「あんにゃろ。嫌がらせでキスしてやりゃ良かったぜ」
フーッと再び煙を吐き出す。
是非そうしてくれ。
ウソップは目でサンジに訴える。
「・・・ん?なァ、サンジ。おめェ、男とキスすんの平気なのか?罰ゲームだからって、よく男とキスする気になったなァ」
「ああん?クソなこと言ってんじゃねェよ!誰が!」
「でもよォ。おめェ、平気で男とキスしようとしてるじゃねェか。や、やっぱり、あ、悪霊なのか?に、偽者なのか?」
ゴン!
ウソップは再びサンジの足の餌食となる。
「おめェは、いつまでも疑ってんじゃねェ」
「・・・アイ」
「てめェは、本気でオレが男とキスしたいって思ってんのか?」
(や、そこまでは思ってねェ)
「・・・だってよォ・・・」
解せない顔をするウソップ。
「男とのキスだぞ!オレは絶対に嫌だ!なのによォ・・・女好きのおめェがいくらナミに言われたからって、男と平気でキスしようとしている自体、絶対に変だ」
「平気じゃねェよ!オレだって、嫌に決まってんだろ!」
「なら、何で!」
「何でって、何が!」
「変だろ・・・嫌なら断るだろ?いくらナミが言ったからって、普通は断るだろ?断わらねェか?普通、そういうもんじゃねェのか?」
「・・・えっ?」
なにやら複雑の表情のサンジ。
「・・・そういうもんなのか?」
「そういうもんだと思うけど・・・」
「断っても良いのか?」
「・・・はっ?嫌なんだろ?断れよ」
「でも、オレが断ったらナミさんがっかりするだろ?」
「おいおい」
ビシッとウソップの突っ込みの手が空を舞う。
ウソップは思う。
自他共に認める女好きのサンジが罰ゲームだからと言って、素直に男とキスしようとすること自体がおかしい。
いくらナミが言い渡したとしてもだ。
「何でそこでそう思うんだよ。やっぱり平気で男とキス出来んじゃねェか!」
「だから、平気じゃねェって!」
堂々巡りである。
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