HEARTWARMING LOVERS -2-


 ピーンポーン。

 ドアチャイムの音が大野以外誰もいない家に響く。

 ただ今、朝の九時。

 まだ学生の四人(当時)と違って、仕事がなけりゃいつもマイペースに昼まで寝ている大野は、寝不足にボーッとなっている頭のままのろのろと玄関へ向かう。

 扉を開けると満面笑顔の松本が立っていた。

「おはよっ、大野くん!」

「…早いね。」

 あたりに花が飛び散りそうな程の可愛らしさを振りまく松本を見て、昨日『明日』と言っただけで時間まで決めていなかったことに大野は気付いた。

(あれ? ならどうして俺、早起きしてんだ? どうして松潤が朝来るって確信してんだ?)

「おっ邪魔っしまぁす♪」

 大野が混乱している間に松本はすたすたと中に入ってくる。

 さり気なく脱いだ靴を揃えて置くあたり、すごく上品で新鮮な感じがする。

(そういえば嵐はみんなそーゆートコちゃんとしてる。まだジュニアだった頃は周りみんなだらしなくて俺が世話してやらなきゃならなかったから、それが普通だと思ってた…誰とは言わないけど。)

 それが嵐になったおかげ(?)で、その『だらしがない人たち』の世話係から外されて、今はすっごい楽だと大野は思う。

 その分仕事は大変なのだが。

 なんて今この状況に全く関係ないことを考えていると、奥の大野の自室から松本の叫び声があがる。

「うっわすっげーv きれー! かっこいー!」

 それだけ聞くと何がなんだかわからないことを叫ぶ松本に、大野は半ばあきれつつ彼の元へと歩みを進める。

 部屋を覗くと、目を輝かせて大野の絵を見ている松本がいた。

「ねーねーねー、スゴいねこれ。ホントに板に描いてある。」

「…初めて描いたヤツだからあまり上手くないけどね。」

「初めてでこんなに描けんの? さすが大野くんだね。」

 松本はまだ「すげー」とか「うわー」とか声を上げながら大野を褒めまくっている。

(悪い気はしない。つーかこれで気分悪くするヤツがいたら殴り倒してやる。)

 不穏なことを考えながら、不意に大野は松本を後ろから抱きしめた。

「ん? なぁに大野くん?」

 突然後ろからかかった重みに多少驚きつつも、可愛く首だけで振り向く。

(…可愛いなぁこいつ。俺より身長高いくせに←ちょっとコンプレックス・笑)

「ゴメン、ちょっとだけこのままでいさせて。」

 ちょっと、でいいから。

 半ば甘えるように抱きしめると、松本は後ろからのびている大野の腕にそっと触れる。

「……ん。」

 短い、照れたような合意の返事。

 暫く二人とも何も言わず、ただ時間だけが穏やかに流れてゆく。

 大野は松本の抱き心地の良さと、体温の暖かさに酔いしれていた。

「ねぇ、大野くん?」

「ん?」

 ふと松本の呟きが聞こえて大野は顔を上げた。

「オレ……オレさぁ、大野くんのこと好きだよ。」











や、やっと動いてくれました…かなり無理矢理っぽい感も否めませんが(苦笑)またも短かったですね。次はちょっと長めです。また大野くん視点です。あちこちしてスミマセン。

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