理想のヒト |
《Side: YOSHIHIKO》
まず、可愛い人がいいな。 見た目のことじゃなくて、話し方とかちょっとした仕草とかを素直に可愛いと思える人。 もちろん見た目だっていいに越したことはないんだけど、その場合でもキレイ系より可愛い系の方が好き。 あ、声も重要ポイントかも。 ちょっと舌足らずな声で『井ノ原くん』とか『快彦』とか呼ばれてみたいよ。 街を歩くときに恥ずかしそうに名前を呼んで、腕絡めてきたり手を繋ごうとしてくれたなら最高だね。 他に具体的に例をあげると…。 デートとかさ、遊園地や水族館に行きたがるとか。 料理? 料理は別にできなくてもいいや。 だってさぁ、『あ〜ん、失敗しちゃったぁ』『ったくお前はホントしょーがねーなぁ』とかそーゆーのよくない? よくない? そんで、俺の愛情こもった手料理を食べてもらうわけ。 一緒に後片付けしてる時ちょっと恨めしそうに俺を見上げてきたりしちゃってさ、『何?』と訊くと『私、快彦のお嫁さんになれないよ…』って哀しげに目を伏せて言っちゃうの。 彼女にとっては男の俺に料理してもらうことが結構大問題でさ、俺はそんなところが可愛いって思うんだよ。 だから『そんなことないよ、料理だけが全てじゃないって。お前綺麗好きだから掃除や洗濯すっげーマメじゃん。今時家事は夫婦で分担するもんでしょ』って感じで慰める俺! 言い忘れてたけど、綺麗好きであることも条件ね。 で、さっきの続き。 感動する彼女にポケットから小さい包みを取り出してさ、すかさずプロポオォズ! 彼女は感極まって泣いちゃう! あれ? いつの間にか理想の人から理想のプロポーズの話になってる(笑) ま、いいや。 とにかく俺は可愛いのが大好きだってこと。 シンプルにまとめると、綺麗好きで、性格が可愛くて、甘えてくれて、俺と合う人! これが、俺の理想の人なんです。
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「って、長々と語ってくれちゃったよねぇ…」 ここはトニセンの楽屋。 疲れたような顔の坂本くんに、長野くんが説明し終わったところ。 何年か前に長野君に訊かれて俺が語ってた、理想の恋人論。 「はぁ…」 ちょっとちょっと坂本くん、なんなのそのため息は。 「なんか、お前が長野に感情込めて語ってるシーンが面白いほど目に浮かぶよ」 失礼な。 あの時は結構本気だったんだから。 「すっごい熱かったよ。あの時の井ノ原」 「だろーな…」 長野君まで。ちょっとヒドくない? 「いいじゃん別に。俺はその理想通りの可愛いコちゃんを手に入れたんですからね〜」 バッタン!! 「いーのーはーらーくんっ」 大きな音をたててドアが開いたと思ったら、飛び込んで抱きついてくる子犬ちゃん。 「健ちゃ〜ん♪」 「待たせてごめんね? 一緒に帰ろぉ?」 ぎゅうっと抱きしめ返すと、まさに子犬のような目で見上げてくるのが可愛いよ。 「はいは〜い。じゃあ帰りましょ〜」 「うん♪ 坂本くん、長野くんバイバ〜イ」 「おー、また明日な〜」 「ってお前ら、その状態で外出んなよ…」 「あれ?」 どうやら俺は無意識のうちに、健をお姫様抱きにしたまま帰ろうとしていたらしい。 坂本くんサンキュー。 優しく健を下ろしてやると、ちょっぴり頬を紅く染めてはにかむ。 「またやっちゃったね」 ぺロッと舌を出して苦笑するその仕草は、まさに俺の理想の可愛らしさ。 「行こ」 軽く腕を絡ませ俺を誘導する。 理想の恋人に出逢えた幸福。 なら俺は二人めぐり逢わせてくれた神に感謝し、精一杯尽くそうじゃありませんか。 まばゆいばかりの笑顔で俺を見てくれる、愛しい人に。
END
なんか…ハイテンションなカップルになってしまった(汗)新作では久々の V6☆初のキリリクで、イノッチメインってリクエストだったのに、やっぱり健ちゃんが可愛い可愛い言われる始末…。お許しください。イノッチにはもう、健君に尽くして尽くして尽くしまくっていただきましょう。どうも私の中の井健って、お姫様とナイト(あくまでナイト。下僕ではナイ)というイメージが抜けないんですね。受を姫化しすぎなんですけども。だからイノッチをカッコ良く書くのが難しくて難しくて…。イノッチのファンからブーイングがきそうな勢いですよ。ゴメンナサイ。一応、健くんバージョンもあるので次をどうぞ☆ |