ズザザザザザッ・・・
効果音と共に満身創痍もどこへやら、ウソップが脅威の速さで後退る。
そして、サンジからかなりの距離を離れてウソップが喋り出す。
「て、てめェ、サ、サンジじゃねェな。だ、誰だ。あ、悪霊だな。きっと、あ、悪霊に違いねェ。悪霊退散!」
ぶるぶると震えるウソップ。
「・・・」
そんなウソップを見て、サンジは溜息を一つ付く。
「まァ、妥当な反応だな」
そして、紫煙を吐く。
「おい!悪霊じゃねェから、こっち戻って来い。オレだって野郎なんかにゃキスしたかねェ。おめェの反応、ちと知りたかっただけだ」
サンジはこいこいとウソップを手招きする。
「ほ、本物だよな?」
ウソップは疑いの眼をサンジに向け続ける。
「・・・おいおい、疑うなよォ。まァ、気持ちは分かるがな」
「サンジ。お前の好きなのは男か?」
「ああん!ざけんじゃねェ。まァだ、疑ってんのかよ。オレの好きなのはこの世の全てのレディさ」
「・・・ホッ。フーッ。本物のサンジだ。疑って悪かった・・・って、何だってオレとキスなんだよ!」
ウソップはホッとしたのも束の間、先程言ったサンジの言葉を思い出し再び慌て始める。
「罰ゲームだ」
サンジは新しい煙草に火を付け、海を見渡し紫煙を吐く。
そして、深い深い溜息を付くのだった。
「はっ?罰ゲーム?何じゃそりゃ・・・って、またナミかよ!」
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