レッスン2〜予習編〜 2
一通り愛された後、俺は心がかなり落ち着いていた。
大総統は行為を終えた後、決まってすぐシャワーを浴びに行ってしまう。
でも今日は違った。
終わったあともずっと俺の傍で髪を撫でてくれている。
それがとても心地よくて、俺はうっとりとこの人の顔を眺めていた。
「さて…そろそろ話してくれないものかな…」
「え…?」
「君がこんなにも弱々しいはずがない。本来君は上に立つ側なんだからね。」
俺が困惑気な顔で見つめていると、大総統はふっと笑って俺にそっと口付けた。
「マスタングと何があった?君をこんなに不安にさせるような事をあやつはしたのかね?」
「ち、違うよ!大佐は悪くない!」
「そうだ」といったら、すぐにでも銃殺してしまいそうなくらいの威圧感で俺に問いただす。
「大総統に教えて貰ってから3ヶ月ほど経つけど、まだまだ上手く行かなくて…」
俯きながら、俺は今まであった事を皆話した。
教わった通りにやれば、大佐は俺の中で乱れてくれる。
俺もあの人も満足しているはず…
なのに俺の中に広がる言い様のない不安…
『本当に満足してくれているの??』
『俺はちゃんと出来てる?大佐が無理をしていない?』
『俺の事、飽きてしまってない…?』
あの時言われた大佐の一言が、俺の心の中に重く圧し掛かっているんだ…
「なるほどね…よく分かったよ、エドワード君。」
「俺、どうしたらいい…?」
「大丈夫、よくあることだ。これは倦怠期だね。」
「倦怠期?」
俺がきょとんとした顔をしていると、大総統はベットから出て、どこかに電話をかけ始めた。
「大総統?どこに電話してるの?」
「まぁ、安心したまえ。君の不安を解消してあげよう。」
それには少し時間がかかるから、一緒にお風呂に入ろうと、俺を誘ってくれた。
俺は喜んで一緒にバスルームへと向う。
大佐は絶対一緒には入ってくれない。
『俺が後処理してあげる!』って言うと、顔を真っ赤にして「駄目だ!」と断る。
俺は大佐と一緒に入りたいのに…何を恥ずかしがっているのさ…
ベッドではそれ以上の痴態を見せる時もあるのに…
バスルームでシャワーを浴び、お湯でいっぱいになった湯船に二人で入る。
大総統が俺の中にまだ残っている自分の精液を掻き出す為に、俺の両足を抱え込む。
「あっ…」
まださっきの余韻が残ってた俺は、その格好だけで感じてしまう。
「くすっ、まだ何もしていないのに感じてしまったのかね?厭らしい体だ。」
大総統が笑いながら俺の中に指を入れ、掻き乱していく。
「やぁ、んん…」
俺は大総統の首に腕を回し、貪欲に唇を奪う…
片手で俺を支え、もう片方で俺の中をかき回す。
俺の体は再び熱を帯び、中心にあるものはしっかりと自己主張していた。
「お願い…大総統…」
「やれやれ…君は本当に淫乱だね。大佐はさぞかし扱いに困っているだろう…」
困ってる…?
俺が…?困らせてるのか…?
大総統のその言葉に俺が顔を強張らせていると、いきなり腰を掴まれ貫かれた。
「んぁあああ!」
「君が悪いんじゃない。大佐が君の扱いを知らないだけだ…」
背中をさすりながら、俺の心をなだめる様に俺を上下に落としていく。
その度に大総等のモノをキリリと咥え込み、俺の快感を引き出していった。
「駄目…また、俺の中で…したら…」
「ふふっ、これでは堂々巡りだね。」
大総統は俺の中から自身を引き抜き、俺の目の前に差し出した。
「さ、上手に出来るかな…?レッスンの成果を見せておくれ。」
俺は迷わずそれを口に含み、教えられたテクニックで大総統を悦ばせようと必死だった。
「ん、ふっんん…」
「そう…上手くなったね。これなら大佐も悦んだだろう。」
上手くなってる?本当?良かった…
大佐も悦んでくれているのかな…
大総等が俺の髪を掴み、自身を更に奥へと押し込んでくる。
イク時の合図…俺は舌を使って精一杯奉仕する。
ゴフッ…
「う、ゴホッ、ゴホッ…」
「ん?まだ慣れないのかね?それとも、私のは飲めないと…」
「ち、ちがうよ!あんまりにも沢山だったから飲みきれなかっただけ…」
大総等が静かに言い放つ。その静けさがこの人の怒りを表している。
怒られる!そう思ったら、また俺の眼から涙が零れ落ちてきた。
「あぁ…すまなかった。つい、君を責めてしまったね。大丈夫。私は怒ってはいないよ。」
俺の頬の流れる涙を拭い、そのまま抱き寄せる。
その胸の心地よさに俺は静かに眼を閉じる。
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴り、誰か来た事を知らせる。
俺は慌てて風呂から出ようとした。
大総統が俺とこんな事をしているのを誰かに見られたら、それこそスキャンダルだ。
この人の進退にも関わってくる…
「心配しなくてよろしい。さっきの電話の相手だよ。」
大総統はにっこりと笑い、ガウンを羽織ってバスルームを出て行った。
電話の相手…?誰だったんだろう…
俺も後に続いてバスルームを後にする。
部屋に戻った時はもう誰もいなくて、大総統一人だけがベット脇のテーブルでワインを飲んでいた。
グラスがもう一つある。俺の分かな…
「さ、おいで、エドワード君。いいものを君にあげよう。」
「いいもの?そのワインの事ですか?」
「ふふっ、まぁ、そうなるかな。さ、このワインを飲んでごらん?」
俺はわけも分からず、赤ワインをグイッと飲み干す。
お酒はあまり強いほうじゃないけど、ワインぐらいならこの程度なら大丈夫…
「飲んだよ?」
「よろしい。かなり即効性があるからすぐに効いて来るはずだ。」
即効性?そんなに強いワインじゃなかったよ??
熱い…
あれ…?体が火照ってくる…
「大…総統…?」
「効いてきた様だね…くくっ、さっき来た者は軍内部でもあまり知られていない毒を扱う部署の者だ。」
「ど…く?」
ハァ、ハァ…
苦しい…
体の中がジンジンと疼いてくる…
「ワインの中に、催淫剤を混ぜたんだよ…君が更に乱れるようにね…」
薬…?何の薬…?
何も考えられない…
今はこの疼きをどうにかして欲しいだけ…
俺はベッドに寄りかかっている大総統に急いで近づき、首にしがみついてキスをねだった。
だけど、大総統は俺の腕を取り払うと、俺をベットに残したままそばの椅子に深々と座ってしまった…
「大総統…?」
「ふふっ…エドワード君。ちょっと代わった事をしよう。さ、自分でやって見せなさい。」
「え…?」
「聞こえなかったかね?自分でヤルところを私に見せなさいと言ったのだ。」
「やるって…」
自分でイッてみせろって言うのか?
何でそんな事…
「ちゃんとできたら、君を抱いてあげよう。それまでは私は君に触れる事もしないよ?」
嫌…だ…嫌だ…!今すぐにでも抱いて欲しい!!
俺はガウンの前をはだかせ、しっかり立って先走りすら流れ出している俺自身を掴み取った。
「ふっんん、はぁあああんん…」
恥ずかしいとか…プライドとか…
何もかもが吹き飛んでる…
早く触って欲しいから…
早く貫いて欲しいから…
俺は自分自身を慰める。
最愛の人を思い浮かべながら…
To be continues.