「セントラルに来るの、久しぶりだよね!兄さん…」 アルが俺に話しかけたけど、俺は上の空で聞き流していた。 中央行きの列車に乗り込んだ俺たちは、座席から窓を眺め、久しぶりの風景を眺めていた。 旅先での石の情報はガセネタで、結局は無駄足だった訳で… その気落ちもあったんだけど、本当の原因はそんなことじゃない。 中央駅について、荷物を迎えの車に乗せる。 「アル!お前は先に宿舎に行ってろ!」 「兄さんは?」 「俺はちょっと寄る所があるから…」 アルがじっと俺のほうを見る。やだな… こういう時は、絶対何か的を得た事を言うんだ… そして俺は何も言い返せなくなり、逆に怒ってしまうんだ。 アルは悪くないのに… 「また、大総統に会いに行くの…?」 ほら…やっぱり… 「いいだろ!アルには関係ない!」 「大佐との事で?」 「余計な事聞くな!俺達の事は俺たちで解決する!」 あぁ…またやっちまった… 心では怒らないようにって思っていても、つい怒鳴ってしまう… ゴメンよ、アル…でも、俺、今とっても不安なんだ… この不安を解消してくれるのはあの人しかいないんだ… 「と、とにかく!アルは先に行ってろ!」 バタンとドアを閉め、アルの乗った車は発進していった。 俺は車が走り去っていくのを見送ると、いそいそと駅近くの高級ホテルへと足を向けた。 昨日の夜、朝一番の列車に乗る事を電話で伝えてある。 早く会いたい… 会ってこの不安を拭い去って欲しい… ホテルの最上階。いつもの部屋。 支配人とも顔見知りになって、俺の姿を見つけるとすぐに別の通路から最上階に連れて行ってくれる。 一般のお客とはそこでは絶対顔を合わせる事はない。 はやる気持ちを抑えて、扉を開く。 「やぁ、久しぶりだね…」 窓際に立って、ゆっくりとこちらを振り向く。 穏やかな午後の光が差し込んでいて、表情がよく見えない。 でも、その優しい声から察すると、きっと笑っているに違いない。 俺は思わず駆け寄って、その人に抱きついてしまった。 この国の最高権力者…大総統、キング・ブラッドレイに… 「どうかしたのかね?何だか辛そうだよ?」 「うん…会いたかったんだ…」 俺の頭をそっと撫で、優しい言葉をかけてくれる。 いつもなら、子ども扱いする奴には烈火のごとく怒ってやるんだが… なぜかこの人にだけは素直になれる。 大総統は俺の顎を掴み、唇を奪う。 俺は首に手を回し、そのキスに応える。 教えて貰ったキスの仕方。 互いの舌を絡めあい、欲望を引き出させる… 「大分上手くなったね。キスだけで私もドキドキしてくるよ。」 褒められて俺はとても嬉しくなった。 この人に褒められるのは本当に心地よいものだ。 褒めて貰いたくて、一生懸命覚える。 その技を大佐で試す時は、いつもあなたが傍にいる感じがした。 俺はもう我慢できなくなって、自ら服を脱ぎ始める。 大総統の軍服のボタンも外そうとすると、その手をそっと握り締められた。 「何で?今日は駄目なの??」 「まさか…そのつもりで来たのであろう?ただ、急ぎすぎるのはよくない。」 指摘されて俺ははっとなった。 そうだった…ゆっくり、愉しみながら脱がせあうんだった… 「ごめんなさい…ごめんなさい…」 俯いて、泣きそうになりながら、大総統に許しを請う… 大総統は握っていた俺の手にそっとキスをして、俺を抱きしめた。 「何かあったんだね。大丈夫。私がいるではないか…」 優しく撫でながら、キスを交わし、俺の服をそっと脱がせ始めた。 俺は黙ってされるがままに身を委ねる。 首筋に唇の感触を感じ、身が震えだす… 背中にシーツの冷たさが伝わってきた時、俺の眼から涙が零れ落ちた。 驚いた大総統がその涙を拭い、「どうした?」と心配そうに聞いてきた。 「何でもない。何でもないから、早く抱いて!」 叫ぶように懇願すると、大総統は静かに笑い、そのままその行為を続けた。 To be continues.
レッスン2に入る前に、エドたん、しっかり大総統と予習をしていました!
これはそのお話!ちょっとラブラブブラエドになっちゃいそうです!