キハ200近郊型気動車

車内

キハ200走行線区

赤色(福岡近郊):筑豊本線
赤色(熊本・大分近郊):三角線・豊肥本線・久大本線
青色(長崎近郊):大村線・長崎本線・佐世保線
黄色(鹿児島近郊):指宿枕崎線
キハ200
JR総研が開発した新しい変速装置、ツメクラッチを採用した新型気動車です。 爪クラッチはキハ52-47にて現車確認が行われました。従来の気動車の場合、 直結段と変速段がそれぞれ1段ずつしかありませんでした。

直結段は高速域において エンジンから車輪まで動力を直接伝え、変速段は自動車のATシフトのように トルクコンバータ(変速機)を解して停止−加速領域までを制御するものです。停止するときに 直結のままだとエンストしてしまうのは容易に理解できると思います。エンストを防ぐために トルコンの中で液体(通常は油)を解して回転を伝えるのが液体式で、これが液体式気動車と 呼ばれる所以です。トルコン、というか、それより簡単な流体クラッチは、向かい合わせた 扇風機の片方のスイッチを入れてまわすと反対側も回りだす、という原理で理解されています。 発車〜加速時にはエンジンが思いっきりトルコンの中で液体をかき回し、車軸側に力を伝えます。 それが通常、エンジン側と車軸側の回転が同期しつつあって、その比率が0.7くらいになると 変速から直結に移行するようです(キハ181の場合)。

さらに直結段においてギヤをかませて 2段階以上にしたのがR-DW4をはじめとする近年の変速機です。R-DW4では爪クラッチを内蔵しています。 これは伝達効率の向上とともに素早いシフトチェンジを狙ったもので、エンジンと車軸側の 回転が一致していればクラッチを切らずとも素早くシフトアップしていき加速がスムースに行えます。 自動車用の場合、同期機構がないためにエンジン側と車軸側で噛み合わせが悪い(同期が取れていない)と 異音を発するようですが、鉄道車両用ですので同期機構もあるようで、惰行→加速に移行する際などに エンジンをふかして同期を取っています。

平成3年春に北九州の篠栗線・筑豊本線に投入され、スピードアップを 果たしました。従来、気動車のエンジンは国産品で、200馬力前後に落とされて 使われていました。出力を落としていたのは、エンジンの信頼性と車両運用の汎用性を持たせる ことにあります。
また、500馬力エンジンを搭載したキハ65、66、67といったグループもありましたが、 変速機などに設計ミスがあり、あまりパワーを発揮しているとは言いがたいものがありました。 これらの失敗を生かし、従来の車両との連結は一切考慮せずに、エンジンとマッチした 車両と変速機を作り上げたのがキハ200です。エンジンは新潟鐵工製の450馬力エンジンを 各車両に1台ずつ搭載し、電車(415系)並みの加速力を実現しました。
車体は近郊型気動車としては初めての3扉となり、車内は 転換クロスシートを並べています。当初からワンマン運転を考慮して製作されています。
91年製の1次車は直方に配置され、翌92年には2次車が鹿児島に配置されて指宿枕崎線に、 93年に3次車が長崎に投入されましたが、3次車は当初からブルーの専用カラーでした。 第3のカラーとなる指宿線用の黄色は97年春に登場したもので、ドーンデザインによるものではなく、 鹿児島支社独自のデザインによるものです。

番台区分の規則性(キハ220と共通)
+1000番台(トイレ非装備ただし500番台は当初非装備)、+100番台(ワンマン運転対応車)、 +500番台(ロングシート車) +4000番台(廃車代替)

転換クロスシートの車両を中心に作られてきましたが、その後、香椎線に ロングシート非トイレ装備の500番台が投入されています。また97年には 豊肥本線向けとして両運転台バージョンであるキハ220とともに、 当初からワンマン設備を持った100番台が登場しています。この車両はのちにワンマン改造を 受けた0番台と大差ありませんが、乗務員室が保安対策として30センチ拡大されています。

九州の気動車の決定版のような車両ですが、今後の増備の予定はないようで、 2001年10月の筑豊・篠栗線の電化後、余剰となったキハ200を、大分、鹿児島、長崎に分配して キハ58を置き換える作業を行いました(一部は熊本から転出)。

さらに2003年春にはそれほどパワーを発揮できない香椎線から 500番台を召し上げ、各地に分散させて各地域での企業イメージのアップと朝夕のラッシュ緩和を 図る?ようなことも行われ、大分(キハ220-1500)、鹿児島(キハ200-500) に全車両が追加配置されました。鹿児島に転入したのは3本で、 玉突きでトップナンバーのキハ200−1/1001がわずか1年で大分に転属しました。 鹿児島に行ったものはトイレ取り付け改造が行われ、指宿枕崎線で活躍しています。 在来車との識別点はトイレで、明り取りの白い窓があるのが基本番台、ない車両が 500番台です。2004年になって2編成が黄色のなのはなカラーに塗り替えられています。 また、2004年3月の九州新幹線開業に伴い、キハ200−9・1009が塗装変更を受け、なのはなDXとして キハ220-1102と手を組んで活躍を始めています。なお、5000番台は廃車代替車両で 5007(93年竜ヶ水での水害により廃車)と5011(2003年に大村線での踏み切り事故で大破)の 2両が在籍中です。


基本番台諸元表

形式
キハ200形
0番台
キハ200形
1000番台
寸法
L:21,300 mm W:2,994 mm H:4,050 mm
重量
空車
34.8 t
34.3 t
換算(積/空)
4.0/3.5
最高速度
110km/h
機関形式
出力
DMF13HZA×1
420PS/2000rpm
変速機
R-DW4×1台
(変速1段・直結2段自動変速)
最終減速比2.913
動力伝達方式
液体(ツメクラッチ)
ブレーキ方式
空気ブレーキ
電気指令式空気ブレーキ(直予備付)
抑速ブレーキ
排気ブレーキ
台車形式
DT600K/TR600K
軸距
2100mm
車輪径
860mm
バネ(一次/2次)
ロールゴム/空気バネ
定員
122(座席:52)
126(座席:56)
運転台
片運転台・貫通
出入口
両開引戸1300mm×3
便所設備
あり
なし
暖房設備
機関廃熱利用5300kcal×10
冷房装置
機関直結+パワーユニット方式40600kcal/h

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