「失礼します。真撰組副長、土方十四朗参上致しましたっ!」
がらっと開けた襖の向こうに、数人の男が座っていた。
一斉に黒服の制服に身を包んだ青年に目を向ける。
「ほう、これが例の。」
「ええ。我々が探していたあの。」
「成る程。これは良い声で鳴きそうな。」
ねめつける様な視線で見つめている。
その異様な雰囲気に、土方は一瞬目を細めた。
何だ…?こいつら。本当に政府要人なのか…?
殺気にも近いその視線に、土方は腰の刀に手を伸ばす。
その瞬間、首に異様な痛みを感じ、そして一瞬の隙に刀は背後の人物に奪われてしまった。
驚いて振り向こうとすると、そのまま背中を強く押され、バランスを崩して部屋の中へと転がり倒れた。
「くっ、誰だ!?」
痛みがまだ残る首に手を添える。
これ…は?
「語尾はワン、ですぜ?土方さん。」
同じ黒い制服に身を包んだ青年が、刀を肩にかけながらにっこりを微笑んで立っていた。
右手に持ったリモコンを、部屋の奥にいる男達に放り投げた。
「総悟!?」
同じ真撰組の一番隊長、沖田総悟。
どうしてお前がここに…
「お偉方。躾けは程々にお願いしますよ。」
「ああ、判ってる。扱いに気をつけるよ。」
土方の方を見ようともせず、淡々と語る沖田に、土方は立ち上がって掴もうと手を伸ばす。
「うぁあああ!」
突然首に鋭い痛みが走り、土方はその場に蹲ってしまった。
痛みに震えながら見上げると、沖田が小さく微笑みながら見下ろしている。
「総悟…貴様!」
「ご主人様のお許しがなきゃ、あんたは勝手な事は出来ないんだよ。」
見下す様にそう吐き捨てると、沖田は蹲る土方の目線に合わせ膝を折った。
「お偉方はね。馴れてないペットを躾けるのがお好きなんだよ。」
だからしっかり躾けて貰って下さいよ。真撰組の為にも。
黒髪をくしゃりとかき撫で、沖田はすっと立ち上がった。
「3時間後に迎えに参ります。」
「ふん、判ったわ。さっさと行け。」
「では。」
深々と一礼して、沖田はその場に背を向け襖に手をかける。
「待て!総悟!これは一体どういう事だ!」
首を押さえながら、立ち去ろうとする沖田の背後に手を伸ばす。
だが沖田は振り返る事無く、ぴしゃりと襖を閉めていった。
何で?どうして。
何故自分がこんな仕打ちを受けるのか、頭の中で必死で考えるが全く思い浮かばない。
「さて、ペット君、こっちにおいで。」
厭らしい中年の声が土方の背後を突き刺す。
ぎりっと睨み付け、背後から迫ってきた男を払い除けた。
「誰がペットだ!こらぁ!」
「いけないな。そういう態度と言葉使い。そこから躾け直さなきゃな。」
数人の男が迫ってくる。無意識に腰の刀を取ろうとして、それが無いのに気が付くと、
とっさにファイティングポーズをとって身構える。
「ぐぁああ!」
途端に鋭い痛みが首に走り、土方はがくんと倒れこんでしまった。
蹲る土方の両肩を、男達は押さえつけてその黒髪を畳に擦り付けた。
「くっ…首に何を…」
「いやなに。ちょっと言う事を聞く道具を取り付けただけだ。」
よく出来たよ。ピンク色の可愛らしい首輪だ。ペットの君にぴったりだ。
リーダー格の男の手が、土方の首に伸び、嵌められている首輪を嬉しそうになぞっていく。
そこには軽い電気が流れるような仕組みになっていて、沖田が渡したリモコンは電流の強弱を
コントロールする物だった。
「大人しくしていたら痛い目には遭わせないからね。」
「それどころか最高に気持ち良くしてあげるさ。」
「さて、何から躾けようか。」
無数の手が土方の身体を服の上から撫で回す。
嫌悪感に顔を歪め、抵抗しようと腕を振り上げると、首に鋭い痛みが走る。
「うあっあ!」
「ほら、抵抗すると痛いだけだよ?学習しなさい。」
にやりと笑いながら、首のスカーフを取り、制服のボタンを外していく。
ハァハァと息を荒くしながら、肌が露になっていくのを唇を噛み締めながらただ見るしかなかった。
上着を剥ぎ取り、シャツを破り捨て、上半身の裸体を晒す。
均一の取れた腹筋や胸板に男達の眼が釘づけになった。
「結構綺麗な身体をしているんだな。」
「武装警察の副長ともなれば、傷だらけの興醒めする身体かと思ったのに。」
6本の腕がまるで蠢く触手の様に這いずり回る。
その感触に歯を喰い縛り必死で耐える姿に、男達はますます嗜虐心を高めて行った。
「さて、そろそろこっちも見てみようかね。」
「さぞかし立派な物が付いているんだろう。楽しみだよ?土方君。」
カチャカチャとベルトを外す音と、男達の興奮する息遣いが部屋の中をこだまする。
下腹部に外気を感じた時、流石に恐怖を覚え、土方は激しく抵抗した。
「くそ!離せ!!俺はあんたらのペットなんかじゃ…」
最後まで言う間に、土方の身体がびくんと跳ね、悲鳴と共に畳の上を転がっていった。
首を押さえ、身体を痙攣させ、土方はコントローラーを持つ男を涙眼で睨みつけた。
「”強”にし続けると、その痛みに気が触れる、とお前の部下が言っておったぞ。」
「それもまた一興かもな。気が触れ、人形同然となった真撰組副長を側に置くのも悪くない。」
「わしらはどちらでも構わんぞ?どうする?土方君。」
このまま大人しくペットになるか。
それとも僅かなプライドの為に廃人と成り果てるか。
土方はハァハァと息を荒げ、痺れる身体を起こして拳を握り締めた。
キッと睨みつけ、その反抗心を露にする。
「冗談じゃねぇ。俺がここに来たのは真撰組の皆が知っている。」
「俺に何かあればあんたらの仕業だとすぐにばれる。あんたら天人だろう。真撰組副長の俺を殺ったとなれば、
国際問題にもなりかねないぞ。」
武装警察の真撰組。これを傷つければこの江戸に「剣」を向けたと同じ。
警察は元より、この国が黙っちゃいない。
何より、真撰組が黙っちゃいない。
首輪に手をかけ、外そうと試みる。
だが鍵穴らしき物があり、鋼鉄製なのか、刀などでは到底切れそうに無かった。
「国際紛争になりたくなきゃ鍵を出せ!」
テロリスト達に凄むかの様に、その力漲る瞳で睨みつける。
しかし、男達はそのすさまじい視線を諸共せず、互いに顔を見合わせ笑い飛ばした。
「何が可笑しい!」
「悪いがね、土方君。国際問題のも紛争にもなりはしない。」
「これは真撰組からの謝罪だ。君は我々に対し真撰組を代表して謝罪をしに来たのだよ。」
謝罪…?何の話だ?
俺はただこの料亭に来て、政府要人に江戸の町を警護を兼ねて案内しろと…
「総悟…沖田が…」
「沖田…?ああ、君の部下か。そうだ。彼が君を差し出してきたよ。」
「鍵は彼が持っている。3時間後の迎えの時間にならないと、その首輪を外す事はわしらも出来ん。」
「何だ、君は何も知らされてないのか。沖田君も意地の悪い事をする。」
膝立ちの土方の周りを、再び男達がぐるりと取り囲む。
首への電流に自然と意識が向き、土方の抵抗心を少しずつ剥ぎ取っていく。
「…謝罪だと…?」
「ああ。我らがハタ皇子がペットを御探しの時、真撰組はなんら役に立たなかったそうだな。」
ハタ…皇子…?
ああ、そう言えばそんな天人いたっけか…
「皇子は何ら咎める事を致さなかったが、我々としてはそうはいかん。ちゃんと詫びて貰わねばな。」
「でなければ近藤隊長に詰め腹を切って貰わねばならない。」
「そう沖田君に話したら、我らに謝罪をこめてペットを用意すると。」
舌なめずりをしながら土方の肩を掴み、先程解いたスカーフを取り出して両の手をそれで縛り上げていく。
「だから今ここで君が舌を噛み切って死んでも、首輪の電流で廃人となっても謝罪の為の殉死として
発表すればすむ事だ。」
ジジッとチャックが下ろされる音が響き、そのままズボンも剥ぎ取られる。
「さぁ、どうするかね?その誇りと共に真撰組の為に殉死するか。」
「ペットとして3時間耐えて生き恥を晒すか。」
再び6本の手が身体中を這いずり回っていく。
胸を弄り、腰を弄り、猛々しい男根を弄られていく。
だが、土方は抵抗をせず、唇を噛み締め瞳を閉じる。
「…近藤さんの為に死ねるが…総悟の為に俺は生きる。」
誰に向かってそう呟いたのか。
襖の向こうにある気配に伝えたのか。
遠ざかっていくその気配に、土方は一瞬微笑みかけた。
「さぁ、楽しいペットとのスキンシップを始めようか。」
その声と同時に、料亭内には甘い喘ぎ声が響き渡っていった。
To be continues.
と言うより、初めて書く銀魂SSが陵辱かよ。(笑)
まだ原作全部読んでなく、アニメと設定資料集「銀ちゃんねる」のみの知識から書き下ろしたんですが…
多少の間違いや違和感がお許し下さいませ〜
うん!原作買おう!そうしよう!