811系
89年のアジア太平洋博覧会`89福岡(よかトピア)にあわせて登場したJR九州独自の近郊型電車。
標準的な近郊型電車としての量産を目指したために、関門トンネルを抜けない車両には 特に必要としない直流用の機器を搭載せず、交流専用電車に特化しています。
415系1500番台と同じ2両1ユニットで、軽量ステンレスにボルスタレス台車という組み合わせですが、 先に登場した特急用のハイパーサルーン(783系)と同等のスペックを持ち、120km/hでの 運転が可能(従来の車両は100km/h)です。ただし回生ブレーキの採用は非装備となっています。さらに、415系では、2両ユニットであるモハを中間におき、 4両単位での運転しか出来ませんでしたが、クモハ-モハの組み合わせとしたことで、 編成上、機器の移設によって3両編成や、サハの増結によって5両編成でも運転できるような 構造を採用しています(3連も5連も実現しませんでしたが)。
車内は従来のボックスシートをやめ、転換クロスシートを 採用しました。また、高運転台であることは変わりませんが、 助士席側の窓が大きくなり客室と運転室とを 仕切る窓も上下に拡大されたので、展望が良くなりました。
基本番台では、扉間のシート全てが転換式で、扉付近の踊り場とは、仕切り板が つけられていましたが、100番台では、仕切り板の裏にも座席が固定式で取り付けられて 踊り場の面積が増加しています。また、サハ811-200が平成4年春に2両だけ登場していますが、 これは団体列車を想定しており、トイレを装備しています。つまりこの編成では 4両編成でトイレが2両連続(クハ、サハ)でついていることになります。
外観は5度の傾斜のついた前面がスピード感を与えており、側面の帯はステッカ仕上げですが、 JR九州のコーポレートカラーである赤と、近郊型車両のシンボルカラーであるブルーを 配し、色の境目を斜めにカットするなど、大胆な姿になっています。
登場時から、鹿児島本線福岡近郊の快速電車に投入された他、普通電車や、臨時の急行列車 (博多‐熊本の急行”ひのくに”など=現在は全廃)にも投入されています。現在は鹿児島本線を 中心に運用されています。
形式 |
クモハ810 M`c |
モハ811 M |
サハ811 T |
クハ810 Tc |
寸法(mm) |
L:20000 W:2950 H:3670 | |||
パンタ折畳高さ |
4280mm |
- |
- |
- |
自重 |
38.0t |
36.0t |
26.0 t |
32.5 t |
電気 |
交流20000V:60Hz | |||
車体 |
軽量ステンレス | |||
出入口 |
両開:1300mm×3:戸締め機械TK111 | |||
台車 |
DT50QA |
TR235QA | ||
車輪径 |
860mm | |||
固定軸距 |
2100 | |||
電動機形式 出力 |
MT61QA 150KW×4/両 |
- | ||
ギヤ比 |
5.6 |
- | ||
制御方式 |
サイリスタ連続位相制御発電ブレーキ付 力行応荷重制御付・弱メ界磁付 | |||
ブレーキ方式 |
発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ 応荷重制御付 | |||
冷房装置 | AU403K: 42000kcal×1 | |||
補助電源装置 |
- |
- |
- |
SC400K |
電動空気圧縮装置 |
- |
- |
- |
○ |
最高速度 |
120km/h | |||
乗車定員 | 120(48) | 136(56) | 136(56) | 118(44) |
製造初年度 |
1989(平成元)年 |