HEARTWARMING LOVERS -4- |
数ヶ月前、松本を好きだと自覚した直後のこと。 大野はふと相葉が口を滑らした、その内容が気になって問いつめたことがあった。 普段穏やかな、人の話に深く割り込まないタイプの大野に詰め寄られて、相葉は涙目になりながらそれでも知っていること全てを打ち明けた。 桜井と松本がジュニア時代から付き合っていたこと。 その二人が同じグループとしてデビューした後暫くして、別れたらしいということ。 その後桜井が二宮と付き合い始めたこと。 相葉がそれを面白くないと思っていること。 話の流れから、最後のは相葉が二宮を好きなためだろうと大野は察した。 人のこと言えるわけではないが、何このグループ、どーゆー集まりなんだ、と思ったのも事実である。 しかし、大野が気に入らないのはその内容よりも、そのことをメンバーの誰一人として自分に教えてくれたことがなかった、ということだった。 「俺だけなぁんも知らなかったんだよ? 四人がそんなことになってるなんて。一応同じグループにいるんだし、リーダーなんだし、少しは信用してくれたっていいと思うんだけどな……。」 俯いて、ちょっぴりいじけてみせる。 「大体、お前ら演技上手すぎ。隠すの上手すぎなんだよ。」 松本は苦笑した。 「でもさ、相葉ちゃんは大野くんのこと信用してるから話したんだよね? 実際信用してない人間に話せるような内容じゃないでしょ。翔クンだってニノだって、もちろんオレだって大野くんのことは頼れるリーダーだって思ってる。他人にどうこう言われても、嵐のリーダーは大野くんでしかあり得ないから。」 「んー…だけどねー……。」 しかしまだ納得しきれない大野。 気持ちを察したのか、松本が大野の胸に頬擦りする。 そんな姿に愛おしさが込み上げてきて大野はそっと松本の髪を撫でた。 「じゃあさっ。」 パッと松本が顔を上げる。そこにはいつものアイドルスマイルが。 「さっきの話のウラ、教えよっか? 相葉ちゃんも知らない、とっておきの秘密。」 大野くんを信頼してる証拠だよぉ〜、と大野に迫る。 多少引きながらも大野は頷く。 実際のところ、相葉ちゃんが知っていたのは付き合っているとかいないとかだけで、何故そのようになったのかまでは彼も知らなかったのだ。 「あのさぁ、オレと別れた後、翔クンはニノと付き合い始めたって言ったじゃん。でも別にそれは二人が愛し合ってるからとか、そういうんじゃないんだよね。」 「は?」 余りにも唐突で大野は素っ頓狂な声を出してしまう。 それはそうだ。二人が好き合っているからこそ松本と別れてまで付き合っているのだと思っていたのだから。 「元々オレと翔クンが付き合っていたのも、オレが一方的に翔クンのこと好きだったからで、翔クンには他に好きな人がいてさ。それでも良いからって無理に付き合わせてたんだ。」 やはり松本は桜井が好きだったのかと、過去のことだとわかっていながらも大野は胸を締め付けられる。 「でも嵐になって大野くんと出会って、翔クンに対して抱いてたのは恋愛感情じゃないってわかったから、これ以上は悪いと思って別れたんだ。」 不意に、松本は音を立てて大野の唇にキスをした。 戸惑う大野にはかまわずに先を続ける。 「そしたら今度はニノが、相葉ちゃんへの当てつけみたいに翔クンと付き合い始めて。」 「ちょっちょっちょっと待って!」 頭が混乱してきたため大野は松本を止めた。 「すっごい話飛んでない? 何でニノが相葉ちゃんへの当てつけで翔クンと付き合うことになるの?」 「ニブいなぁ大野くんてば。」 呆れたように言う松本にムッとして、大野は松本の頬をつねった。 「うりゃ! 可愛くないことを言うのはこの口かっ?」 「ふひゃ。いひゃい…。」 パッと手を離すと、松本はつねられた頬を手でさすった。 「うう…大野くん、今思いっきりやったでしょお? 痛いよ。アイドルは顔が命なんだからさ。」 ちょっと涙目になってる松本に大野は少しときめいたものの、年上の威厳(?)で抱き締めたい衝動を抑える。 「んで? 何でなの? ワタシニブいからわかりませ〜ん。」 「要するに、ニノは相葉ちゃんが好きなワケ。なのに相葉ちゃんはちっとも気付いてくれないから。効果はバツグンみたいだけど。」 「あ、なるほど。そゆことね…。」 やっと話が見えた大野は一人顎に手を当てて頷く。 その様子が面白かったのか、松本は急に笑い出した。 「おっ、大野くん面白いぃ〜。オレより探偵っぽい〜。」 腹を抱えて笑い転げる松本を、大野は顔を朱く染めて押さえ込んだ。 「…っ、くくっ……あははっ…。」 しかしツボに入ってしまった松本の笑いは抑えようと試みてもなかなか治まらない。 そっと優しくキスで唇を塞いでやると、少しずつ松本の力が抜けていく。 大野も次第に本気になり、長く深い、情熱的な口づけが終わる頃には、松本は笑いが治まるどころか肩で息をする程になっていた。 「っはぁっ、大野くぅん……。」 誘うような松本の吐息に、大野は今の状況に気付いた。 ボタンを全部外され、素肌が露わになっている松本のシャツ…。 いつの間にかベルトだけでなく、ホックまで外されているジーンズ…。 息が上がり顔が紅潮している松本と、そんな姿の彼にのしかかっている自分…。 ───ヤバい。 慌てて今の位置から動こうとした大野だったが、瞬間松本に腕を掴まれ引き寄せられて、再び彼の上に覆い被さってしまう。 「ちょっ、松潤?」 「潤だってば。ねぇ大野くん、ここまできておいて逃げるつもり?」 ニヤリと松本は挑戦的な笑みを見せる。 逃げるも何も、今この状況を作ったのは九割方潤の方だろうと大野は心の隅で思ったが、口には出さない。 「ちゃんと責任、とってよねっ♪」 大人びた表情が一瞬にして無邪気な子どもの表情に変わったかと思うと、松本は自分から深いキスを仕掛けた。 「ん……。」 未だに腰の引ける大野だったが、キスの最中松本が意地悪く発した言葉で、逃げることを諦めることにした。 「往生際悪いよ、大野くん。」 なんだかんだ言いつつ、結局大野も男である。 元々、目の前にゴージャスな据え膳置かれて食べずにいられる程、大人でもバカでもない。 度重なる誘惑に心が半分以上傾きかけていたのも事実であった。 「潤…後悔しない?」 それでも一応訊いてみる。 あくまでも不安そうな表情───元からかもしれないが───の大野に松本は得意の天使の微笑みを浮かべて頷いた。 「うん。だってオレ、大野くん好きだもん。大好きだもんv」 その後二人がどうなったかは……ご想像にお任せします(笑)。
END
終わりました。訳わからないところがいっぱいあります。すみません。あと、どうにかしてヤバイ内容に持っていこうとして力及ばず途中で止めたのがよくわかりますね。一部からは「何でここまできておいて止めるの〜?」とのお声も上がっております(事実)が、力量不足なんです。書けるようになるにはまだまだ努力を重ねなければ無理みたいです。まぁ、そーゆーヤバイものを読みたい方は、自分で書かれるのが一番でしょう♪ |