理想家族  9



甘いひと時が過ぎた翌朝、海堂は身体の痛みで眼が覚めた。

寝返りをうとうにも、だるくてろくに動かせない。


今…何時だろう…
そうだ!学校!柳さんと乾さんは!?

思わず飛び起きようと身体を起こす。
が、余りの腰の痛さにそのままばったりと倒れてしまった。

「薫!!大丈夫か?」

ドアの傍に飲み物を持って立っていた乾が、慌てて海堂の傍に駆け寄った。

「…っ、大丈夫っス…」
「まだ起きちゃ駄目だ…無理しないで…」
「でも学校が…」
「馬鹿だな。そんな身体で学校なんて行ける訳ないだろう?」

ゆっくりと海堂をベッドに寝かせ、持ってきた水をそっと飲ませた。
ゴクゴクと飲んだ後、一息ついて海堂は乾に話しかけた。

「…乾さん…仕事は…?」
「今日は休み。こんな状態の薫を放っては置けないでしょ?」
「蓮二はどうしても抜け出せない会議があってしぶしぶ会社に行ったけどね。」

冷たく絞ったタオルをか海堂の額に押しあてる。
火照った身体にそれはとても心地よく…
海堂は静かに眼を閉じる。


「ゴメンな…俺達が無茶しすぎたみたいだ。」
「いいえ…俺、とっても幸せっス。」
これで柳さんと乾さんの仲に入る事が出来た…

本当の家族に一歩近づけた…

乾は海堂の額をそっとなで、そして唇を落とす。
海堂は腕を伸ばして乾を引き寄せ、自ら口づけを交わしていった。
触れるだけかと思ったら、どんどん中まで舌が進入し、乾の咥内はあっけなく陥落した。

絡みつく様な舌の動きに、流石の乾も焦りだす。

「だ、駄目だよ薫。今はゆっくり休まないと…」
「あっ…乾さん…俺…まだ身体が熱くて…」
どうしていいのか判らなくて…

乾は離れようとするが、海堂はぎゅっとしがみ付いて離れない。
何処で覚えたのか、乾の耳元に甘い吐息を吹きかける。

あ…乾…さん…

そう囁かれてはもう止まらない。

乾はシャツを脱ぎ捨て、海堂のパジャマの前を乱暴に開いた。


露になった肌にところどころ赤い跡。
それは昨日乾と柳が着けた家族の証。


乾はその跡をなぞる様にキスを落としていく。

「あっああ…」
「昨日の事・・・思い出す・・・?」
「乾…さん…と柳さん…が…着けてくれた…」

身体をくねらせて反応を示すと、乾はにやっと笑いながら海堂の中心へと舌を這わせていった。
そこはすでに自己主張をしていて、乾の舌を誘う様にフルフルと震えていた。

「もうこんなになってるよ、薫。君は本当に淫乱な子だ。」
「乾…さん…早く…俺もう…我慢できない…」
「いけない子だ…薫は…」
俺を本気にさせた…

海堂自身を口に含ませ、優しく愛撫を繰り返す。
後孔は慣らす必要がないくらい濡れていて、乾の指もすんなり受け入れた。

まだ熱が残っているのか、中は昨日の夜よりも熱く感じられた。

「熱いよ…薫。お前の中はとても熱い。」
「乾さん…の…欲しい…早く…」
首に抱きつき、腰を押し付け、海堂は淫らに乾を欲した。
もうどうしていいのか判らないほど、海堂はこの快楽に陶酔していく。

今まで味わった事のないこの感覚。
久しく与えられなかった愛情。

一つに繋がった時、今まで生きてきた中で一番の幸せを感じた…

乾さんが好き。
柳さんが好き。


二人に愛されている時が至福のひと時…


乾が海堂の中に自身を突き入れた時、海堂は安堵感に包まれた笑顔で乾を受け止めた。

「あっああ!!乾さん!」
「薫!愛しているよ!薫!!」

ズッ、ズッと抽出を繰り返し、その快楽を分かち合う。
大きく開いた足の中心にはその幸せを象徴するかのように、陰茎からひっきりなしに液を流し続けていた。

「乾さん、もう!!イク!」
「俺も限界。一緒に行こう。」
グンと一突き、海堂の中に押し込むと、海堂もビクンと身体を震わせ、小刻みに痙攣をし始めた。

「ああああ!!!」
「んっく…」
乾が海堂の腰を掴み、最奥のポイントに押し込める様に突き上げ、そしてその中にすべてを注ぎ込む。
その反動で海堂も頂点に達し、白濁の液を放出した。


「乾さん…」
「薫…あぁ、凄く綺麗だ、薫。」
解放されたお前の顔。俺だけの物にしたい。

乾はその後も何度となく海堂を抱き、その度に海堂は身体の芯まで快楽に浸された。
そして何度目かの射精をした後、そのまま意識を飛ばしてしまう。

海堂の体の中には、もう一滴の精液も残されてはいないだろう。
そして乾も、今まで味わった事のない充実感に浸っていた。


「こんな事は初めてだな。」
海堂の髪を優しく撫でながら、乾はその横で眠りに付く。



俺一人で薫を抱いた事を知れば、蓮二が怒る確率は100%…


抱くなら一緒に、が俺達の暗黙の了解。
それが蓮二が俺に示した条件の一つ。


俺の…女役の限界を解消する為だけだった筈なのに。



こんなに愛しいと思ったのはこれで二度目。

「愛してるよ、薫。」
心から愛してる。



この行為がトラブルを引き起こす原因となる事を、3人はまだ知らなかった。



To be continues.








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