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秘書:初体験 4

 大方の予想通り、翌日、クラウドはベッドから下りることが出来なかった。
 どころか、一度してしまった故の暴走か、翌日も目が覚めるとクラウドは全裸にされており、既にクラウド自身はたっぷりと可愛がられている状態。
「ルーファウス様。俺……身がもちません……」
「大丈夫だ」
 しっかりと喉奥までクラウドをくわえ込んだルーファウスは、全身余すことなく愛撫を送り、クラウドを甘く鳴かせる。
「後ろは使わない」
 その通り、確かに後ろは使われず。
 代わりに――太腿の間を使われた。
 妙にこすりあわされるシンボル同士が艶かしくて、ルーファウスから感じやすいと言われた体はその通り感じまくり、何度も何度もミルクを搾り取られた。
「愛が痛い……」
 呟くクラウドに、ルーファウスは笑う。
「こらくらいついてこれないようでは、ソルジャーは無理だな」
「う……」
 確かにそうかもしれない、とクラウドは思う。
 セックスの最中、大抵動いているのはルーファウスの方なのに、何故かクラウドの体力が先に尽きてしまうのだ。
「俺、スポーツジムに通おうかな……」
 呟いたクラウドに。
「そんなところに行かずとも、毎晩のように運動に付き合ってやろう」
 楽しそうに言うルーファウスに、クラウドは、ちょっと困ったように笑ったのだった。

 結局、三日目四日目の二日間をゴールドソーサーで過ごして、残りはニブルヘイムで過ごすことにした。
 全国魔晄炉を回るのは無理だが、ミッドガルの魔晄炉で調査してみて、何もなかったら大丈夫だろう、との結論に至ったからだ。
 方々寄り道をしまくって、ニブルヘイムに着いたのは五日目の夜中。
 まだ身体がだるいクラウドを先に神羅屋敷で休ませて、ルーファウスは夜を徹して魔晄炉の調査を。
 結果。
「宝条が魔晄炉と私物化し、その結果で妙な噂が広まったらしい」
 とルーファウスが結論を述べた。
「そ、そうですか……」
「全く、魔晄炉を私物化し、実験に使うとはどういう了見だ。処分しないとならないな」
「そ、そうですね」
 怒り狂うルーファウスとは反対に、クラウドは何故か真っ赤な顔でもじもじしている。
 一体何事か、と尋ねると、クラウドが、数日前に到着していたらしい総務部調査課からの荷物を差し出してきた。
「危険物扱いになっていたので、開けてみたんです」
 クラウドは言う。
 確かに封が開いている。
 ルーファウスは中を覗き込んで――驚愕した。
 おかしい、確か自分は、適当に高価で荷物にならないものを頼んだはずだったのだが……。
 中は――。
「これって……」
「…………」
 一体何を考えたんだ、ツォン!
 ルーファウスは心中で叫ぶ。
 荷物の中身は、溢れんばかりの「大人の玩具」だったのだった。しかも、ご丁寧に潤滑油まで入っている。所謂、ラブローション。
 ルーファウスは中でも可愛らしいとうもろこしを取り出す。
 茎の部分にスイッチのあるそれ。電源を入れてみると、ぶるぶる異様な動きをする物体X。
「クラウド……」
 ルーファウスはそれを凝視したままハニーを呼ぶ。
「はい?」
「脱いでくれないか?」
「…………え?」
 まさか、な驚愕がクラウドを襲う。
「それ、使うつもり……」
 てんこ盛りの玩具。それだけあれば、七日間なんて平気で遊んで過ごせるだろう。
 ルーファウスは玩具を握り締めたままクラウドににじり寄り。
 嫌なんだけど、好きだからルーファウスには逆らえないクラウドは、必死には逃げたんだけど捕まって――結局、残り時間の全てを、神羅屋敷の湿気臭いベッドの上で、散々鳴かされて過ごすことになってしまったのだった。



 休暇(魔晄炉調査)が明けて――。
「お帰りなさい、副社長。ところで、クラウドは?」
「先に総務に寄るそうだ」
「総務に?」
 久し振りのクラウドとルーファウスの出社に、わざわざ迎えに出たエレノアは、やけに機嫌が良さそうなルーファウスに首を捻った。
 そして、総務部では……。
「ひ、酷いです……あんな、ものを送るなんて……」
 総務部調査課の主任室。
 クラウドは、ツォンの膝に縋って泣いていた。
「あの後……は、腫れて、大変だった……グス……ですからっ……」
 他人の目はなかったが、目の前でとても悲しそうに泣かれて、ツォンはオロオロしている。
「す、済まなかった。てっきりああいうものが必要だと思って……」
 説明不足の副社長が、何故適当に高価な荷物が必要か、ということが判らなかったツォンは、翌日に使用用途を副社長室に内線で尋ねた。
 が、その時にはもう、副社長は秘書一人を連れて魔晄炉調査に出たということで。しかも、電話応対してくれた第二秘書の言うことには、どうやらルーファウスは新婚旅行を画策していたらしい、とのことだったので。
 まさかとは思うが、エッチが苦手な副社長が、楽しいセックスライフを求めて、その道具を送れ、と言ったのかと勘違いしたツォンは、思い切り大人の玩具を送ってみた、というわけだった。
「ぜ、全部使われて……俺……もう……すっごく辛くて……」
「そ、そうか……本当に済まなかった……」
 さめざめと泣くクラウドは、確かに最後に会った時よりもかなりやつれてはいた。
 しかし……。
 ――綺麗になったな……。
 どことなく艶めいた表情に、仕草。
 好きな相手に愛される女性の輝きに似たものをかもすクラウドに、どうやら上手くはいっているらしい、と思考の端で思い。
「本当に、悪かった、次はちゃんと確認してからにしよう……」
 ポンポン、とクラウドの頭を叩いてしまう、未来の父親候補になってしまったツォンなのだった。


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