キハ31
北海道・四国のキハ54、32とおなじく、国鉄民営化を前にして、運営経費の節減によって、 ローカル線の経営を改善しようと設計された形式。ローカル線へ地域密着型の 新型車両を投入することで、民営化直後の新会社の初期投資を軽減する狙いがありました。
変速機にキハ58、 座席に新幹線0系を使うなど廃車発生品を用いたほか、クーラーなどバス用部品を 使用することによって新製価格の引き下げや軽量ステンレスによる軽量化、 メンテナンスフリーを狙っています。 、250馬力1エンジンながら従来のキハ28・58の2両編成 (540馬力。72トン)に匹敵する 加速力を備えることになりました。(省エネ効果は従来車両に比べて20%)。また、 現在では当たり前になっていますが、ワンマン運転を前提とした設備を備えています。最高速度はキハ58などとおなじく、95km/hですが、 豊肥本線など、勾配のきつい路線があり、エンジンに余力を持たせるために 短尺軽量のボディを採用しました。 車内は通路をはさんで2人掛けと1人掛けの転換クロスシートが並び、グレードを上げています。 一部の車両ではラッシュ対応のためにロングシート化されています。
キハ125が登場するまで、ローカル線のスターとして唐津・香椎・筑豊・豊肥本線などの路線に 投入されていましたが、現在は、キハ125に追われるようにして、肥薩線や、三角線などの 運用に入っています。2002年より鹿児島にも転入し、日南線運用に就いています。しかし トイレの設置がない上に90キロ近い長距離運転になるためにトイレつきのキハ40などと 組んで運用されているようです。2004年3月には人吉−湯前のくまがわ鉄道への乗り入れ運用が なくなった関係で、1両がくまがわ鉄道に移籍しました。
形式 |
キハ31 |
寸法 |
L:17,750 mm
W:2,800 mm
H:3,620 mm |
重量 |
29.8 t |
車体 |
軽量ステンレス |
運転室 |
片室貫通低運転台 |
機関形式 出力 |
DMF13HS×1 250PS/1,900rpm |
液体変速機 |
TC2A/DF115A (変速1段・直結1段手動変速) |
最終減速比 |
2.976 |
ブレーキ方式 |
DA1A自動ブレーキ |
台車形式 |
DT22G/TR51E |
許容最高速度 |
95km/h |
車体構造・客室 |
2扉クロスシート |
冷房用電源 |
サブエンジン方式 |
乗車定員 |
98(座席:38) |
製造年度 |
1987・88 |