「・・・はっ?」


ウソップはサンジの目が点になっていく様子を目の当たりした。
驚いているのだろうか呆れているのだろうか、多分、両方なのだろう。
そういう態度だ。










長い長い長い沈黙の後。

「・・・マジ?」

サンジが呟いた。




「・・・わ、わりィかよ」
ウソップはばつが悪いのか少々赤ら顔だ。
そして、声も小さい。


「そっか・・・納得したぜ。男とのキスがファーストキスだなんて、そりゃあ、嫌だよな。だから、オレとのキスを嫌がったんだな」
うんうんと納得するサンジ。


ちょっと待て、断じてそれは違う。
ファーストキスだろうとなんだろうと男とのキスは嫌である。
サンジだからという問題ではない。
男とだから嫌なのだ。
ファーストキスだから自分とのキスが嫌なんだと思うサンジの思考にウソップは再び軽い目眩を覚えた。


「何でおめェは平気で男とキスしようとするんだよ」
ブツブツとウソップは一人ごちる。


「あん?何か言ったか?」


「・・・言ってねェよ」
はァとため息と共にウソップは言う。
彼はとても疲れ切っていた。


(何でサンジのヤツ、平気で男とキスしようとするんだ?)





「・・・おい、サンジ。ひょっとして、男とキスしたことがあんのか?」


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