命の重さ 1
木の葉の里は今、つかの間の平穏の中にあった。
三代目火影の死。
大蛇丸が残した傷痕は、未だに生々しく残るが…。
「ま〜たナルトの事、考えてたんでしょ?」
「へっ!?」
カカシはイルカの上に乗り上げた。
「わっ、ちょっと!!
なんてとこに座ってんですか!!」
「イルカ先生の膝の上」
焦るイルカ、素面で奇行をはたらく上忍。
周りは引きつった顔で、見ないふりをきめこんでいる。
そう、ここは受付だった。
幸い、一番混む時間の前。
イルカは椅子とカカシに挟まれ、冷静に考えようと努めた。
「さっきの質問、今度はちゃんと答えてくださいね」
「答えますから、もう退いてください」
「うん。答えたらね」
これはどんな拷問!?
イルカは内心冷や汗をかく。
「なんですか、いったい…」
「イルカ先生の、任務の得意分野は?」
カカシは、真面目な質問を投げかけた。
イルカとしては、また今日の下着の色なんかを聞かれるのでは!?
と、構えていたのだが。
「潜入しての情報収集ですかね……。
さぁ、答えましたから、退いてください!」
カカシはしぶしぶ移動した。
「五代目、決めました。
イルカ先生と二人で、その任務うけますよ」
「そうか。イルカは久しぶりの長期の里外任務になるだろう。
だが、期待しているぞ」
「え、は、はい…」
任務の内容は詳しく知らないが、イルカは返事を返した。
カカシが、自分の情報収集能力をかってくれたのだ。
だがしかし、…さっきまで五代目は居なかった。
絶対、見られた!!
イルカはキッと、カカシを睨みつけた。
「やる気満々だね、イルカ先生。
任務は明日の朝、出発だから。」
それだけ告げると、カカシは笑顔でドロンと消えた。
なんなんだ…。
「イルカ、任務の詳しい内容は後でカカシから説明があるだろう。
だが、心しておけ。
この任務、ランクはA、もしくはSにもなりうる」
五代目が小声でもらす言葉に、さすがに緊張感が走った。
どういう任務なんだ?
イルカは過去のAランク任務を思い出す。
それはどれも、命の危険がある任務……。
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