「う〜ん!いい天気!爽やかな空気が気持ちい!」 玄関を出てすぐの噴水の所で、エドは大きく背伸びをして綺麗な空気を思いっきり吸い込んでいた。 「こら〜はしゃぐと落っこちるぞ。」 「大将はやっぱりまだ子供っすね。」 ヒューズとハボックが大きなトランクを抱え、玄関口に留めてある車に積み込んでいる。 エドのはしゃぎぶりに溜め息を着きながら、昨日の夜の疲れがまだ取れていない腰をさすっていた。 「なんだと!誰がチビで豆かすの子供だ!!!」 「そこまで言ってな…あっほら、落ちる!!」 ぐらりと揺れた体は噴水に向かって傾いた。 とっさに腕を伸ばし受身の体勢を取ろうとする。 ばさっ!! 青い軍服に身を包んだ腕がエドの身体をしっかりと支えていた。 「…大佐…」 「危ないそ。濡れても着替えはないんだから…」 静かに見つめる漆黒の瞳に、金色のエドの瞳が映り込んでいた。 うん… そう呟きながらロイの腕をしっかりと掴む。 抱きかかえるように地面に下ろすと、エドはぴったりと寄り添うようにロイの身体にしがみ付いた。 「大将、そんなに密着しなくても、もう誰も取ったりしませんよ。」 「全くだ。俺達に見せ付けるなら他所でやってくれ。」 「いや〜ほほえましい限りです。どんな困難も乗り越えたお二人。まさに美しい愛。」 背後から両手に軽々とトランクを抱え、車の後部座席へと積み込んでいるアームストロングは、 エドとロイの姿を見ると、感動で涙を流していた。 益々深い溜め息をつきながら、ヒューズはロイに声をかけた。 「ロイ、街まで乗っていくのか?」 この別荘は海沿いの一等地にあって、街からかなり離れている。 車で行かないとかなり距離があるぞ? 玄関に止まっている車は3台。 一台はヒューズの車。アームストロングを乗せてここにやってきたのだ。 もう一台はハボックの車。あのゲームの後、ロイを乗せてここにやってきた時の車だ。 そしてもう一台は… 「大総統は?」 エドがブラッドレイの車に近づき中を覗き込む。 だがそこには誰も乗ってなく、運転手もいなかった。 「大総統閣下は後から帰るってさ。」 ヒューズが全ての荷物を入れ終わり、バタンと扉を閉める。 エドは再びロイの方へ走っていき、またぴったりと身体を密着させた。 ロイは嫌がる風もなく、逆に腕をエドの背中に回し、揺れる金色の三つ編を優しく撫でていた。 「ロイ、どうするんだ?車は…」 ヒューズのトイにロイは穏やかな表情で囁いた。 「アァ、すまない。私達は歩いて街まで行くよ。」 今は二人だけの時間を過ごしたい。 にっこりと微笑みながらエドの肩を抱き引き寄せる。 「ハボック少尉、すまないが私の荷物を一緒に運んでおいてくれないか。」 昨日あった事など微塵も感じられない、前と変わらないその態度に、ハボックは小さく苦笑した。 「少尉、ですか。昨日までは階級はつけないで呼んでくれていたのに。」 これでまたいつも通り。あんたは大佐で、俺はその部下。 全く…前と何ら変わらないんですね… 少しは俺の事を意識するかと思ったのに。 一週間の間、熱い瞳で俺を見ていたのは演技だったのか…? だとしたらたいした人だ。 何と言う精神力。そして強い意志。 上を目指す為にはそうでなければならない。 なら俺はその為に全力を持って押し上げるしか、この思いを伝えられないんだろうな… そろそろ出発の時間になり、ヒューズ、アームストロング、ハボックはそれぞれの車に乗り込んだ。 「気をつけてな。東方に帰ったら中尉に宜しく。」 ヒューズの『中尉』と言う単語にハボックもロイもビクッと反応した。 …そういえば…かれこれ10日は休んでる… 「中尉への言い訳を考えないといけないな。」 苦笑交じりに微笑むと、車で立ち去るヒューズとハボックに手を振り、エドとロイも別荘を後にした。 爽やかな日差しが、昨日の痴態を綺麗に洗い流してくれているようにも思えてくる。 終わったんだな… 終わったんだよ、大佐。 あんたは俺の元に帰ってきたんだ。 ロイはエドの肩を抱き、エドはロイの腰に腕を回して寄り添うように道を進む。 「東方に帰ったらアルが怒ってるだろうな…」 「お互い帰りたくないようだな。」 クスッと笑いあいながら平和なひと時を共に過ごす。 キキィィィ! 「なっ!?」 いきなり目の前に黒いリムジン車が止まり、男が数人飛び出してきた。 有無を言わさずロイを捕らえ、車の中に押し込んでしまった。 「大佐!?」 貴様ら!何すんだ!大佐を返せ! エドが車のドアを叩き、埒があかないと思うと両手をポンと合わせてドアに手を置こうとした。 カチャ。 車のドアが開き、中からぬぅっと手が出てエドの腕を掴み中に引き込んだ。 「ちょっ、何だって…」 転がりこむように車の中に入ると、思わず声を押し殺す。 「やぁ、エドワード。」 そして誇り高き焔を持つ者よ。 「大総統…なんで…」 あとから帰るって言ってたのに… 「エドワードとマスタングが歩いて帰ったと聞いてね。折角だから乗せて帰ろうと思って。」 「だからって、これは…」 エドは向かい合わせに座らされているロイを見て、言葉を失ってしまう。 豪華な内装の車に両の手を後ろ手に手錠を嵌められ、口にはさるぐつわをさせられている。 軍服の前は肌蹴られ、シャツのボタンは全部はじけ飛ばされていた。 「ゲームはもう終わったはずだよ?」 悪戯した子供を諭す様に、呆れ顔で話す。 ブラッドレイはくすくす笑いながらロイの脇に席を移し、見え隠れしている胸を弄った。 「ふっぐんん!」 慣れた手つきに仰け反りながら、逃げようと身体をよじる。 だが両の手を繋がれ、シートに横たわっている状態のロイは逃げる事もままならなかった。 「終わったよ。だがそれはハボックやヒューズ、アームストロングたちのことであり、 私はゲームに基本的には参加しておらん。」 「大総統の権限で、軍に属する者をどうこうするのは自由なんだよ。」 特にこの焔は私のお気に入りだからね。 私の好きな時に遊ばせて貰う。 「それはエドワードと言えど止める事は出来ない。それを承知しなさい。」 やれやれと言うポーズをとり、肩を落とす。 全く、この人の負けず嫌いはしょうがないな… はっきりと負けたと認めたくないからってこんな事を… 狭い車内で身悶えるロイを見て、エドの下半身はむくむくと成長していく。 ま、いいか。なんだか面白そうだし。 「じゃ、延長戦開始って事?」 「まあね。セントラルに着くまでどちらが上手に鳴かせてあげられるかな?」 負けねーぞ! それは私の台詞だ。 ブラッドレイがロイのズボンを剥ぎ取ると、脇に冷やしてあったワインをたっぷり秘部に注ぎ込む。 充分湿り気が得られたのを指で確認し、己を取り出して一気に挿入した。 「んっぐんん!!」 いきなりの刺激に喘ぐどころか悲鳴をあげたくなるような痛みに耐える。 エドは69の体位を取って、天を向け始めているロイ自身にそっとキスすると、それをすっぽりと咥え込んだ。 腸に直接来る刺激と、性感帯に直接来る刺激に堪らずロイはイッてしまう。 「俺の勝ち!」 「いやいや、私のテクニックで達したのだよ。」 どっちなの?大佐。 ロイの顔を覗き込んで、エドはくすりと笑った。 「あぁ、そっか。これじゃ話せないね。」 そう言いながらロイの口を塞いでいた布を取り除いた。 「はっあ…エド…」 「綺麗だよ…大佐…」 ゲームを通してわかった事がある。 屈辱に揺れるその表情がとても綺麗だって事。 それは俺の時には見られない別の顔。 うっとりする様な表情でロイの頬を撫でると、ブラッドレイと場所を変わりその両足を抱え込む。 グンと前進すると、先程と同じ様に身体をそり返して反応する。 だがブラッドレイと明らかに違うのがその恍惚とした表情。 前後に動くエドに合わせて、息も荒くなっていく。 その頬にそっと両手を添えると、頭の上から身を乗り出し、逆さまの形で唇を塞いだ。 エドに合図を送ると、エドはにやりと笑いながらロイの腰を持ち、グルッと回転させうつ伏せにさせた。 中に入ったまま回転され、膣内を擦りあげるその刺激にロイが思わず声をあげる。 すかさずその咥内に指を入れ、舌を摘んで弄ぶ。 後ろではエドはひっきりなしに突き上げていた。 その快感にロイの表情は段々とろんとしてきている。 そう、私ではぜったい見せないその表情。 昨日のゲームでそれは嫌と言うほど見せ付けられた。 「私にもそんな顔をするまで、何度でもゲームを仕掛けるぞ…」 覚悟するがいい。エドも私の手の中に落ちた。 私に負けは許されんのだ。 ブラッドレイはロイの耳元まで顔を近づけ、そっと囁いた。 「ゲームは永遠に終わらないのだよ…」 完全に私のものになるか、君か私のどちらかが死ぬまで…ね。 呆然と聞いていたロイが、ふっと笑みを浮かべ、ブラッドレイの顔を引き寄せその唇を塞ぐ。 「ならば私は勝ち続けるだけ…」 あなたに決して負けはしない。 あなたの地位を奪うか、私かあなたのどちらかが死ぬまで… 高貴なる焔を手に入れるのは容易ではない。 「全く。防衛する俺の身にもなれって言うの!」 大佐が心変わりをしないようにちゃんと満足させてあげるから。 でも大丈夫。この人は俺のものだ。 ほら、今でもしっかり俺のを咥え込んで喜んでいる。 そして嬉しそうにひくついて、前も蜜を垂れ流している。 「俺の名前を呼んで。俺だけの名前を…」 それだけでゲームは勝利する。 グンと最奥を突き上げると、ロイは悲鳴にも似た喘ぎ声を上げながら果てた。 「ほら、俺の方が早い。」 「なんの、まだお前の名前を呼んではいない。」 セントラルまでまだたっぷりと時間がある。 ホンと、負けず嫌いなんだから。 ブラッドレイとエドはロイを両脇から抱きかかえ、その身体を弄りあう。 ゲームに勝利するのはただ一人。 その勝利者が決まるのはまだずっと先の事… そして、セントラルの監獄で不敵に笑い続ける男が一人… 「フッ、フフ…あなたは私だけの物…」 監獄の廊下で揺らめいている炎に手を伸ばしながらその幻影を掴み取る。 世界中の皆が死に、二人だけになっても私を拒否すると言い放った。 「面白い…実際にそうなったらどうするか試してみたい。」 世界中の人間を吹き飛ばして、あの人への私の愛を知らしめる。 「ゲームはまだ終わってはいないんです…」 いつかここから逃げ出して、再びあなたの前に現れる。 美しき焔を手に入れるのは誰か… 今またゲームは始まる… Endless……
「ゲームを征する者2」終わりました!!!
ゲームは終了させられませんでした。
だってロイを巡る戦いなんて…終わったら面白くないじゃないですか〜〜(黒笑)
この後ロイは終わりなきゲームに付き合わされていくんです。
はたして勝利が来るのはいつの事か…
なんとかENDまでこぎ付けました。やれやれ…
長らくのお付き合い、ありがとうございました!
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