「じゃあ、ゾロ。あんたが勝ったら借金を5万ベリー負けてあげる。で、あんたらが負けたらキスしなさい」




「・・・はっ?えっ?」
ナミの言葉に固まるサンジ。
ゾロはナミの顔を凝視する。

「あっ、サンジくん。別にキスするのはゾロじゃなくったって良いわよ。ルフィだろうとウソップだろうと男なら誰だって良いから。ゾロ限定じゃないから、よろしくね」
うふっとナミは魅惑的にサンジに微笑む。
ゾロには魔女の微笑みにしか見えない。


「男が絶対に嫌がりそうで、手っ取り早く思い付くのって、このぐらいしかないのよねェ。よく考えれば何かありそうだけど、これはこれで面白そうだから、負けたらよろしくね。お二人さん」
そう言ってナミは二人にウインクをしてみせた。
ナミのウインクにメロリンラブになるのはラブコックのサンジ。
ゾロはといえば苦虫を潰したような顔をしている。
不機嫌極まりない。

「二人共、負けなきゃ良いのよ」
負けてもさして自分の腹の痛まないナミが楽しそうに言い放つ。

「ナミさァん。オレが勝ったらナミさんとキスしたいなァ〜」
相変わらずサンジの目はハートマークだ。


「ん〜。そうね。考えとくわ」
「ホント?」

絶対考えねェだろと思ったのはゾロだけではないはずだ。
いや、誰でも思うであろうことを唯一サンジだけは思わない。
ナミさんとキス〜と浮かれるサンジ。
彼の目は果てしなくハートマークになり続ける。



「じゃあ、10回勝負ね」

ナミの合図でゲームが始まる。


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