「バラティエでゲームに負けて客の男とキスしたことがある」
サンジは答える。
「でもな、勝つとレディとキス出来るんだぜ」
彼はデレッと鼻の穴を膨らませ締まりがない。
「お、おめェ、お、女とキスしたことがあんのか?」
つい、そんなことを聞いてしまうウソップ。
彼も健全な青少年だ。
「あったり前だろ!レディとのキスはいいぞォ。やぁらかくて、いい匂いがしてよォ」
サンジの顔を言葉にしてみれば、うへへへへっといった感じであろう。
煙草の煙もハートマークだ。
「おっ、おっ、おっ。いいなァ」
ウソップが羨ましがる。
「おう!いいぞォ。おめェも女の子とキスしてみろよ。幸せになれるぞ!」
「うおー!オレも女とキスしてェ」
激しく話がずれる二人。
「・・・ん?いつからそんな話になったんだ」
ふと、我に返るサンジ。
「おい、長っパナ。とにかく、後でナミさんの前でキスさせろ!オレァ、下拵えしてくっからよ」
じゃ、よろしくと言って立ち去るサンジ。
ウソップはそんなサンジを何気に見送ってしまった。
「ちょっ、ちょっと、待ったァー・・・」
ウソップは大声で叫ぶが後の祭りである。
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