下弦の月と恥辱の夜


「あっああ…」
「声を出したら回りの皆に気づかれますぜィ?」
「何だ、もうこんなにしてるのか?堪え性がないぞ。鬼の副長ともあろう者が。」
「もっと拡げた方が楽なんじゃ?」
近藤と沖田は、真っ赤な顔をして必死で声を我慢する土方の体にぴったりと寄り添っていた。
その背後で銀色の髪の男が、土方の着物の上から身体の線をなぞり、内股をぐっと持ち上げた。



満員電車の一角で、一人の男を囲むように3人の男が立っていた。
夜だというのに、珍しく車内は混雑していて、身動きが取れないほどだった。
近くでアイドルのコンサートがあったらしい。丁度その終了時に重なってしまったのだ。


土方は迫り来る絶頂間を必死で我慢しながら、何故こんな事になってしまったのかを考えていた。




警視庁長官の松平公が、真撰組局長、副長、一番隊隊長を食事に誘い、日頃の仕事ぶりを労った。
半年に一度あるかないかの松平公の気まぐれだが、腹を割って話せるこの親父の様な男との食事は
近藤も土方も沖田も心地よいものだった。


「制服なんか着てくるなよ。飯が不味くなる。」
その一言で、三人は私服の着物で警察車両にも乗らずに電車で料亭に移動した。

久しぶりのゆっくり取る食事。
舌を唸らせるほどの上品な味わい。
会話も弾み、日頃の仕事の疲れも感じないほどに楽しんだ。


「また明日から頑張れよ。」
「おぅ!とっつぁんも栗子ちゃんにあんまり構うなよ。嫌われるぞ。」
「うるせぇ!娘の心配をしてどこが悪い!」
けらけら笑いながら松平公は公用車に乗り自宅へと帰っていく。
近藤達3人は酔いを醒ましがてら駅まで夜道を歩いていた。


月も半月。夜道は暗く、人通りも少ない。

「こういう時は性犯罪が多いから気をつけないとな。」
「犯罪おこすって事か?近藤さん。」
「馬鹿やろう!違うぞ!俺が性犯罪なんか起す訳ないだろう!」
「それは土方さんの方が気をつけた方がいいですぜ?」
「何でだ!?俺は痴漢なんかしねぇぞ!」


「いやぁ、違いますぜ。襲われるほうですぜィ。」

にやっと笑いながら沖田は土方の前に立ちふさがった。
土方は何事か、と言う表情で首をかしげ、沖田を見つめている。

すっと伸ばされた右手は、土方の首筋へと降りていった。

首の筋を指でなぞり、鎖骨に触れ、そのまま着物の奥へとするりと手を滑らせて行く。
あまりの素早さに呆然としている土方に、沖田はくすっと笑いながら胸の突起をきゅっと摘む。

「あっ!」

小さく喘ぐその声に、近藤が思わず頬を赤らめる。

「っあ、いい加減に…」
「こんな風に襲われますぜィ?気をつけてくだせぇよ。」

着物から腕を抜き去り、沖田はくすくす笑いながら土方の黒髪にそっと触れる。
その悩めしい仕草に、側で見ていた近藤の動悸は高鳴る一方だ。

「や、止めろ!お前ら!こんな公道で!」
「あはは。近藤さんには刺激が強すぎた?」
「わりぃ、近藤さん。今度こいつに渇入れとくから。」

いつもやっている事なのだろうか、何事もなかったかのように着物の乱れを正し、土方は道の先を歩いていく。
沖田は黒い微笑を絶やす事無くその後に続いていく。

近藤は深いため息をつきながら、最後尾を歩いていった。






絵茶で「電車の中で痴漢されてる土方」と言うお題で書き、それに合わせて書いてみました!(笑)

何故こんな展開になってしまったのか!
この後土方はどうなってしまうのか!

何故一話完結にしなかったんだ!もう一人の僕!(泣)

これから暫くの間お付き合い宜しくお願い致します!


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