制服2

「冬哉。そのうち‥どっちにしろ俺たちは、今までのようにベッタリとは一緒にいられない。少しずつ慣れていかないとな。でもそれは離れてしまう訳じゃない。自分のやることが確立してそのために費やす時間が増えると言うことだ。大人になれば仕事が生活の大部分を占めるだろう。会うのはたまにになるだろう。それでも俺たちの関係は変わらない。それを信頼と言うんだ。互いに信頼していれば不安に思うことはない」
「俺、先輩に思われてるって信頼していいの?」
「ああ、それはどんなことが起こっても変わらない。俺は冬哉をいつでも大事に思っている」
「狼帝よりも?」
「難しいことを聞くな」
「俺も‥先輩の弟になれればいいのに」

 先輩と狼帝は俺たちが中学3年の時から何故か表面的には仲が悪くなっていた。まあ、それまでも狼帝は先輩を意識しすぎて固くなっていたような気もするんだけど。先輩の方はそう言う狼帝の態度は全く気にしていない。昔っから狼帝のことを可愛いと思ってるのだ。

「弟になったらこんなことは出来ないぞ。いいのか」
 先輩の指が俺のモノを撫でる。ぞくりと背中がしなった。
「いっイヤ」
「それなら今のままでいいだろう」
「う‥うん」
 なんだか上手く言いくるめられたような気がする。結局先輩は弟と同じように思ってるから安心しろ、と言ったのだろうか。俺がずっとこうやって甘えていてもいいと言ってるのだろうか。
 でもそれなら凄く嬉しい。これから一人で生きて行かなくちゃならなくなったときに、先輩が居てくれると思ったら、とても力が出そうな気がした。

「うん、俺先輩が居なくても頑張るよ」
「冬哉は賢いな」
 先輩はそう言って俺の肩に顔を寄せた。

「せっ先輩?」
 先輩の唇が肩に触れチリッと痛みが走る。
「すぐに消えてしまうが俺との名残だ」
 それは一つではなく首筋からもう一方の肩までいくつか付けられる。
「冬哉が一ヶ月の間忘れられないようにしてやる」
 断言されて期待でよりいっそう身体が燃え上がった。

 肩と鎖骨にキスマークを散りばめると、先輩は体勢が悪いと俺を起こす。自分も立ち上がるとベッドに腰掛けようとした。
 今日の俺は1ヶ月も先輩に会えないと言うせっぱ詰まった理由があるので強気だ。先輩にズボンとパンツも脱いでと言ってみる。
 先輩はなにも答えずにニヤリとし、素っ裸になってくれる。

 先輩の身体は綺麗だ。機能美の集約と言えばいいのか。マジに男の身体の理想かもしれない。そのままそこに立たせておいて拝みたい。いや、この筋肉‥触ってみたい。
 腰を掛けた先輩のモノはまだダラリと垂れ下がったままだったが、それでも充分に大きかった。この身体にこの一物。一度見たら、一度味わったら、どんな人間だって忘れられないだろう。女の子だけじゃなく男だって。
 まあ、先輩が男の相手をするのは今は俺だけらしいけど。前は笹原さんって人の相手もしていたらしい。笹原さん、先輩のこと‥やっぱり忘れられなかったのかな。

 身体に見惚れていたら手を引っ張られた。先輩と同じ方向を向いて先輩の足の上に跨がらせられる。
「冬哉‥」
 先輩は今までに聞いたことがない甘ったるい声で俺を呼ぶ。それだけで俺はゾクゾクする。そして名前を呼びながら肩口に唇を這わす。これまで何回となく先輩には抱かれてきたが、こんなふうにされたことはない。
 まるで愛情を見せつける恋人のような愛撫に俺はとろけそうになる。
 先輩は抱き締めた腕を移動させ、足の間のモノと胸の中心のモノを触る。

「‥ぅんっ‥」

 そっそれだけでイってしまいそうになる。先輩はどんな顔をしているのだろうか。ニヤリと口の片端で笑ったいつもの顔で、こんな愛撫も出来るのだろうか。
 先輩は肩と首筋を舐め、俺の弱い耳まで舐める。

「ひゃっ‥せっ先‥輩」
 身体がくすぐったさに縮み上がる。なのに胸を強く擦り潰されて身体が仰け反った。
「ああっ‥ん」
 もうそれだけでもかなり一杯だったのに、硬くなったモノを速度を上げて扱かれる。
「あ‥ああっ‥」

 いつもと違う雰囲気で、愛撫と呼んでもいい行為で、外からだけの刺激ではこんな短時間でイくことは最近無かったのに、あっさりとイきそうになる。
 俺が必死になって快感を堪えていると先輩は足を開いた。
 先輩が足をちょっと開くとそれに跨っている俺は股間を全開にして晒すことになる。

「やっ‥ヤダ‥」
 恥ずかしくて抵抗した途端、俺のぶら下がっている袋がグッと持ち上げられた。下から先輩のモノが迫り上がってきたのだ。
「何がイヤなんだ」
 耳のそばでそう聞かれて返答に困る。
「だっだって‥。恥ず‥か、しい‥」
 中心を扱く速度は変わらなくて、下からは先輩のモノが擦り付けられて、俺の身体は充分に高まってブルブルと身震いをした。

 もう‥イっちゃう‥。

「こら、まだ早いぞ」
 先輩はそう言いながら俺のモノの根元を掴んで締めた。
「やっ‥先輩っ‥、イきたいっ」
 思わず俺は先輩の腕を掴んで引き剥がそうとした。下からの先輩のモノは一段と大きくなる。
 先輩‥俺が抵抗すると萌えるんだ。だからいつも意地悪するんだ。

「冬哉、見てみろ」
 先輩はタンスの前面に張ってある鏡をアゴで指す。ちょうど真向かいになったそこには中心を開いて晒している、はしたない俺と、その俺の下の口を隠している先輩の大きなモノが写っていた。
 やっやだ。こんな所に写ってたなんて。
「俺のこれはお前の態度一つでこれだけ育つ。そしてこれがお前の中に入っていくんだ。想像してみろ」
 こっこんな大きいものがいつも俺の中に入っていたのか。本当に入るのかと疑問に思うほど先輩のペニスは大きく、そそり立っていた。そして先輩の言う通り想像すると、すぐにそれが欲しくなった。

「ぅん‥先輩‥入れて」
「急かすな。時間はたっぷりある。俺は冬哉がイきたいだけは付き合えないからな」
 今にもイきたい衝動が少し収まったのを先輩はみてとる。そして俺を膝から下ろしベッドへ寝かす。腰までだけがベッドの上に乗って足は床に着く。先輩はその俺の足を思いっ切り開くと、間に身体を置いた。すると先輩に腰を突き出す格好になる。

 先輩は潤滑剤を取ると俺の下の口に塗った。そしてその指はそのまま中へつるりと侵入した。
「あ‥ぁんっ‥」
 ペニスへの直接的な刺激よりも鈍いんだけど、でも焦点が合ってないだけで実はそっちよりもきついんじゃないかと思える中の感覚はじんわりと浸食してくる。指の本数はあっと言う間に増え、硬くなった先端からはひっきりなしに涎が吹き出す。
 耐えられなくなって自分で自分のモノを掴んだ。狂おしいようなこの状態から早く抜け出したかったのだ。

「冬哉。これから自分で全部やるか」
「だって‥先‥輩」
 少し怒った先輩の口調が俺の手を引っ込めさせる。いつまで我慢すればいいのだろうか。お願い。俺はイきたい。
 すると先輩は俺のモノを銜えた。気持ちの良さに腰がガクガクする。これでイける、イかせてもらえる、そう思ったのに。
 先輩はやっぱり意地悪だった。片手は下の口に突っ込んだままで、もう片方で根元を堰き止めたのだ。

「やんっ‥先輩っ」

 きっとこの世で一番気持ちのいいこと。それを俺のモノは味わいながら、一番苦しいことも同時に味わっているのだ。
 ペニスからは先輩の舌が絡み付き、ざらついたそれでいて柔らかいぬめりが堪らない感触で、興奮の絶頂が身体中に広がる。中からは巧みな指が前立腺を嬲り続け、神経全てが性感帯になったような気分にさせてくれる。
 こんな苦しいくらいの快感をくれておいて、なのにイかせてくれないのだ。

「あっあああっ‥はぁっ‥ぁあっ‥」

 イきたい‥。気持ちいい‥。
 イかせて‥。堪らない‥。

 このままずっと快感を味わっていなくてはならないのだろうか。神経が耐えきれなくて焼き切れるような気がした。
 身体中をビクビクと震わせ、両手はシーツをしっかりと握りしめて、逃がしきれない刺激を耐える。
「先‥ぱ‥い。あああっ‥。もう‥も‥ダメ。あぅっ‥耐え‥ら‥れ‥ない」

 何度も何度も先輩に許しを請う。もう先輩を蹴っ飛ばしてでもイきたい、そう思ったときようやく先輩は堰き止めていた指を緩めてくれた。

「ああっ‥あぅ‥くぅん‥ぅん」

 息を止めて吐き出すことだけに専念する。焦らされて焦らされて、溜まったモノは痛いくらいの勢いで何度でも飛び出した。
 この瞬間、頭が真っ白になって自分を惑わすものが何もなくなって、ただこの空間に俺という人間がいる、そんな感じになる。ずっとこのまま天に昇った快感のままでいたい。
 しかし吐き出すだけ吐き出してしまうと、身体は終わりを告げ、グッタリと脱力してしまう。
 腹に飛び散ったモノを先輩はティッシュで綺麗にしてくれる。

「冬哉、もう終わりでいいか」
 先輩はまたそんな意地悪を言う。
「先輩、意地悪。今日はまだ一回しかイってないけど‥もう‥入れて」
 俺の両足をグッと前に押し倒すと、先輩はズイッと俺の中に入ってきた。

「あぅ‥」

 大きなモノの圧迫感に身体が悲鳴を上げる。それでも中にすっぽりと収まってしまうと、何故だか安心する。先輩を取り込んだ自分、かなり好きかもしれない。
「動くぞ」
 先輩の合図で俺は自分で自分の足を持つ。先輩は片手で自分の体重を支え、もう片方で俺のモノを扱く。そして動く。
「先‥輩‥」
 圧迫感と疼きと両方がごちゃ混ぜになって俺を襲う。裸の先輩の素肌が俺に触れる、それだけで触れた所が熱くなる。二人でするエッチは余りないし、久しぶりだったけど、他から手が出ない分、少しだけ俺にも余裕があった。
 パンパンと肉の当たる音を聞きながら、快感を貪りながら、先輩の顔を見た。

 あうっ。その顔を見ただけで充分に俺はイけそうだった。

 先輩は少しだけ眉を寄せ、下手をすれば苦しそうとも言える表情でいた。それでもほんの少しだけ上気した頬と、いつものように片端だけ上がった唇とで先輩だって気持ちがいいんだって分かった。
 それは男の色気と言えばいいのだろうか。整った顔から、整った身体から、フェロモンが大量に発散されていて、どんな人間でも骨抜きになると断定できた。

 こんな顔は俺しか見れない。俺は何故か図々しいけれどそれだけは確信する。
 いつもの先輩のオーラが色香で霞んで見えた。
 俺は自分の足から手を放し、先輩の首に抱きついた。

「ああっ‥先‥輩‥。大好‥き」

 先輩は少し汗ばんだ顔でニヤッと笑った。
 俺はそれからすぐ二度目に達してしまった。先輩はその俺を確認するようにちょっと遅れてからイった。

「あと二回くらいは頑張るか」
 俺はそう言う裸の先輩にしっかりと抱きついて、滅多に体験できない肌と肌の触れ合いを感じた。
 先輩の言う通り、とうてい忘れられないセックスだった。
 そしてセックス一つで先輩が俺を思ってくれてると信頼できてしまった。それほど先輩は優しく、肌の触れ合いって違うんだなぁって思った俺だった。

 翌日、俺は笑顔で先輩を送り出すことが出来たのだ。

 先輩、頑張ってね。離れていてもちゃんと応援しているよ。
 そして俺だって先輩に心配かけないよう頑張るからね。

終わり


 siesta様閉鎖に伴い、こちらにアップしました。粉雪様のサイトオープン祝いだったのですが、リクは『冬哉くんと虎王先輩、BL王道ラブラブ、肌と肌の触れ合い』でございました。(笑)
 ラブラブというのがこの私に書けるものかと、とても不安でしたが、攻めの気持ち良さが分からないと言われていたのでそこら辺も入れた所、そちらに感動してもらえたので(笑)、良かったかな‥と。(爆) 先輩のしてる所の表情の描写はこの話ししかないかと‥。
 本当にファンサイトを運営して下さっていたときは幸せでございました。また裏の方でお世話になることもあると思いますが、これからもよろしくお願いします。
 粉雪さん、リクエストどうもありがとうございました〜vv

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