ゲームを征する者〜Second stage〜  1          



        海より参りし獅子の名の下に…



        力を制する者は我と思わん者は戦士の魂の眠る墓に集うべし。



        月の女神が最後に立つ者を照らす時、



        美しき焔を手に入れる事が出来るだろう。

        



        





        





        「何だ…?これは…」





        東方司令部の掲示板に張り出された一枚の紙。

        その紙を見ながらハボックはタバコを取り出し火を着けた。



        「あ〜ハボック少尉、ここは禁煙ですよ?」

        「いいじゃないか!今は煩いホークアイ中尉もマスタング大佐もいないんだからさ…」

        フュリー曹長が呆れ顔で再び掲示板に眼を向けた。

        一字一句、そこに書かれている言葉を読み上げる。



        「一体何なんでしょうね?これ…」

        「さぁな…今朝来たらいきなり貼り出されていた。何かの宣伝か?」



        大体海に獅子がいる訳ないじゃん。戦士の魂が眠る墓って何だ?イシュバールの兵士の事か?

        美しき焔って??今は電気もあるから別に火を貰っても…





        「…?ハボック少尉?」

        いきなり立ち尽くしたハボックを不思議そうに見つめる。

        暫くの沈黙の後、ハボックは大きく手を叩いた。



        「成る程!!そう言う訳か!!」

        「は?どう言う訳なんですか?少尉…」

        「いや、別に何でもない。俺は今から休暇を取って来る!後宜しく!」



        そう言い放ち、ハボックは慌てて司令部内を駆けて行った。













        その怪文書はすべての司令部に配送されていた。

        消印は中央から。だが誰が送ったものかはわからない。

        だがその封印には大総統府の紋章が押されてあり、掲示板に貼る様指示も書かれていた。





        受け取った各地の将軍は不審に思いながらもその封印を無視する事は出来ず、指示に従いこの文面そのものを

        掲示板に張り出したのだった。



        北、南、東、西。すべての軍人がその文章を眼にした。



        勿論中央司令部にも貼り出され、ヒューズもアームストロングも知る事となった。





        「あーあ…また巻き込まれた様だな…」

        「は?何の事でしょう?中佐。」

        「いや、別に。仕方がない。俺も参加するか。」

        「中佐殿?」

        「お前も参加するといい。アームストロング少佐。腕に自信はあるんだろう?」



        きょとんとする少佐を後に、ヒューズは笑いながらそこを後にした。

        やれやれ、災難だなぁ…あいつにとっては…





        美しき焔の錬金術師、ロイ・マスタング大佐にとって…











        「へぇ!!いい具合に文章まとめたじゃん。さすが年の功だね、大総統。」

        「年の功とは失礼だな、エドワード…」





        ふかふかのベッドでゴロリと横になって一枚の紙を見つめている。

        一糸纏わぬその肌に金色の髪がはらりと垂れた。



        大総統府の一室にあるいつもの部屋。

        その奥にあるシャワー室からがウン姿で出てきたブラッドレイは穏やかに微笑みながらエドの傍に近づいて

        ベッドに腰を下ろした。



        絹の様な金色の髪に指を絡ませながら、身体の線をそっと撫でていく。

        その感触に思わず身をよじってブラッドレイの手を叩いた。



  

        「止めろよ!くすぐったい。さっき散々やったじゃないか。」

        「私的にはまだまだ足りないのだがね。」

        「だったら大佐にすれば。ほら、大総統のモノ欲しいってさっきからひっきりなしに垂れ流しているし。」





        二人は黒い笑みを浮かべながら部屋の一角に眼を向ける。



        壁から伸びた手錠に両の手を括り付けられ、全裸で繋がれているロイがそこに居た。

        その身体の中心にはしっかりと立ち上がりヒクヒクと脈打っているロイ自身。

        その根元には金属のリングがはめられていた。



        男を受け入れるだけの孔と成り果てたそこにはグロテスクな玩具が埋め込まれている。



        「どう??そろそろ開放されたいんじゃない?」

        「うっ…鋼…の…」



        何でこんな事を…そう言いたそうに顔を上げエドを見つめる。





        中央の大総統府から呼び出しを受け、ロイは3日前にここに到着していた。

        真直ぐに大総統府に向い、ブラッドレイの執務室に通される。



        やれやれ…また相手をさせられるのか…



        そんな簡単な気持ちで独裁者の前に立ってみれば…







        「驚いた?大佐。」

 

        屈託のない笑顔を浮かべ、大総統の座る大きなデスクの上にちょこんと腰掛けロイを見つめる恋人がそこにいた。

        何で…?どうしてお前がそこに…?



        考える間もなく、ロイはブラッドレイによって手足を拘束され、今まで昼夜休む事無く二人に弄ばれていたのだ。



        そして今は、散々犯されて体力を使い果たし、死んだ様に眠っている間に両の手を壁に生えた手錠に固定され、

        陰茎の根元に金属のリングをはめられたのだ。





        そして手首の痛みと腰の床に当たる冷たさで眼を覚ました途端、ブラッドレイに両足を押さえ込まれ、

        エドにより玩具を挿入させられた。



        それは中で締め付ける度に微妙に電流を流し、ロイに程好い刺激を与えていた。



        苦痛に顔を歪ませエドを見つめると、エドはさも満足そうに微笑み、ロイと濃厚なキスを交わす。

        



        「ね、見ててね。俺、ちょっと乱れるかもしれないけど、一番綺麗な所、大佐に見せたいんだ。」

        そういうと、背後のブラッドレイに振り向き、その胸に飛び込んでいった。

        ブラッドレイは軽々とエドを持ち上げ、そのままベッドへと連れて行く。



        「鋼の!!?」

        何をするつもりだ!彼は私の…





        「よく見ておくがいい。マスタング大佐。君の愛しい恋人が綺麗に弾け飛ぶ姿を。」





        そう言い放ち、ブラッドレイはエドの首筋に唇を落とす。

        たちまちエドは淫らに喘ぎ、ブラッドレイの腰に足を絡ませた。



        そして今まで散々自分の恋人に抱かれて乱れ飛ぶ姿を見せ付けていたのだった。





        ロイは秘所に埋め込まれた玩具の刺激と、眼に飛び込んでくるエドの痴態に身体が激しく反応し、だが根元にはめられた

        リングのせいでイク事も出来ず、ただ快楽に顔を歪ませ、喘ぐしかなかったのだ。

        



        そしてようやく一息つき、エドとブラッドレイは風呂場で汗と精液を流しさっぱりした所だった。





        

        「あーあ。可哀相に。ほら、早く開放されたくてドクドクしているよ。」

        ピンとロイの陰茎を弾くとロイが堪らず悲鳴をあげる。



        「は、鋼の…何でこんな事を…お前は私を愛しているのではなかったのか…」

        「愛してるよ。心からね。だからあんたが大総統に抱かれたり、ハクロのおっさんやグラン将軍にされても

         黙ってたんじゃないか。」

        漆黒の髪をなでながらその額にキスを落とす。



        あんたが上を目指す為、その身体を使う事に俺も黙認してたじゃないか。



        「だけど俺にだって我慢の限界って言うのがあるぜ?あんた、ヒューズ中佐と寝ただろう。」

        「俺も先月こっちに来てたの、あんた知らなかったんだな。」



        しかも偶然にも同じホテルに泊まってた。喜び勇んで声をかけようと近づいたのに…

 

        「随分と仲良く二人でホテルの部屋に入って行ったよな。そのまま朝までヒューズ中佐が帰ることはなかった。」

        「俺、朝までドアの前で待ってたの、知らないだろう。」

        「あれは!!」



        ロイは言葉を詰まらせ、目線を反らした。



        ヒューズとは士官学校時代からの付き合いで、心も身体も許した親友だ。

        ヒューズが結婚してからもその関係は暫く維持され、エドと出会うまでそれは続いていた。

        それはイシュバールで受けたロイの心の傷を癒す為でもあり、そこに恋愛感情はもう失われていた。



        そしてエドという恋人を手に入れてからはロイはヒューズと寝る事はなくなったのだ。

        ヒューズもロイの心が落ち着いてきて、表情が穏やかになった事を素直に喜び、エドとの関係を祝福していた。





        だが…先月中央に仕事で来た時、久しぶりにヒューズと飲み明かしそのまま勢いで昔の関係を復活させてしまったのだ。





        エドに悪い、と思いつつも、少し倦怠期気味であったことも重なりロイはヒューズの身体を受け入れた。

        新たな刺激を求めたかったのかもしれない…昔のヒューズの優しさに触れたかったのかもしれない。



        だがそれはあくまで一晩限りの事であり、ロイのエドに対する気持ちは何ら変わってはいない。





        「ヒューズ中佐はあんたより階級は下だよな?そんなやつにまで身体を差し出さなきゃ上を目指せない程

         あんたは無能なのか?」



        「エド…私は…」

        そのままロイは言葉を発せず、口を閉じた。

        今のエドに何を言っても無駄だろう。



        彼の怒りを甘んじて受け入れるしかない…ロイはそう覚悟を決めたのだ。





        「あんたがそんなに淫乱なら、面白い事をしようよ。」

        「面白い事…?」





        「そうだ。ゲームをしよう。マスタング大佐。優勝商品は君だ。」



        ゲーム…?景品は私!?



        「エドワード君が泣きながら私のオフィスにやってきてね。『大佐が浮気を!』と。宥めるのが大変だったよ。」

        「私の事も他の上官たちの事も知りながら何をそんなに悩む?と尋ねた所、相手は君の親友だったとか…」

        「ま、お蔭で私はこの可愛い子羊を手に入れる事が出来た。中々いい反応をするよ。君の恋人は。」



        背後からエドを抱き寄せ、その唇を奪う。

        ぴちゃぴちゃと音を立てて、ワザとらしくロイに見せ付けた。



        「くっ!」とロイが僅かに怒りを見せると、ブラッドレイがにこやかに微笑んだ。





        「ほぉ…人並みに嫉妬もするのだな。良かったな、エドワード。」

        「でもまだまだ!二度と浮気をしないと思えるまでお仕置きをしないとね。」

         

        ゆっくりロイの顔に近づき己が放った液で汚れているその顔に舌を這わす。

        そのまま鼻筋を通り、ロイの唇に口付けた。





        「ふっううんん…」

        舌を絡ませあう恋人同士のキス。

        それが今はとても遠く感じるキス。





        「ゲームに勝った人はあんたを1週間好きに出来る。それこそ何をしようと構わない。」

        「私の人権は無視か…」

        「は?淫乱のあんたに人権なんかないよ。あるのはこの厭らしい孔だけだ。」



        エドはぐっとロイの秘所にある玩具を押し上げ、指を中で回転させその玩具に刺激を与える。

        たちまち玩具は反応し、微力な電流をロイの中で流した。





        「ぐっああああ!!」

        「ウン、いい声。堪んないね。」

        ぐりぐりと指を動かしながら悪魔の微笑を浮かべ舌なめずりさえしている。





        私はここまでエドを怒らせてしまったのか…





        いや、エドは話せば必ず分かってくれる子だった…





        悪魔の悪戯か…ヒューズとの浮気現場を見てしまったエドを隻眼の魔王が引き寄せた…





        純粋な天使は魔王によって汚され、今は忠実なる僕と成り果てた。









        「さて、このメッセージに気づいて君を手に入れんが為に何人の強者がやって来るかな?」

        「大総統も出るの?」

        「私が出たら一発で優勝してしまうよ。それでは面白くないだろう?」



        自分にじゃれてくるエドを優しくなでる。

        その行為がロイの嫉妬心を逆なですると分かっていながら、見せ付ける様に…





        「お前が私の代わりに出るといい。」

        「俺が?」

        「そうだ。これもゲームだよ。果たして君は恋人を守る事が出来るかな…?」



        エドの目が途端に輝きだし、大きく頷いた。







        待ってて。俺必ず優勝してみせるよ。



        にっこり笑いながらエドはロイの手錠を外し、倒れこむロイをブラッドレイが抱えあげた。







        「ゲーム開催にはまだ一日ある。その間、たっぷりとその身体を快楽に浸してやらねばな。」

        ご主人様に従う狗として…躾をしなければ…







        背中に柔らかい感触を感じながら、ロイは静かに眼を閉じた。









        まるですべてを諦めたかの様に…









        ブラッドレイとエドはそんなロイを見ながら、ただ黒い笑みを浮かべ笑っているだけだった。









        To be continues.        





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