HEARTWARMING LOVERS -1-


 それは、松潤の他愛もない一言で始まった。

「ねぇ、大野くんち行ってもいい?」

「え? 何でまた。」

「絵。見せてくれるって言ってたでしょ。流れに流れて今まで見れなかったじゃん。」

「そういや…そうだったっけ。」

 何でも松潤は、誕生日に俺の絵をプレゼントして以来、俺の絵の虜になったんだそうだ。

 確かにあれは今までないくらいに頑張ったものだったんだけど、それから俺も少しいい気になって絵を描いて、春に大作が出来たから見せてやるって散々言ってた。

「ね、ね、明日の日曜オフでしょ? オレもなんだ。だから明日行ってもいい?」

「あ、明日?」

 また唐突な。用事とかあったらどーすんだ。

 …まぁ、別に何もないんだけどさ。

「うん、行くからね。」

 有無を言わせぬ笑顔で言い切る。

 彼は俺が、彼のこんな笑顔に弱いのを知っている。

 それが何故なのか、きっと松潤はわかっていないだろう。

 俺が松潤のことをどう思っているか、なんて。

 それでも家に来てくれるというのは嬉しかったし、気付くと俺はあっさり返事をしていた。

「……わかった。」

 この一言で、明日がどんな一日になるのか、このときの俺は知る由もなかった。

 ただ、心底嬉しそうに微笑む松潤を可愛いな、この笑顔にファンはやられるんだなって思っただけだった。 











…短っ。あくまでこれは導入部分なので、本題はこれからです。今回は大野くん視点でしたが、次回は第三者視点ですのでご了解下さいな。

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