キハ200近郊型気動車

キハ220なのはなデラックス

なのはなデラックス指定席車内

指宿枕崎線のキハ200
鹿児島都市圏の通勤通学輸送は西へ鹿児島本線川内、北へ日豊本線国分、そして 指宿枕崎線喜入までのエリアとなっています。その中でもっとも好調な指宿枕崎線は 91年の筑豊・篠栗線への投入に引き続きキハ200の投入線区に選ばれました。 博多−西鹿児島の787系特急つばめが鮮烈なデビューを飾った92年7月15日に 特急つばめのフィーダー輸送を担うために登場しました。従来西鹿児島−山川に 3往復設定されていた快速いぶすきのうちもっとも速かった2号のダイヤを踏襲し、 途中南鹿児島・谷山・坂之上・喜入停車で指宿まで49分で走り出します。愛称は いぶすき市に早春咲き乱れるなのはなをそのままとってなのはな号となりました。 快速列車はデータイム1時間ヘッドで8往復。鹿児島市南部の中心駅谷山で 普通列車も含めてデータイム完全 20分ヘッドになるようにダイヤが設定され、その設定のために慈眼寺駅が交換駅化されました。 車両はキハ200−7〜10、1007〜1010の3次車4本です。夕方の1本は国分まで直通運転されていました。 その1本が1年後の悲劇となるのですが...。

翌93年8月6日、鹿児島市を襲った集中豪雨は市内河川が氾濫し、各地で大被害をもたらし 一時は鹿児島市が完全に孤立状態となりました。その日の夕方、日豊本線竜ヶ水駅にて 運転を見合わせていた2本の列車が停車していました。当時のJRの手引書ではこのような場合、 車内で乗客を待機させるのが通例でしたが、乗務員が車外への避難指示をだし、乗客はいませんでした。 そこへ土石流が襲い、列車は下を走る国道に押し流されてしまいます。キハ200-7はなんとか無事でしたが、 1007は大破し、キハ40の2両とともに廃車となりました。しばらく他のキハ200にぶら下がって 3両編成で走行したようです。

その後代替としてキハ200-5007が製造されてペアを組んでいます。その後、年を追うごとに 各地で誘致運動が起きたのか、はたまた運転停車のついでに客扱いをしたほうが得策だと 思ったのか、停車駅が少しずつ増えていきます。また、指宿で折り返してフル回転を していたキハ200ですが、一部は山川まで再延長されています。さらに97年11月改正からは 鹿児島市街地である坂之上まで全駅完全20分ヘッドを達成するために坂之上まで各駅停車となり、 本数も半分程度の5往復に減少します。面白いのは枕崎始発の上りなのはな2号が登場したことで、 しかもその列車はキハ58使用となっていました。また、このときにワンマン運転が始まっており、 準備工事となっていた3次車では、乗務員室と客室の仕切りを下半分切り落として そこに蝶番で固定した料金箱が設置されています。

なお、いぶすきキャンペーンの一環で97年春に1編成が黄色の現行色に塗り替えられます。 当時はNANOHANAのロゴが片側1箇所ずつしかありませんでしたが、のちに扉間すべてに つけられ、4編成全てが塗り替えられています。なお、この車両のデザインは鹿児島支社独自の もので、ドーンデザイン研究所はタッチしていないようです。

2000年3月改正では3往復に減少していますが、その分、五位野発着の普通列車が増強され、 五位野・喜入・山川行きがそれぞれ1時間に1本ずつ20分毎に出るダイヤとなっています。 再び大きな動きがあったのは2002年春で、前年秋に電化されて余剰となった筑豊地区の気動車が キハ47とともにやってきました。鹿児島への割当は1編成でトップナンバー車が南国鹿児島にも 足跡を遺すことになります。黄色のキハ200ばかりの中で赤色は目立つ存在でした。 なお、転属にあたってワンマン化改造を施されていますが、従来の3次車と違って 運転席背面の仕切に覆いをつくり、そこからレールで料金箱を出し入れする方式になっています。

翌2003年には指宿枕崎線にも土・日曜ダイヤが設定され快速列車は西鹿児島の隣の郡元を通過することに なりました。ここで快速列車の本数が日曜と平日で変わることになります。また、香椎線から 召し上げられたキハ200の割当を受け、キハ200の500番台3編成全てが鹿児島に転入してきました。 それに押し出される形でトップナンバーがわずか1年で大分へ転出しています。 500番台はロングシートで、トイレがありません。しかし運用はクロスシート車両と共通で、 西鹿児島駅などでの案内で”この列車にはトイレがありません”と表示していました。 2003年秋頃からトイレの取り付けが始められ、現在は3本全てに取り付けられており、 トイレの前は車椅子スペースとなっています。

さらに2004年夏からは黄色のカラーリングに変更されつつあります。 また、2004年春から観光列車なのはなDX号が設定され、キハ220-1102が熊本から改番の上、 小倉工場で改造を受けて展望車両となって転入してきました。この車両は指定席車両で、 これに自由席車両の形でキハ200-9、1009の編成がDX仕様のロゴに変更されています。 なお、自由席車両の室内に変更はありません。



500番台諸元表

形式
キハ200形
500番台
キハ200形
1500番台
寸法
L:21,300 mm W:2,994 mm H:4,050 mm
重量
空車
35.3t
34.8t
換算(積/空)
4.0/3.5
最高速度
110km/h
機関形式
出力
DMF13HZA×1
420PS/2000rpm
変速機
R-DW4×1台
(変速1段・直結2段自動変速)
動力伝達方式
液体(ツメクラッチ)
ブレーキ方式
空気ブレーキ
電気指令式空気ブレーキ(直予備付)
抑速ブレーキ
排気ブレーキ
台車形式
DT600K/TR600K
軸距
2100mm
車輪径
860mm
バネ(一次/2次)
ロールゴム/空気バネ
運転台
片運転台・貫通
出入口
両開引戸1300mm×3
便所設備
あり
なし
暖房設備
機関廃熱利用5300kcal×10
冷房装置
機関直結+パワーユニット方式40600kcal/h

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