「・・・負けた」
ガクリとサンジが座り込む。


だか、すぐにムクリと立ち上がりゾロに突進する。


「おい、マリモマン。ナミさんの思し召しだ。キスするぞ」
ゾロに近づいたサンジの目は据わりきっている。



「・・・ちょ、ちょっと、待て。クソコック!て、てめェ、本当にそれで良いのか?男とキスだぞ。てめェ、気は確かか?」
至近距離から見るサンジの鬼気迫る様子にゾロは少々逃げ腰だ。

「ああん?気は確かかだとォ?オレ様はいつだって正気だァ!」
「ちょ、ちょっと、待て!暫し待て!オレは負けちゃいねェ。負けてもねェのに罰ゲームなんて出来るか!」
ゾロはそう吐き捨てるとその場を瞬時に逃げ去って行った。



敵前逃亡するゾロを見送るナミとサンジ。

「あらっ、逃げた。あっ、サンジくん。さっきも言ったように、男とのキスなら誰でも言いから。私、お昼寝してくるから、起きたらよろしくね」
チョッパーが見張りだと安心して船を任せられるわねと言いながら、にこやかにナミはその場を後にした。

哀れサンジ。
一人その場に取り残されるのだった。


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