後にAさんの前でチョコの話をするのは腐れ根性丸出しというか、流石に気が引けるものがあります。そこでAさんがチョコを配っていることなど素知らぬ振りをして、私はAさんに挨拶しました。 私「Aさんおはよう」 Aさん「あ、柚紀君今日もご苦労様……って、この後またすぐ仕事だもんね。えへへ……、今日はお客さん多そう?」 私「いやー、今はそうでもないよ。でもこれから可愛いAさんに誘き寄せられて沢山入るかもねー!」(って何言ってんの俺! これじゃ単なるセクハラ親父では……!?) Aさん「あはは♪ 何言ってるのよ柚紀君♪ ……あ、B太君それでね……」 数分後、B太と話を終えたAさんは着替えてフロアーに出て行きました。 B太は休憩が終わるまでにやけっぱなしでした。そして、他の連中もこの日は最後まで機嫌良く仕事をしていたようです。 え? チョコレート? 貰ってませんよ? でも考えてもみて下さいよ。この日に勤務していた中でAさんから義理チョコを貰えなかったのは私だけなんですよ? つまり、こう考えることが出来るのです。 あるいは滅茶苦茶嫌われてるのか。 ……続く(重要) |
3/29(月) 徒然なる日常 柚紀編 |
私にはAさんという好きな人がいるということは前に書きましたが、何分男だらけのバイト先で紅一点のAさん。当然熾烈なバトルが水面下で繰り広げられています。 そこで、私もAさんの好感度UPのために色々と努力をするわけです。食器が重たそうであれば自分の仕事を投げ打ってでも手伝いに行きますし、用事があって予定より早く帰りたそうにしていれば私が率先して代わりに出勤します。ここで、問題はAさんと同期で入ってきたC太郎の存在です。C太郎も隙あらばAさんにアプローチをかけるため、油断は出来ないのです。そんな状況下ですが、今日はC太郎が休みで、フロアーを回すのは私とAさんの二人というラッキーな日程。午後6時出勤と同時に、私は既に働いていたAさんににこやかに話しかけて好感度UP! 8時頃、Aさんがそわそわし始めました。どうしたのかと聞いたところ、今日は用事があって本当はもう帰りたいとのこと。ですがAさんは10時までは帰れないラインが引かれてあります。 今日も閉店まで責任者は私。ある程度、フロアーの人間の勤務時間は操作可能であります。つまり、ここでAさんを帰すことが出来る権限は私にあるのです。本当は10時まで一緒に働きたいし、ここで帰られると私も仕事がきつくなってしまいますが、好感度UPのためには仕方ないでしょう。 私「Aさん、それなら後は全部俺に任せて今日はもう帰っていいよ」 Aさん「え? 本当!?」 私「ん、任せてよ」 Aさん「ありがとう、柚紀君! わぁ〜、嬉しいな〜♪」 と、その時、ピンポンーピンポーンと入店音が鳴り響きました。ちっ……俺とAさんの会話を邪魔しやがって……と内心思いながらも、にこやかな営業スマイルでお客様を案内に行きます。 私「いらっしゃいませ……って、C太郎じゃないかっ!? 今日休みだろ? 何しに来た?」 Aさん「あ、C太郎君。今日柚紀君がもう帰っていいって言ってくれたから、約束してたカラオケに今すぐ行けるよ!」 ……続く(重要) |
3/31(木) 徒然なる日常 柚紀編 |
さて、私とAさんを巡る話の続きです。 今日も私は閉店までの責任を受け持つことになっています。残念ながら、今日はAさんと一緒に働く予定ではありません。私の勤務開始は午後10時。Aさんは10時でちょうど私と交替することになっています。やる気は半減するのですが、仕事は仕事です。今日も営業スマイルを振りまいてお客様に喜んでいただけるサービスを心掛けねばなりません。私は比較的店内従業員の中では営業力が高い方らしく、本来ならば二人で店を回すところも一人で回さなければならない割り当てをくらっています。つまり、私と同じ時間帯でも、ライバルのC太郎が営業する場合はAさんと二人で行いますが、私の場合は一人でやってくれと店長が決定しているのです。というかいじめだろこれ。……まあ良い。 そんなわけで今日も一人寂しく営業開始。始めこそ空いていましたが、10分もすると暇そうな大学生の団体や仕事帰りのサラリーマンなど、大勢の客でごった返し始めます。料理を運び皿を下げ会計を行い注文を取る。これを一人で行わねばならないのですが、流石にこれらが同時に押し寄せた時は、順を追って対応せねばなりません。ですが、本日は幸いにして店長が控え室にいます。こんな時の店長。とりあえず私が料理を運ぶ間、会計をお願いします。 コンコン…… 私「店長ー」 控え室の扉を開けると、中には店長とまだ着替えが済んでいないAさんの姿が。何か話しています。 店長「柚紀さん、ちょっと待って下さいね。……で、なんとかならないかなあ、Aさん?」 Aさん「はい、ちょっとこの日程で働き続けていて体調がもたないんです……。だから、前も言ったとおりに明日限りで辞めさせていただくことにします」 店長「そうか……。今までお世話にnatt&$”GT……」 Aさんって密かに病弱属性だったのか……!? じゃなくて! おいおい聞いてないよ、そんなことぉおっ!! どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう×∞ そうだ 明日、告白するしかあるまい。 ……続く(重要) |
4/1(金) 徒然なる日常 柚紀編 |
ということで、本日はAさん最後の勤務日。今日を逃せばもう私がAさんと会うことはなくなるでしょう。現実の別れはそんなもんです。チャンスは今日しかないのです。 Aさんが店長や他の先輩後輩たちに挨拶を終えて店を出たところを、私は追いかけて呼び止めました。いつもならこのまま閉店まで店に付きっ切りの私ですが、今日は無理を言って仲間に替わってもらいました。 私「Aさん、ちょっと待って!」 Aさん「あ、柚紀君……。どうしたの?」 失敗すると分かっていても、緊張するものです。 そう、これははっきり言って自爆テロだ。平時よりギャルゲーにハァハァしている私のような人間が生身の人間に告白するのです。かろうじて引き篭もりでは無いとは言え、そもそも女性と会話をしたことすらここ数年は数えるほど無いのです。そんな人間がつい数ヶ月前に知り合った仕事以外では顔を会わせない娘に告白するんですよ? 成功する確率は、はぐれメタルを仲間にするよりも格段と低いと言えます。しかも、はぐれメタルは何十回と戦闘を繰り返せば仲間になるかもしれませんが、今回は一回しくじれば「はいそれまでよ」です。一回限りの大舞台。結果が目に見えている分開き直ることは出来……出来ねえよっ!! やっぱりキツイッ!! でもやるしかないんだっ! 今こそ思い出すんだ、ギャルゲーで学んだキザなセリフの数々を! 私「(……君の瞳にかんぱ……って違ええええっ!!)」 Aさん「……?? 柚紀君?」 ……やっぱり無理だ……。黒崎崇はヘタレだとずっと思ってたけど、いざ自分の立場になってみるとどうしてなかなか……。そもそも女性と会話をしたことすらここ数年は数えるほど無いのです。そんな人間がつい数ヶ月前に知り合った仕事以外では顔を会わせない娘に告白するんですよ? 成功する確率は、はぐれメタルを仲間にするよりも格段と低いと言えます。しかも、はぐれメタルは何十回と戦闘を繰り返せば仲間になるかもしれませんが……って何テンパって同じこと言ってるの俺!? Aさん「柚紀君、どうしたの? ……っていうか顔真っ赤だけど平気?(汗)」 私「あ、あああああ、だだ、大丈夫だよ!? そ、それででねぇええっ!?」 Aさん「う、うん(滝汗)」 俺の異常なテンションにAさんドン引きです。ですが、ここまで来たら後には引けません。もうやるしかありません。覚悟を決める俺アリケリ。 私にも春が訪れたようです。 ……次回感動の最終回を見逃すな!(<?) |
4/2(土) 徒然なる日常 柚紀編 |
一週間に及ぶエイプリルフール企画はお楽しみいただけましたでしょうか? これで3月15日の日記の意味がお分かりになっていただけたかと思います。要するに、説明ページ書き出しにある通りです。 確かにバイト先には、良い先輩からのんびり屋な後輩、可愛い娘から嫌な奴まで色々な仲間がいます。しかし、私如きゴミクズに今回の様なゲームみたいな展開ありえませんって! わっはっは! などと項垂れつつも意外と騙されてくれた方が多そうで今回のミッションは成功です。うむ、この日のために日数をかけて準備してきた甲斐があった(<プロレスなら審判が見ていない間にローブローをかます程度の可愛いものですよね? テヘッ☆)。 ……というよりも、そもそも私は女性に告白する必要なんてないんですよ。何故って、意外に思われそうですが 私、既に彼女持ちですよ? 天音たんでしょ 歩たんでしょ それに亜紗先輩も! あら不思議。全員Aが頭につくではありませんか! これは一体どういうことでしょう!? 以上、超モテ系の鷲宮柚紀がお届けしました! フハハハハハハハ……フハハハハハ……フハハ……む、虚しいっ |