下弦の月と恥辱の夜 4

電車が大きく揺れるのに合わせて、銀時は神楽を支えていた。
満員の車内では身動き一つ出来ない。

だが、まだ背の小さい神楽は微妙な隙間があるらしく、
揺れる度に銀時から離れてしまいそうになっていた。

「大丈夫か?離れるなよ。」
「離れたくなくても離れそうだよ、銀ちゃん…」

銀時の着物をしっかり握りながらも大きくカーブする電車に神楽は身体を持っていかれそうだった。
電車は次の駅に止まるが、誰も降りないし誰も乗ってこない。
車内の密着度は変わらない。やはり身動き一つ出来ない状態が続く。

「銀ちゃん…暑いよ…きついよ…」
「もう少しだ。我慢しろ。」

とはいえ、この密着度に圧迫感は神楽には辛いよな…
電車、もう一本遅らせればよかったか?
次の駅で一旦降りるか…?

そう考えていた時。

「お嬢ちゃん。こっちへ。」
そう声が聞こえ、振り向くと座席に座っていた初老の夫人が手招きをしていた。

「ここに僅かだが隙間がある。大人は座れなくてもお嬢ちゃんなら大丈夫じゃろ。」
座席までは人2人分ぐらいの距離。大人なら一歩も動けないだろう。
だが神楽の背なら僅かな隙間をすり抜けられる。

「銀ちゃん…」
「お言葉に甘えさせて貰え。降りる駅は判ってるな。」
「うん!じゃ…」
「俺が側にいなくてもちゃんと同じ駅で降りるから安心してろ。」

神楽は小さく頷くと、人の隙間をかいくぐって座席の夫人の方へと向かっていった。
銀時は神楽が席に付くのを確認すると、安堵したように微笑んだ。



キキッ!!!


突然電車が急ブレーキをかけ、車体が大きく揺れる。

「うわっ!」
銀時は身体を支えきれずに回りの人とっしょに車内のドア付近まで押し流されていった。

「銀ちゃん!」
「大丈夫だ!お前はそこで座ってろ!」

倒れ掛かる人を押しのけ、銀時は体勢を整える。
神楽が座った後でよかったぜ…

苦しい中でも神楽が巻き込まれなかった事に安堵して周りを見回した。


「あっ…やっ…」

「!?」


聞きなれた声に銀時の視線が向けられていった。





「近…藤さん…」
「ごめん…トシ。俺…我慢できねぇや。」
ねっとりと頭の心が痺れる様なキスを交わし、近藤はやっと唇を離した。
濡れてきらりと光る唇を指でなぞりながら、潤んだ瞳から流れ出した涙を拭った。

ドア付近の一角で背後に総悟、前後に近藤が覆いかぶさり、周りからは土方の姿は見えにくくなっている。
加えて満員電車内、あちこちからコンサートの感想を語り合う話し声が聞こえ
土方の喘ぐ声はかき消されていた。

沖田に導かれるまま、土方自身を握り締め、そして今度は愛撫へと変わる。
鈴口に指を立て、そのままカリの部分を形を確かめる様に擦りあげていく。

「あっあ…はぁ…」
「いい声。でもあんまり大きく喘がれても困るよなぁ。」
「じゃ、口塞ぎましょうぜィ。」

背後から沖田が左手を伸ばし、半開きの土方の口を塞ぐ。
残った右手で胸を弄り、突起を摘みあげて刺激を与える。

「んんぅぐ…」
ビクンと身体を震わせ、近藤の着物にしがみ付く。
二箇所に与えられている愛撫に加え、電車内という、多くの者の気配を感じる中での行為に、
土方の羞恥心は高まる一方だった。

そしてその羞恥心が高まるのと比例して、興奮度も高まっていく。
「見られている」と言う感覚が土方や近藤、沖田の理性をどんどん崩していった。

先走りがどんどん流れ出し、近藤の手を汚していく。

「濡れてきたな…気持ちいいか?トシ…」
耳元でハスキーボイスを囁かれ、土方は背筋がブルッと震えながらも頷いた。
近藤の信念に惚れ、命を賭け、一生付いていく誓った。

憧れて…でも副長と言う立場である以上、馴れ合いはしない。
常に一歩後に引いて近藤局長を支えてきた。

近藤さん…あんたに抱かれるんならそれも…

理性がついに本能に負け、土方は積極的に近藤にしがみつく。
唇を塞ぎ、舌を差し出し、唾液を絡ませて快楽を求めた。

積極的になった土方に沖田は少し嫉妬しながらも、この状況を楽しんでいた。


土方さん…あんたはもう少し快楽に素直になったほうがいいですぜぃ。


胸を弄っていた右手を下半身にのばし、近藤が愛撫している土方自身にそっと触れ、
その先走りを掬い取るとそのまま後孔にまわしていった。

菊門に指が触れた時、土方は一気に理性を取り戻した。


「止めろ!総悟!こんな所で!」
「今更何言ってんでぃ!土方さん。近藤さんももう我慢ならねぇって。」

必死の形相で振り向く土方を無視して、沖田は指を孔に突き刺した。


「んっああ!」
「煩いな、トシ。回りに気づかれるじゃないか。」
何かい痛げな土方の唇を、再び同じそれで塞ぐ。
沖田の指は二本目が挿入し、くいっと第二間接が曲げられた。


びくっと身体が震えるが、近藤の大きな手がそれを押さえつける。


「俺と近藤さん…どっちが先がいいですかぃ?」


沖田の悪魔の囁きに、完全に落ちた事を思わせるように眼を閉じる土方。
近藤ももはや理性など残っていなかった。

太股を土方の股に分け入れ、右足の内股をそっとなぞる。



キキキッ!!!!


突然電車が急ブレーキをかけ、車体が大きく揺れる。
不安定な格好だった土方が倒れそうになったが、沖田と近藤がそれを支え、
とっさに沖田が指を孔から引き抜いた。


「あっ…やっ…」


思わず出した声。


それに気が付き、振り向く銀髪の青年が一人。



その青年と目があった時、土方の顔は強張り、声すら出す事も出来なかった。




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