まんせいか8

 動かされると喘ぎ声が出てしまう。先輩以外の人にされても感じてしまう。だって今までにない刺激を受けてるんだ。四カ所全てを抑えられて、どうしたって感じるしかない。それにこの電車の、衆人の中っていうのもなぜか煽る。
 狼帝に抱きついたままもう一度昇りつめた。


「俺の他は感じないって言っただろう」
 ビクーッ、と身体が強ばった。我が耳を疑った。そして後ろを振り向くと‥。
 そこには虎王先輩がいた。
「まっ、俺だって、これだけで判ってたって言うんなら許してやるが」
 そう言って中に入ってるモノを動かした。
「今度は俺だぞ」
 狼帝が入れ替わって挿入する。
「冬哉君って色っぽいわねぇ」
 美姫さんが嬉しそうに言う。今度は先輩の手が俺自身に絡む。
「どっどうして‥せっ説明‥して」
 靄がかかる頭で聞いた。
「俺はお前を守ってやりたかった。虎王の手から。だけどお前があんまり色っぽい顔をするから、お前が悪いんだぞ。そそるんだ。誘われてるようで‥」
 狼帝はそれだけ言うと運動に熱中した。後を虎王先輩が引き継ぐ。
「俺は最初からお前を狙ってたんだよ。こうしてやりたくてな。少しずつ慣らしていくにはこれが一番いい方法だった。狼帝には、黙ってないと冬哉が便所がわりになるぞって脅しといた。俺は会計をやってるから部活をやってる生徒は自由になる。特にラグビー部は使い込んだりしてたからな」
 そうか、周りにいた人たちは先輩の息がかかってた訳か。
「俺の思ったとおり、お前は開拓されて、感度良好のこれが大好きな奴になった。狼帝の奴は凄く怒ってたんだが、だんだんとお前の姿に魅入られて、同じ事がしたくなったんだと。うちでしてたときも覗いてな、冬哉がしたいって言ってるのを聞いて我慢できなくなったらしい。まあ、二人で分け合うって事で話が付いたんだ」

 そんな、勝手にそんなこと。でも反論もできない。またイきそうになってるから。
「俺が卒業しても心配しなくていい。お前の安全のためにこいつは会計に立候補したんだから。安全と、今となっては快楽も保証する。まっ好きならほら、周りでよだれ垂らしてる奴らとすればいい。その代わり俺は引くぞ」
「いっいや」
「それならいい。狼帝とは許す」
 俺はまたまた精を放つ。

 もう終点だ。やっと強すぎて痺れまくった快感から解放された。

 痴漢の正体は先輩だったのか。だからどっちの電車に乗っても、うちの前を通るんだから解っちゃったんだ。単車で二つ先の駅に行ってたんだ。その時乗ってる人たちが協力して先輩を隠してたんだ。
 じゃあ、俺がこういう目に遭ってるってみんなが知ってるって事? 酷い。だけどもう今更言っても遅い。こんな体に慣らされてしまったから。
 もう一つ解らないことがある。

「美姫さんは?」
「ああ、美姫は俺たちのいとこだ。全部知ってて俺の作戦に付き合ってくれてた」
 えっ、じゃあ、あの痴漢っていうのも嘘なのか。
「いや、痴漢に遭ったのは本当だ。たまたまだけどな。俺の筋書きじゃ一目惚れすることになってたんだが」
 名字も偶然なんかじゃないんだ。先輩に似た雰囲気ってのも当然なんだ。

「これから毎朝楽しみだな。俺たち兄弟で悦ばせてやるからな。足りなかったらいつでもうちに来ればいい。二人でかわるがわる、入れっぱなしにしてやるよ」
 俺のモノがそれを想像してビクビクと震える。
 先輩は悪魔のようにささやくと、やっぱり悪魔のように笑った。


 俺はその日、さっそく都築の家まで行った。好きだなぁ、と言って先輩は迎えてくれた。
 先輩の部屋でいつもと同じように俺だけ裸にされていた。違うのはそこに狼帝もいることだ。
 俯せにされ、立て膝をして、お尻を高く突き上げる格好を強いられて、もうどれぐらい時間が経つだろう。
「先‥輩。もう、許して」
「何をだ。許さなきゃいけないようなことをしたのか」
「違っ。痺れて‥る」
 二人とも俺のお尻の前で座り込んでるのだ。そして何本か判らないぐらいの指が入り込んでいる。二人がかりだと手は四本、指は二十本もあるのだ。
 片手の二本ずつが入ってきて四隅を引っ張られた。これが初めにされ今も続いていて辛いのだ。
 思い切り広げられても、まだ一人に一つ手は残っている。先輩は楽に入るようになった穴に、長い指を二本入れて、一番感じるところを狼帝に教える。同じ所に狼帝も指を当てると俺の反応を見る。そうやってどこがどういう風に感じるのか、どうやってすると一番反応がいいのかをレクチャーしているのだ。
 何度許しを請うたかしれない。しかし俺の意見は聞いちゃくれない。本当に冷静に実験してる。一人で悶えてる俺は、ほんとに一人だけ淫乱の好き者、である。

「今日の周りの奴らの顔、やっぱり冬哉は危ないな」
「だから俺が言ったろう。たとえ俺が手を出さなくても、いつかこうなってたって」
「そうじゃないだろう。こういうことしてたからあんな顔になったんだろう」
「まっいい。またここでお前と議論するつもりはない。済んでしまったことだし、一番良い解決法だったろう」
 そっそんな話はその手を動かすのをやめてからにして。
「だが俺が二期会計を務めたとしても三年になったらどうするんだ。そうなると餌がなくなって狙われるぞ。しかも好き者だってばれてるしな」
 二人が真面目に話をしてる間も俺だけは声にならない声しか出ない。
「それは大丈夫。鷹神を呼べばいい」

 えっ、鷹神? だってそれってお父さんが考えてただけなんじゃ。
「そうか。あいつがいたな」
「その代わり分け前が減るぞ」
 あっああっ。先輩は入ったままの指で俺の弱い所を強く撫でる。同じ所に入ってる狼帝に指で合図したようだ。と言うことは分け前って俺のこと?
「あいつも好きかな」
「好きだろう。美姫だって相当気に入ってたんだぜ。あいつの弟が気に入らないわけがない。来年には入ってくるんだから、なんならお前は中学の時と一緒で会長を狙えばいい。向こうに行くには箔がいるんだろう。で、鷹神に会計をさせる。完璧だな」
 そっか、鷹神って名前、使ってたんだ。んっ、でも待って。勝手に俺のことまた分けてる。三人になるわけ?
「三年になったら龍将(りゅうしょう)も入ってくるし、いくらでも方法はある」
「まっ‥待って。四人に‥なるってこと」
 いくら好きでも体が持たない。
「嬉しいだろう。兄弟二人ずつ、四人がかりで、はめっぱなし。ほら、想像してるだろう。ここがヒクついてるぞ」
 そんなこと‥でも身体は期待に溢れてる。
「虎王がこんなにしてしまったんだぞ。お前責任とれよな」
「だけどいずれお前がしてるだろう」
「そんなことない」
「おっ、お願い‥だから、抜いて」

 虎王先輩達は喋ってる間中、俺の中で好き勝手なようにしていたのだ。俺の方も何度か勝手に漏らしてしまった。
「ここで目一杯焦らすと、冬哉は自分から入れてくれってねだってくる。なかなか可愛いぞ」
 また激しく動き出した。
「そっそんな。んんっ、もう‥やっ止めて」
 俺の言葉を聞くと動きが止まる。
「止めていいのか」
「ちっ違う。入れて、入れっぱなしに‥して」
「よし、可愛いからご褒美に入れてやろう。冬哉は、男でも正常位っていうのかどうか知らんがこれが好きなんだよな」
 指は入れたまま身体をひっくり返される。俺の中で捻れて痛い。でも先輩はいつもなんか塗ってくれるのだ。それのせいで滑りが良い。
 両足をひざが肩につくぐらいに倒される。

「まず、俺からいくぞ。狼帝はそこから頭でも入れて舐めてやれ。冬哉の乳首は感度が良い。嵌めてる最中だと食い千切られるかと思うぞ」
 先輩はやっと指を抜いてくれた。つかの間の自然体でホッとする。しかしすぐにまた伸ばされた。先輩のモノが入ってきたのだ。
 狼帝は先輩に言われたとおり、俺の脚の下に頭を入れ、乳首を口に含んだ。
 ひゃぁっ‥。頭のてっぺんから声が出そうになる。なま暖かい口の中で軟体の舌に嬲られるともの凄くいい。もう一つも指が弄くる。
 先輩も中と俺のモノとを虐めてくる。
 ああもうすぐにでもイっちゃいそう。こんなに感じさせられて良いんだろうか。これから通常の生活ができるんだろうか。

 身を捩り、悶え、一人裸にされ、喘ぎ続ける。虎王先輩と狼帝は二人がかりで、俺のそこが締まることの無いようにしてくれた。
 済んだ後もきちんと閉じないほどに。
「これだけしたら、無理に電車の中でしなくても良いだろう」
 先輩はニヤニヤしながらまた意地悪なことを言う。判ってるくせに。誰にそんな風にされたと思ってるの。あそこで覚えたんだから、それにあの中でするのはまた格別なんだから。
「先輩だって好きなんでしょ。痴漢」
「こいつ、もうしてやらないぞ」
「いやっ。して下さい」
 狼帝は少し呆れ顔だったが、自分も参加するのだから何も言わなかった。

 次の日も、その次の日も二人の手に掛かる。きっとこれ以上の快感はないだろう。もう、のがれられないのだ。この身体が欲している限り。
 嬲られ、弄ばれることがこの上ない悦楽になる、こんなになるまで慣らされるなんて。
 俺はこれから毎朝犯されるために電車に乗る。そして都築の家も絶対に行くだろう。
 この法悦に浸り続けたいから。

終わり

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