キハ66・67気動車

車内

キハ66主要走行線区

キハ66・67系
昭和50年3月に山陽新幹線が岡山‐博多を開業し、九州にも新幹線が乗り入れてくるようになりました。 それに先立ち、筑豊地区の輸送改善(キハ10系列の置換え)を行うためにキハ66、67が製作されました。

足回りは、山岳路線向けに開発されたキハ65系を参考にされ、500馬力エンジンを 安全上の理由から440馬力にデチューンしたものを各車両に搭載した他、 大型の集中クーラー(AU75)が屋上に設置されています。
車内設備は急行用と近郊型を折衷したような形で、扉付近をロングシートにしたほかは 転換クロスシートを備えています。
従来の急行用車両は、ボックスシートが主流でしたので、破格のサービスでした。 ただし、扉が中央付近(従来は車端部に設置)に 寄せられたので、客室との間の仕切りはなく、そのためデッキはありません。
デッキがないと、冬などは停車時に座席まで寒風が入り込んできますが、暖かい九州なので 必要ないとされたと考えられます。
キハ66、67はペアで使用されており、キハ67に電源装置を積み、66にも供給されます。 妻面付近の屋根に大型のラジエータを置き、これが同形式の最大の特徴となっていました。 これはキハ65などの大出力気動車がオーバーヒートに悩まされ、そのために冷却効率の良い 屋上に置くことになったものです。そのためもあって気動車では珍しく集中型冷房が 搭載されました。オーバーヒートの原因はトルクコンバータの変速機切替速度域が高く設定され、 そのために変速段で登坂してオイルが過熱されてしまい、結果としてエンジン全体が高温になってしまうから であると考えられます。

JRになったあと93年より工事を施され、現在は全ての車両が キハ200と同じ420馬力のエンジンに交換され、屋上のラジエータは撤去されています。 また、冷却効率も良くなったために車体側面に開けられている吸気口もふさがれている車輌が あります。 改造工事でエンジンの出力が 低くなる例は全国的に見ても珍しいですが、従来のエンジンだと、車体とエンジンの振動が 同期して共振する傾向にあるなど、設計上問題があったため、と 聞いています。そのほか、排気量が半分程度で同等の出力が確保できるDMF13の方が効率が良い、という 現実的な面もあったようです。構造が複雑で高価になったためにキハ66、67それぞれ15両、計30両で 製作は打ち止めとなり、製造以来一貫して、小倉工場で整備を行っています。
かなり手間のかかる車両で、点検・整備などを大規模に行える工場は、九州では 小倉工場と鹿児島工場だけですが、鹿児島では面倒が見切れないし路線の実情に合わない、 ということです。その話もあったのかどうか分かりませんが、2001年の筑豊・篠栗線の電化の際は、 長崎に転属し、大村線経由の快速シーサイドライナーをメインとして長崎−佐世保を結んでいます。 2004年秋には国鉄カラーに塗り替えられたキハ66/67-1を除く全車両のSSLカラーへの変更が 完了しました。九州色をまとっていた車輌が全て塗り替えられるのは初めてのケースで、 同時に長崎運輸センターの気動車はキハ66系列とキハ200のみ、という九州内でも極めてまれな 車種構成となっています。


主要諸元表

定員以外の(括弧)書きは換装前
形式
キハ66
キハ67
寸法
L:21,300 mm W:2,930 mm H:4,077 mm
重量
40.7 t
42.2 t
最高速度
95km/h
機関形式
出力
(DML30HSH×1) DMF13HZA×1
(440PS/1600rpm)420HP/2,000rpm
液体変速機
(DW9)DW14H
(変1直1手動変速)変1直2自動変速
全減速比
2.995
ブレーキ装置
CLE応荷重増圧装置付き
電磁自動ブレーキ
台車形式
DT43/TR226
車輪径
860mm
定員
98(座席:62)
100(座席:64)
運転台
片運転台・貫通
出入口
両開引戸1300mm×2
座席配置
セミクロス
便所設備
あり
なし
冷房設備
AU75
冷房用電源
4VK-DM83A

冷房電源は現在、交換されています。
あしからずご了承ください。

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